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翌年以降も花を咲かせるために必見!【クリスマスローズ】植えつけ後の管理のポイント

  • 2026.2.3

翌年以降も花を咲かせるために必見!【クリスマスローズ】植えつけ後の管理のポイント

「憧れはあるけれど、育て方がわからない」という声も多いクリスマスローズ。でも実際に育ててみると、ポイントだけおさえれば育てやすい多年草ということがわかります。ここでは「若泉ファーム」の若泉克志さんから栽培のコツを教えていただきます。今回は開花株の植えつけ後の管理のポイントです。

植えつけ後の管理ポイント

購入した開花株を翌年以降も楽しむには、花後の管理がカギとなります。近年は猛暑が続いているため、とくに夏場の管理には注意をはらいます。

水やり

環境にもよりますが、地植えのクリスマスローズは基本的に水やりは不要です。気をつけたいのは鉢植え栽培の場合です。とくに都市部では、夏場は夜間でも気温が下がらず25度以上の熱帯夜が続くことが多くなりました。ひと昔前は、水やりは6~10月上旬くらいまでは午前中にするというのがセオリーでしたが、近年、私は夕方4時過ぎに水やりをしています。鉢底から水道水と同程度の温度の水が流れ出てくるくらいまでたっぷりと与えることで、鉢の中の温度を下げるのです。鉢土の温度が高いまま夜間を過ごさせると根が弱り、やがて地上部も元気がなくなります。株に元気がなくなると病気にもかかりやすくなります。

そのほかの時期は、株の様子を確認し、鉢土が乾いたらたっぷり水やりするようにします。その際、水は株元だけでなく、葉裏にもかかるように下からも与えます。春以降はアブラムシなどの害虫が葉裏に産卵したりするので、下から水を勢いよくかけることで卵を飛ばします。この水やり方法はハダニよけにもなります。

葉裏にかけるときは水流を強めにし、ハス口を上に向けて水をまくとよい。薬剤に頼らなくても、普段の水やりで病害虫防除ができる。

水ぎれしてしまった株。こまめに様子を見て適宜水やりすることが大事。

鉢植えの管理

植えつけたときにしっかりと根の間に土を入れ込んでも、水やりや降雨で土が下がり、鉢土の表面に根が露出してしまうことがあります。そのまま根を空気にさらしていると弱ってしまうので、根が隠れるように土を足してやります。土は植えつけたときのブレンド土でかまいません。株元をまめに確認して、土が下がっていたら足し入れるようにしましょう。

土が下がって露出してしまった根。空気に触れないようにすぐに土をかぶせる。

施肥

植えつけや植えかえをした直後には、地植えも鉢植えも肥料は与えず、鉢植えは植えつけから10~20日ほど経過したら有機質肥料を規定量与えます。地植えの場合は与えなくてもよいですし、与えるとしたらやはり有機質肥料がおすすめです。開花前の11月末~12月にかけて、株の周りに10cmくらいの穴を3カ所程度掘り、乾燥鶏ふんをコップ1杯くらいを埋め込みます。2~5カ月くらいたつと分解が進み、根が肥料として吸収できるようになります。

地植えのクリスマスローズには速効性よりもゆっくりと根に効くタイプの有機質肥料を与えるとよい。

夏越し

猛暑が厳しさを増す昨今、年間の管理の中でも悩ましいのが夏越しです。育てる側も工夫をして、気候変動に対応していく必要があります。樹木の下に植えた地植えの株でしたら、夏の強い日ざしを避けられますが、もし強い日光が長時間当たるような場所でしたら、遮光ネット(寒冷紗)をかけて日を遮るなどの対策をします。

とくに夏の管理に注意したいのは鉢植えです。強い日ざしと高い気温で、鉢の中の温度も上がってしまい、地上部はもちろん肝心の根も傷みやすくなります。

私が使っているのは、“魔法の紙”と呼んでいるアルミホイル。鉢の側面をアルミホイルで覆って、鉢土が熱を吸収しないように遮断するのです。気温が高くなり始める6月ごろから始めるのがおすすめです。ただし、これはプラスチック製の鉢のみに使える方法で、鉢の側面から水を蒸発させる素焼き鉢ではやりません。ほかに、テラコッタ製の鉢などを鉢カバーとして使い、二重鉢にしてもよいでしょう。

日ざしを遮ることができる遮光ネット。遮光率50%、70%などいくつかタイプがある。

手軽に入手できるアルミホイルを使い、プラスチック製の鉢の側面に巻いていく。

鉢の側面を直撃する強い日ざしで鉢土の温度が上昇してしまうため、それを遮断する。

病害虫対策

クリスマスローズは基本的に性質が強い植物です。病気になるには何か原因があるものです。開花後の4月ごろに出やすく怖いのが立枯病で、これは蒸れが原因です。土が乾きにくい状態が続くと根腐れしてしまい株が弱り、病気にかかりやすくなります。まずは水はけのよい土を使い、蒸れにくい環境を整えることが大事です。

そのほかにも灰色かび病、5月になるとべと病が出やすくなります。べと病は一度出ると次々と別の株にも感染します。茎が枯れたようにしおれて軸元からとれてしまう症状が出てしまったら、まず土を乾かします。完全に乾いたら、土に5cmくらいしみこむ程度に殺菌剤をかけ、1~3日、日陰に置いて殺菌剤の効果を待ちます。

また、4月以降は気温も上がり、害虫の被害も出やすくなります。私はアブラムシ対策として、水やりの際に葉裏に水をかけることのほかに、薄めに希釈した薬剤を回数を多めに散布しています。アブラムシは病気を媒介する厄介な害虫のため、しっかり防除することが必要です。6~9月にはハダニも発生しやすくなりますので、葉裏に水をかけて被害を防ぎます。

底部の穴が小さい鉢やスリットタイプの鉢は、苗ケースの上に置くなどして通気性をよくし、病気を防除する。

灰色かび病の症状。葉や花がしおれて枯れ、やがて灰色のかびが生える。風通しが悪く過湿だとかかりやすくなる。

葉裏につく吸汁性害虫のハダニ。水に落ちるとほぼ駆除できるので、防除は葉裏への水かけが有効。

監修、撮影/若泉克志(若泉ファーム)
撮影/柴田和宣(主婦の友社)、今井秀治

※この記事は『園芸ガイド』2026年冬号の記事を、WEB用に再編集したものです。

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