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「代役なことを忘れさせる」2年前のNHK大河ドラマ、まるで“最初から決まっていたよう”な好演を見せた“朝ドラ活躍俳優”

  • 2026.4.1

2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』は、『源氏物語』の作者・紫式部を主人公にした作品で、大石静が脚本、吉高由里子が主演を務めた。本作に登場した、紫式部の生涯にわたる“ソウルメイト”藤原道長(柄本佑)の甥・藤原隆家は、型破りなタイプの人物で、視聴者から注目を集めた。

隆家役に決まっていた俳優は、クランクイン後に降板し、代役として選ばれたのは、2本のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)に出演経験のある竜星涼だった。筆者は、『光る君へ』を視聴していた時、最初のキャスティングはまったく頭に浮かばなかったくらい、竜星の演技は隆家そのものだと思った。

清々しい性格の藤原隆家を豪快に演じた竜星涼

隆家は、本作の背景に重要な要素として取り上げられていた“祈祷”や“呪詛”に頼らず、自らの力で突き進むキャラクターだ。欲望はしっかりと持っており、それを隠さず、自分の意見は上の者に臆さず伝えることができるタイプ。失敗して左遷されようとも、カラッとした態度の隆家は、清々しくたくましい性格が印象的だった。

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竜星涼(C)SANKEI

この豪快な人物は、まさに竜星にピッタリで、最初から決まっていたようにしか見えない好演ぶりだった。SNSにも「代役なことを忘れさせるこの配役は実力」「代役だとは思えないほど入り込んでいた」など、絶賛コメントが上がっていた。

隆家の強烈なエピソードは、花山院(本郷奏多)に矢を放ってしまった事件だ。隆家は、左遷を命じられると逃走してしまうような兄の藤原伊周(三浦翔平)と違い、とにかく飄々としている。“豪快”で“飄々としている”と言えば、竜星が演じた“ニーニー”を思い出さずにはいられない。

朝ドラ『ちむどんどん』の“ニーニー”役で有名に

竜星は、2本の朝ドラに出演経験があると書いたが、1本目は2017年の『ひよっこ』で、2本目は2022年の『ちむどんどん』。前者で竜星が演じたのは、行方不明の父を捜すヒロイン・谷田部みね子(有村架純)に協力する警察官・綿引正義。名前の通り正義感が強く、優しいキャラクターで、筆者は綿引とみね子が結ばれるといいなと思ったほどだ。『ひよっこ』での竜星は非常に格好良く、好感度が高かった。

一方、『ちむどんどん』では、ヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜)の兄・賢秀を演じたが、『ひよっこ』とは全然違う、お調子者キャラに扮した竜星。比嘉家の長男で、家族から“ニーニー(お兄ちゃん)”と呼ばれる賢秀は、いわゆる“ダメ兄”。何事にも自信満々だが、失敗ばかりで、周囲を引っかき回しては、姿を消してしまったりする。そんな、かなり“ウザい”キャラクターを、竜星は見事に演じ切り、大いに認知度を上げた。

『光る君へ』の隆家は、賢秀のように“困った人物”ではないが、“豪快”で“飄々としている”という点では、少し似ているかもしれない。両役とも、竜星の持つ明るさや元気な面が反映されているように感じた。

戦隊ヒーローの“レッド”を快演

プロフィールにも記載しているが、筆者は特撮番組に出演した俳優の、その後の活躍を見守るのが好きだ。2013年の“スーパー戦隊シリーズ”『獣電戦隊キョウリュウジャー』で、主人公のキョウリュウレッドを演じた竜星のその後も見守ってきた。ちなみに本作には、『光る君へ』で一条天皇を演じた塩野瑛久や、『ちむどんどん』で大野愛役だった飯豊まりえも出演。塩野はキョウリュウグリーン役、飯豊はキョウリュウバイオレット役だった。その後に大河ドラマや朝ドラで、2人が竜星と再共演したことが興味深い。

竜星は、まさに戦隊ヒーローの中心人物である“レッド”に相応しい印象だ。冒険家で勇気があり、愛称が“キング”のキョウリュウレッドを快演した竜星。ハードなアクションもこなしながら、高身長を生かして、モデルとしてパリコレに出演したこともある。俳優としては、さまざまなジャンルの作品で活躍し続けている。

ファンを増やしたNHKドラマ『昭和元禄落語心中』

2018年のNHK“ドラマ10”『昭和元禄落語心中』で竜星が演じた有楽亭与太郎は、大きな注目を浴びた。名人落語家・有楽亭八雲(岡田将生)が主人公の本作で、竜星は八雲の弟子・与太郎を好演。竜星は落語と真剣に向き合い、たくさん学び、膨大なセリフ量をこなしながら、お調子者の面がありつつ、真っ直ぐで陽気な性格の与太郎を体現した。SNSにも「竜星涼さんの代表作の1つになったのでは」「『昭和元禄落語心中』の彼が大好きだった」といったコメントが見られる。

ほかにも、『アンナチュラル』や『VIVANT』、『ACMA:GAME アクマゲーム』などで幅広い演技を見せている竜星。近年も、『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』に八木莉可子とW主演したり、映画『九龍ジェネリックロマンス』でクセの強い役を怪演したりと、活躍し続けている。

さらに、『トイ・ストーリー』シリーズのフォーキーの吹替版声優を担当し、2026年夏に公開予定の『トイ・ストーリー5』にも続投する竜星。これからも、竜星の新たな一面を発見するのが楽しみだ。


ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X:@KumikoShimizuWP