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『トマトのヘタ』には“意外なリスク”が潜んでいた…管理栄養士が「注意しましょう」と注意喚起する“ワケ”

  • 2026.2.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

サラダやパスタ、お弁当の彩りにと、季節を問わず食卓に登場する機会の多いトマト。ビタミンや食物繊維も豊富で、まさに毎日の食事に欠かせない優秀な食材ですよね。しかし、そんな身近なトマトに、意外な「落とし穴」が潜んでいるのをご存知でしょうか。

「トマトのヘタの部分が黒ずんでいたり、白っぽくカビていたりするのを見たことがある」という方は少なくないはず。実は、あのヘタ周辺には、私たちの知らないリスクが隠されている可能性もあるのです。

「いつも軽く水で流すだけだったけど、大丈夫かな…」と、ふと不安に感じたあなたのために、今回はトマトのヘタに潜む汚れや細菌のリスク、そして家庭で簡単に実践できる「正しい洗い方」について、管理栄養士の工藤まりえさんに詳しくお話を伺いました。

ヘタの黒ずみ・カビはなぜ? トマトのヘタに潜む『落とし穴』

---なぜトマトのヘタ周辺は、特に汚れや細菌が残りやすいのでしょうか? 黒ずみやカビの原因も気になります。

工藤まりえさん:

「トマトは、今では季節を問わず手に入るので、常備されているご家庭も多いのではないでしょうか。サラダやパスタに加えるだけで食卓がぐっと華やぎますし、お弁当のすき間を埋める彩りとしても重宝する、まさに日常使いの便利な野菜です。栄養面から見ても、トマトは緑黄色野菜でビタミンや食物繊維をたっぷり含んだ優秀な食材です。

そんなトマトですが、ヘタの部分だけが黒ずんでいたり、白っぽくカビていたりする状態を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。実はこのヘタ周辺は、構造的に汚れや細菌が残りやすい場所です。

ヘタのまわりは中央がくぼんだ凹凸のある形をしており、栽培時の土やほこりが入り込みやすくなっています。表面の皮はなめらかでも、ヘタの付け根には細かな隙間があり、汚れがとどまりやすいのが特徴です。さらに、洗ったあとも水分が残りやすく乾きにくいため、細菌が生き残りやすい環境になりやすいのです。

加えて、ヘタはもともと茎とつながっていた部分であり、収穫時に切り離された断面からは、細菌が入り込む余地があり、傷みやすい部分です。

こういった条件が重なっているため、ヘタ周辺はトマトの中でも特に汚れや細菌が残りやすいポイントになってると考えられます。」

「きれい」でも油断は禁物! 生で食べるトマトに潜む意外なリスク

---スーパーのトマトはきれいなのに、本当に汚れが残っていることがあるのでしょうか? 食中毒のリスクも気になります。

工藤まりえさん:

「スーパーで販売されているトマトは見た目もきれいで、汚れはついていないかのように見えてしまいますが、見た目がきれい=無菌というわけではありません。ヘタ周辺のようなくぼみには汚れが残りやすい構造があり、収穫から出荷、陳列までの過程で、微生物が付着している可能性もゼロではありません。

トマトを洗う際、流水ですすぐだけでは表面の汚れは流せても、ヘタの付け根の細かな隙間までは届きにくく、土や微生物がとどまってしまうことがあります。見た目がきれいになっていても、ヘタの内側には汚れが残っているケースもあります。

食中毒予防の基本となる大原則は、原因となる細菌・ウイルスを『つけない・増やさない・やっつける』の3原則です。

トマトのように生で食べる野菜は、加熱によって食中毒の原因をやっつけることができないので、隅々まできれいに洗うことが最大の食中毒予防となります。

もちろん、通常の保存状態のトマトで深刻な食中毒が頻繁に起きるわけではありませんが、ヘタを付けたまま軽くすすぐだけでは、衛生面で万全とは言い切れないのも事実です。安全性をより高めるためには、洗い方だけでなく『ヘタの扱い方』も意識することが大切です。」

今日から実践! 食卓を安心に変えるトマトの『正しい洗い方』

---家庭でトマトを安全に食べるためには、具体的にどのような洗い方をすれば良いのでしょうか?

工藤まりえさん:

「トマトを安全に食べるために、家庭で簡単に実践できるポイントは『ヘタを先に取り、しっかり洗い、水分を残さないこと』です。

まず、洗う際には最初にヘタを取り除きます。ヘタは指でひねるようにすると簡単に外れます。ミニトマトならかなり簡単ですが、大きなトマトでヘタが固い場合には、芯から取ろうとせず、“がく”の部分(緑の葉っぱのような部分)だけつまんで取り除きます。隅々まで洗いやすくなればOKです。

次に、流水に当てながら、表面を指の腹でやさしくこすり洗いします。目安は10~20秒程度です。よく見ながら洗っていると、ヘタがついていた周辺に汚れがあるのに気づくこともあるかもしれません。ゴシゴシ強くこする必要はなく、全体をまんべんなく洗うことが大切です。

洗ったあとは、清潔なキッチンペーパーなどで水分をしっかり拭き取ってから調理しましょう。

すぐには使わずに保存する場合は、より念入りに水気を拭き取ってください。水分が残っていると細菌が増えやすくなるため、注意しましょう。」

毎日の食卓に安心を! トマトのひと手間で健康ライフ

何気なく食べていたトマトのヘタに、意外なリスクが潜んでいること、そしてそのリスクを減らすための簡単な対策があることを、今回の工藤さんのお話で知ることができました。

見た目のきれいさだけで判断せず、ヘタを取り除き、流水で丁寧に洗い、しっかりと水分を拭き取る。この小さなひと手間が、毎日の食卓の安心と健康につながっていくはずです。

今日からできる新しい習慣を取り入れて、より安全でおいしいトマトを食卓に。ぜひ、実践してみてくださいね。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。