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『お風呂の残り湯で洗濯』は本当に節約になってる?→お金のプロが明かす、「意外な回答」とは?

  • 2026.2.18
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

日々の洗濯、少しでも節約したいと残り湯を活用していませんか?「もったいない」という気持ちから、なんとなく続けている方も多いかもしれません。しかし、その「残り湯洗濯」、実はかえって家計の負担になっているケースがあるとしたら驚きませんか?

本記事では、マネーシップス代表の石坂貴史さんが、残り湯洗濯の本当の節約効果と、多くの人が見落としがちな「落とし穴」を徹底解説。あなたの残り湯洗濯が本当に賢い選択なのか、具体的な数字を交えながら明確にします。この記事を読めば、今日からできる賢い残り湯活用術が分かり、無理なく家計に優しい生活を送るヒントが得られるはずです。

「残り湯洗濯」で家計に優しい? 基本の節約効果

---残り湯洗濯は、実際どれくらい節約になるんですか? ポンプの電気代も気になります。

石坂貴史さん:

「家庭用洗濯機は機種によりますが、1回あたりおよそ80〜120リットルの水を使用します。

ここでは100リットルと仮定します。水道料金は地域差がありますが、上下水道を含めた水道料金を1リットル0.3円とすると、1回の水道代は約30円です。洗い工程を残り湯でまかなえば、この30円前後が理論上の節約額になります。

たとえば、4人家族で週5回洗濯をする家庭であれば、月20回程度です。30円×20回で月600円、年間では約7,200円の差になります。金額は決して大きくはありませんが、使い方次第で確実に削減できる固定費の一つです。家計全体で見ると小さくても、積み重なれば無視できない差になります。

一方で、残り湯をくみ上げるポンプの電気代は1回あたり1円未満が一般的で、大きな負担にはなりません。ただし、注意点は再加熱です。仮にぬるくなった80リットルの湯を30度から40度へ上げると、数十円の電気代がかかることがあります。1回40円かかれば、水道代30円の節約を上回ります。

つまり、入浴後の湯をそのまま使うなら年間7,000円前後の堅実な節約になりますが、温め直してまで使うと効果は薄れます。残り湯を活用した洗濯は「そのまま使うこと」が前提です。」

「まさか損してる?」残り湯洗濯の落とし穴

---節約になると思ってやっているのに、かえって損してしまうケースもあると聞きました。どんな場合に注意が必要なのでしょうか?

石坂貴史さん:

「損をしているケースは実際にあります。

代表例は、残り湯を使いながら温水洗浄や高温すすぎを設定している場合です。繰り返しになりますが、水を常温から40度程度に温めるだけでも電気代が発生します。温水洗浄や高温すすぎにかかる費用は、1回あたり10〜40円程度で済む場合もあれば、条件によっては50円を超えることもあります。

たとえば、水道代30円を節約できたとしても、加熱に40円かかれば差し引き10円のマイナスです。仮に50円かかれば、20円のマイナスになります。これが月20回続けば、年間で2,400円から4,800円の負担増になります。水道代の節約より電気代の増加が上回る可能性は十分にあります。

また、洗濯のために、浴槽の湯を保温し続ける家庭も注意が必要です。追い焚き1回の費用は20円程度から70円超まで幅があります。給湯機の種類やエネルギー単価によって状況は変わりますが、仮に1回30円でも、洗濯目的で2回行えば60円です。水道代30円の節約を簡単に超えてしまいます。

残り湯洗濯は「水の使用量を減らす方法」であり、電気やガスを多く使ってまで行うものではありません。洗濯機の設定と給湯の使い方を確認し、自宅の条件で実際に差し引きがプラスかどうかを見極めることが大切です。」

本当に得する! 残り湯洗濯の賢い実践術

---では、残り湯洗濯で本当に節約効果を出すには、どんな点に気を付ければ良いのでしょうか?

石坂貴史さん:

「まず確認すべきは、自宅の水道料金の単価と洗濯回数です。たとえば単価が0.2円の地域では、100リットル使っても20円です。月20回でも400円の差にとどまります。一方で、単価が0.3円なら1回30円、月20回で600円になります。まずはご自身の家庭でいくら差が出るのかを具体的に計算することが出発点です。

次に、洗濯機の設定です。節約効果を高める基本は、洗い工程だけ残り湯を使い、すすぎは水道水にすることです。衛生面を保ちながら水の使用量を減らせます。また、入浴後できるだけ早く使い、追い焚きをしないことも重要です。

洗濯回数そのものを見直すことも効果的です。たとえば、週7回を週5回に減らせば、水だけでなく電気や洗剤の使用量も減ります。実際には、回数を減らすほうが金額の差は大きくなる場合があります。

また、ポンプやホースの準備にどれくらい時間がかかっているかも考えてみましょう。もし毎回5分かかるなら、月20回で100分です。約1時間半以上をその作業に使っている計算になります。節約額が月400円から600円程度であれば、その手間に見合うかどうかを一度考える価値があります。

残り湯を活用した洗濯は、年間数千円規模の節約策です。水道代、電気代、手間の三つを合わせて考え、数字で納得できる形に整えることが大切です。

目先の「もったいない」という感覚だけで判断するのではなく、自宅の単価や使い方を前提に試算し、差し引きで本当にプラスになっているかを確認することが重要です。金額、手間、衛生面を総合的に見て、各家庭に合った方法を選ぶことが、無理のない節約につながります。」

「もったいない」だけじゃない! 賢く、無理なく続ける残り湯洗濯

「残り湯洗濯は節約になる」という漠然としたイメージだけで続けていると、実は電気代やガス代がかさみ、かえって家計を圧迫している可能性があることが分かりました。

年間数千円規模の節約は確かに魅力的ですが、「入浴後すぐに使う」「洗いのみ残り湯、すすぎは水道水」「温水洗浄や追い焚きは避ける」といったポイントを押さえ、自宅の水道料金単価や手間も考慮して試算することが重要です。

目先の「もったいない」という感覚だけでなく、数字と現実的な手間を見極めることで、あなたの家庭にとって本当に無理のない、賢い節約術を見つけることができるでしょう。


監修者:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。