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変化するキャリアとの向き合い方は?「自分がしたいことに向き合うことが大切」Pizza 4P's創業者・高杉早苗さんインタビュー

  • 2026.2.14

2011年にベトナム・ホーチミンで1号店をオープンし、ベトナム全土のみならず、カンボジア、日本、インド、インドネシアと広がりを見せている人気ピザレストラン『PIZZA 4P’s』。創業者ご夫婦がこれまでの起業の歩みや、人生を生きることの意味を赤裸々に綴った初めの著書は多くの話題を集めています。元同僚でもある夫・益子陽介さんの駐在でベトナムに渡り、その後益子さんと共にピザ屋を創業した奥様の高杉早苗さんに、会社員から駐在員の妻、起業へと立場やキャリアを変化させていった30代について、お話を伺いました。

Profile:高杉早苗
たかすぎ さなえ 慶應義塾大学卒業後、サイバーエージェントに入社。広告代理店事業、メディア広告企画を経て、出産を機に退職。夫・益子陽介氏と「Pizza4P’s」を共同創業。起業当初は店長からスタートし、事業全体を統括。二児の母でもある。

Qサイバーエージェントの社員だった高杉さんは、夫で同僚の益子さんの駐在でベトナムに渡りましたが、会社員から異国で「駐妻」となったことでどのような経験をしましたか?

「初めての海外暮らしがベトナムで、さらに子どもも生まれたばかりだったので、初めのうちは、どこで何を買えばいいのかもわからず、生活に基盤を整えることに必死でした。ただ、子どもがいたことで『ママ友』の日本人ネットワークが広がっていく感じがとても新鮮で楽しかったです。しかし、子どもが少しずつ大きくなっていくにつれて、離乳食を作ったりしながら子育てに奮闘していても、仕事とは異なり、フィードバックがないことが辛くなった時期がありました」

Q子育ては「孤独」と言われることもありますよね。

「そうですね。さらに、駐在員というのは仕事がとても忙しくて、益子さんも帰りが遅かったりしたので、毎日一生懸命、家事や育児をこなしても誰も褒めてくれないし、誰とも会話してない日々が続いていたのです。ある日、携帯を見ながら離乳食をあげていたら、それを益子さんに『よくないと思う』と指摘され、その言葉にもカチンときて言い争いになったことがありました。社会とのコネクションが感じられないのがとても辛く、フラストレーションが溜まっていたのだと思います。そのときに『ああ、私は外とのつながりを持って、何かを頑張ることや、仕事をすることが好きなんだ』と気づき、早く仕事に戻りたいなと思っていました」

Qそんななかで、益子さんと共に「Pizza 4P's」を起業をしたわけですが、最初から高杉さんも参加する予定だったのですか?

「いえいえ、本にも書かせていただきましたが、最初はサポートやアドバイスをするくらいのつもりでいたので、私はコラムを書くようなアルバイトをしていました。すると益子さんが『え、店長やるんだよね?』と当然のことのように言ってきて。事前に相談や会議があったわけではなく、夫の中では私も一緒に働くというのは決まっていたのです(笑)。それからは私もマインドシフト。ただ、飲食業が未経験だったにも関わらず店長を任されたので、毎日を必死にこなすだけで精一杯でした。ベトナムはお手伝いさんをお願いしやすい環境だったので、仕事に集中できたのはとてもありがたかったです」

Q「起業したい」という夫の夢を支えてきた高杉さんですが、そのために心構えしたことや努力したことはありますか?

「私自身、飲食業をやりたいと思ったことがなかったので、飲食店をやると聞いたときには驚きましたが、話を聞いているうちに、私もだんだんと自分のこととして捉えるようになっていった気がします。努力をしたりしたわけではないのですが、『自分もやってみたいな』と思えてきたのです。なので正直、夫の夢を支えてきたというような気持ちはあまりありません。自分がやりたいことを一緒にやっているという感覚でやってきたからこそ、今も楽しく続けることができているのだと思います。もし、『支えている』という心持ちでいたとしたら、いつか不満が出てしまったかもしれません。ただ、『自分がしたいこと』『自分にとって大切なこと』に向き合い、そこは妥協をせずに益子さんと話し合いました。そうしたプロセスを経たからこそ、夫の夢を自分のものにすることができたのだと思います」


Information
『PIZZA FOR PEACE 世界で愛されるピザレストラン Pizza 4P’sの軌跡』
発売中/宝島社 2011年、ベトナム・ホーチミンに1号店をオープンして以来、ハノイやダナンといったベトナムの主要都市をはじめ、カンボジア、インド、インドネシアなどアジアに店舗展開してきたピザレストラン「Pizza 4P’s(ピザ フォーピース)」。2023年には、東京・麻布台ヒルズに日本での1号店をオープンするやいなや、数カ月先まで予約が埋まるほど話題沸騰中。さらに、2026年にはニューヨーク店がオープン予定と、世界で愛されるレストランへと成長を遂げました。 そんなPizza 4P’sの創業者は、益子陽介さんと高杉早苗さんの日本人夫妻。サイバーエージェントで働きながら起業の夢を抱いた益子さんと、それを支えた元同僚でもあり妻でもあり、二人の娘の母でもある早苗さん。二人が起業に至ったところから、困難を極めた開業までの日々、海外へと進出したきっかけ、これからPizza 4P’sが目指す未来。さらに、初めて明かすつらい日々と心の病について…。 「Make the World Smile for Peace」というビジョン、「Delivering Wow, Sharing Happiness」というミッションを掲げ、ピザと共に世界中に幸せを届けたいという二人の思いと、これまでのすべてを赤裸々に語った一冊。海外起業や夫婦起業を目指す方にとって参考になるのはもちろん、大切な人に寄り添うこと、私たちが目指す平和とはなにかを考えるきっかけになるはずです。

Photograph=Yoshiko Kojima Text=Kaori Soma

※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人

相馬香織

編集者・ライター

出版社勤務ののち、拠点をベトナムに移しフリーランスのエディターに。海外で数々の取材をこなす。インスタグラムでは旬のベトナム情報を発信。

Instagram:@_kaori.soma

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