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「実は逆効果になりかねない」元警察官が警告。かえって『空き巣』の侵入口に…“狙われやすい家”の特徴とは?

  • 2026.2.17
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

「空き巣」という言葉を聞くと、誰もが不安を感じるものです。大切な家族や財産を守るために、防犯対策をしっかりしたいと考える一方で、「どんな対策が本当に効果的なのか?」「最新のセキュリティシステムを導入すれば完璧なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実は、良かれと思って取り入れた防犯対策が、かえって空き巣に「狙いやすい家」と判断されてしまうケースも少なくありません。 そこで今回は、防犯インフルエンサーのりょうせいさんに、空き巣が嫌うものから、実は逆効果になりかねない対策、そして今日からすぐに実践できる「最優先」の対策まで、詳しく解説していただきました。

空き巣が最も嫌うのは「時間」と「人の目」!なぜ?

---「空き巣対策」と聞くと、つい防犯グッズや警備システムを考えがちです。しかし、専門家の目から見て、空き巣が最も嫌うもの、そして効果的な防犯対策の根本的な考え方とは何でしょうか?

りょうせいさん:

「空き巣が最も嫌うのは『時間』と『人の目』です。

立地や設備以上に重要なのは、『ここは手間がかかる』『見られる可能性が高い』と感じさせる環境です。

例えば、近所付き合いが活発で、通行人や住民が自然と周囲を見ている地域は、それだけで大きな抑止力になります。実際に、挨拶をしてくる地域では犯行がしにくいと話す犯人もいました。

また、生活感が“動いている”家も狙われにくい傾向があります。 夜間に適度な明かりがつく、郵便受けが整理されている、敷地が整頓されている――こうした要素は『管理されている家』という印象を与えます。

犯罪者は効率を求めます。 少しでも不確定要素が多い家は避け、より楽に侵入できそうな家へ流れるのが実態です。

つまり、防犯とは『侵入されない家』を作るより、『わざわざ選ばれない家』を作ることが重要なのです。」

「隠す」は逆効果?プライバシー重視の家が狙われるワケ

---「プライバシーを守るために高い塀や生い茂った植栽は、外からの視線を遮り、防犯にも繋がる」と考える人も多いと思います。これは、実際のところ防犯対策として効果的なのでしょうか?

りょうせいさん:

「結論から言うと、ケースによっては逆効果になります。

高い塀や生い茂った植栽は、外からの視線を遮り安心感を与えますが、同時に『侵入後の死角』を生む可能性があります。一度敷地内に入ってしまえば、外部から発見されにくく、作業時間を確保しやすくなるのです。

実際の現場でも、外から見えにくい庭やベランダが侵入口として使われる事例は少なくありませんでした。

大切なのは『隠す』ことではなく、『見られているかもしれない』と感じさせる設計です。 適度な見通しを確保し、防犯砂利やセンサーライトなど、侵入時に音や光で目立つ仕組みを組み合わせるほうが抑止力は高まります。

プライバシーと防犯は必ずしも同義ではありません。 安心感だけを優先すると、防犯上の死角を作る場合があることを知っておく必要があります。」

今日からできる!防犯専門家が推す「最優先」対策3選

---漠然と防犯対策を考えたとき、どこから手をつければ良いのか悩んでしまいます。すぐにでも実践できる、特に優先順位の高い防犯対策を3つ教えていただけますか?

りょうせいさん:

「優先順位が高いのは、次の3つです。

①『生活リズムを読ませない』
長期間の不在時は郵便物を止める、タイマー照明を活用するなど、留守が分からない工夫を徹底します。

②『窓対策の強化』
空き巣の侵入経路で最も多いのは窓です。クレセント錠だけに頼らず、補助錠や防犯フィルムを設置することで侵入に時間をかけさせます。犯人は数分で侵入できないと判断すれば諦める傾向があります。

③『環境の可視化』
敷地を整理整頓し、見通しを確保する。センサーライトを設置する。これだけでも心理的抑止効果は大きく変わります。

防犯の本質は“完璧に守ること”ではありません。 『この家は面倒だ』と思わせることが最大の対策です。 犯罪者の心理に立てば、やるべきことは自然と見えてきます。」

「完璧」より「面倒」が最強の防犯策!

今回のりょうせいさんのお話で、防犯対策の本質が「侵入されない家」を目指すことではなく、「わざわざ選ばれない家」、つまり空き巣に「この家は面倒だ」と思わせる家づくりにあることが明確になりました。

高い塀で家を「隠す」ことがかえって死角を生む可能性や、プライバシーと防犯が必ずしも一致しないという点は、多くの人にとって目から鱗が落ちる情報だったのではないでしょうか。大切なのは「見られているかもしれない」と感じさせる環境を整え、犯罪者に効率の悪さを感じさせる工夫です。

「生活リズムを読ませない工夫」「窓対策の強化」「環境の可視化」という3つの優先順位が高い対策は、どれも今日から意識して取り組めるものばかりです。完璧な防犯は難しいかもしれませんが、犯罪者の心理を理解し、できることから実践することで、あなたの家はきっと「面倒な家」へと変貌し、より安心できる暮らしへと繋がるでしょう。


監修者:防犯インフルエンサー りょうせい(りょうせい 元生活安全課

元警察官(警察歴10年)。生活安全課で行方不明やDVなどの人身事案を担当し、防犯の広報や啓発活動にも携わる。現在は防犯アドバイザーとして活動し、Xや音声配信(StandFM)を通じて、日常生活に取り入れやすい防犯の工夫を発信している。