1. トップ
  2. 「毎月のスマホ代を安くしたい」と機種変→引き落とし額を見て“絶句”…格安スマホに切り替えた人の“大誤算”【ITのプロが解説】

「毎月のスマホ代を安くしたい」と機種変→引き落とし額を見て“絶句”…格安スマホに切り替えた人の“大誤算”【ITのプロが解説】

  • 2026.2.22
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

毎月のスマホ代、少しでも安くしたい!と格安スマホへの乗り換えを検討している方は多いでしょう。しかし、「格安スマホにしたら、なぜか前より通信費が高くなった…」そんな「まさか!」の声を聞くことがあります。一体なぜ、安いはずの格安スマホで、かえって支出が増えてしまうのでしょうか?

本記事では、ITジャーナリストの富塚大海さんに、格安スマホの意外な落とし穴と、後悔しないための具体的な対策について詳しくお話を伺いました。専門家の視点から、見落としがちな費用や乗り換え前に確認すべきポイントを解説します。この記事を読めば、あなたのスマホ代節約計画が成功にぐっと近づくはずです。

「安いはずなのに…」格安スマホで支出が増えてしまう意外な背景とは

---毎月の通信費を抑えるために格安スマホへの乗り換えを検討している人は多いですが、「かえって高くなった」という声も耳にします。なぜ格安スマホなのに、支出が増えてしまうケースがあるのでしょうか?

ITジャーナリスト 富塚 大海さん:

「格安スマホで支出が増えてしまう背景は、大きく分けると「契約時に想定していなかった費用が積み上がるケース」と「乗り換え後の使い方が変化して、従量課金や追加購入が発生するケース」の二つです。

前者で特に多いのは、契約時にオプションが付与されていたり、不要な付帯サービスを解約しないまま月額課金が続いたりするパターンです。国民生活センターも、携帯電話契約における不要オプションの付与や確認不足について注意喚起を行っています。格安スマホは「安いプランだけを買う」つもりでも、端末補償、セキュリティ、サポート、コンテンツなどのオプションが数百円単位で複数重なると、月額の差が簡単に埋まってしまいます。

後者の典型は、通話とデータの二つです。通話については、格安スマホでは通話定額が標準で付いていない、あるいは通話アプリの利用が前提になっている場合があります。国民生活センターは「通話時に専用アプリを使う必要があると知らず、通常の電話アプリで発信して通話料が高額になった」といった趣旨の相談があることを公表しています。

従量課金の通話料金は一般的に30秒あたり22円が広く使われてきたため、仕事の電話や家族との長電話が多い方は、本人の感覚以上に請求が膨らみやすいです。

また、データについては、低容量プランに変えたことで、動画視聴やオンライン会議、地図の利用が少し増えただけでも上限に達しやすくなり、結果としてデータ追加購入を繰り返して割高になることがあります。実際に事業者側の案内でも、容量を使い切った後に追加チャージで高速通信へ戻せる仕組みが用意されています。乗り換えによって支出が増えた人の多くは、プランそのものが高いというよりも、プラン外の従量課金や追加購入、オプションの積み上がりを見落としていた、という構造になっています。」

見落としがち! 格安スマホ乗り換え時に比較すべき「本当の費用」

---格安スマホへ乗り換える際に、月額の基本料金だけを見て判断してしまいがちですが、他にどのような費用に注意して比較すれば良いでしょうか?

ITジャーナリスト 富塚 大海さん:

「注意点は「月額の基本料金」ではなく、「月額の合計」と「乗り換え前と乗り換え後で発生・終了する費用」を、必ず同じ条件で比較することです。

まず端末代については、分割払いを続けたまま乗り換えると、通信費は下がっても端末代の支払いが残り、家計全体では下がらないことがあります。さらに、端末購入と同時に端末補償やサポートが条件として付くことがあり、そのまま放置すると月額課金が続いてしまいます。契約時点で「初月無料」や「数日間無料」などの説明があった場合でも、無料期間終了後に自動課金へ移行する設計は珍しくないため、解約期日を自分で管理する必要があります。

次に通話料金です。格安スマホでは、通話定額を付けない場合は従量課金になりやすく、通話アプリ利用が前提のサービスもあります。その前提を知らずに通常の電話アプリで発信し、想定以上の通話料が発生したという相談が公表されています。仕事の電話が多い方、病院や学校など固定電話へ連絡する機会が多い方は、通話定額の有無で月額が逆転しやすいので、過去1〜2か月の通話時間と発信先の傾向を、乗り換え前に必ず確認するのが安全です。

さらに見落とされやすいのが「キャリアメールの維持費」です。大手キャリアのメールアドレスを使い続けたい場合、持ち運びサービスが月額330円で提供されていますが、メールアドレスを多くの会員登録や二段階認証に使っている方は、持ち運びを選ぶ結果として、見えづらい部分での固定費が継続します。同様に、乗り換えで家族割や光回線とのセット割が外れ、家族全体で見た時の通信費合計が上がるケースもあります。ここは本人のスマホ料金だけ見ていると判断を誤りやすいポイントですので注意が必要です。

最後にデータの追加購入費用です。格安スマホ契約時に低容量プランを選択すると、GB上限の到達後に追加チャージで高速通信へ戻せる選択肢が用意されていることがあります。 この追加購入を月に何回も行った結果、まわりまわって最初から一段上の容量プランを選んでいた方が安かった、という逆転減少が起きてしまいます。 乗り換え検討では、基本料金だけでなく、端末代、通話、オプション、割引の消滅、追加購入まで含めて「月額の合計」で比較することが重要です。」

後悔しないために! 格安スマホ乗り換え前に必ずチェックすべき項目

---では、格安スマホに乗り換えて「かえって支出が増えた」という事態を避けるために、具体的にどのような点を事前にチェックしておけば良いでしょうか?

ITジャーナリスト 富塚 大海さん:

「支出が増えるリスクを避けるためのチェックポイントは、「直近1~2ヶ月分の通信利用履歴を基準に、固定費と変動費を分けて見積もること」と「乗り換え後に不便が出て、追加課金で埋め合わせる状況を作らないこと」です。

まず最優先で確認すべきなのは、直近1〜2か月の利用履歴として、自身のデータ使用量が何GBだったのか、通話が月に何分程度だったのか、という点です。 この実績が分からないままプランを選ぶと、低容量にしたことで逆にデータ追加購入が頻発したり、通話定額を外したことで従量課金が膨らんだりして、乗り換え前後の支出が逆転しやすくなります。国民生活センターが公表している相談でも、サービス仕様の違いを理解しないまま利用して通話料などが想定外になったケースが示されているので注意しましょう。

次に「契約時に付帯するオプションの内容」を必ず棚卸ししてください。具体的には、端末補償、サポート、セキュリティ、コンテンツ、留守番電話や転送電話などの付加サービスです。携帯契約では、自身にとっては不要なオプションが初期設定で付与されてしまっていたり、自分で解約手続きをしないと課金が続いてしまったりする場合があるため、申込画面や申込書面で、オプション名と月額、無料期間終了後の扱い、解約方法まで、丁寧に確認することが重要です。特に「初月無料」「◯か月割引」といった記載がある場合には、無料終了日と解約手順をメモしておかないと、不要な課金が発生してしまい、費用がかさみます。

そのうえで、乗り換え前に使っていたスマホのメールアドレスを引き継ぐ必要があるかを確認しましょう。大手キャリアのメールアドレスを維持する場合は、持ち運びサービスが月額330円前後で提供されていることが多いです。メールを多用する方は、持ち運びサービスの費用を含めた金額で比較しないと、思っていたよりも節約にならない可能性があります。 また、家族割や光回線とのセット割が乗り換えたことで外れると、本人以外の家族の回線や固定回線も含めた世帯支出が上がる場合があるため、世帯合計での試算が必要です。

最後に、データ上限到達後の扱いを確認しておくことがポイントです。データ上限の到達後に低速で使い続けられるのか、追加課金で高速回線に戻さなければならないのかで、支出の振れ幅が大きく変わります。追加チャージで高速通信に戻せる仕組みは各社で用意されており、便利ではあるものの、頻繁に追加購入すると結局割高になりやすいです。契約前に「データ上限到達後の回線速度」「データの追加購入にかかる金額」「追加購入を何回したら乗り換え前より損になるのか」を確認しておくと、支出が増えるリスクをかなり抑えられます。」

格安スマホを賢く選んで、後悔しない「本当の節約」を

「安くなるはずなのに高くなった」という格安スマホの意外な落とし穴は、契約時のオプションや、乗り換え後の使い方による従量課金、そして見落としがちな費用が積み重なることで発生することが分かりました。

しかし、ITジャーナリストの富塚大海さんのアドバイス通り、自分の利用状況を正確に把握し、基本料金だけでなく、端末代、通話料、オプション、データ追加費用、そして家族全体への影響まで「月額の合計」で比較検討することで、このリスクは十分に回避できます。

漠然と「安いから」と飛びつくのではなく、今日からできる賢いチェックポイントを実践して、後悔のない本当のスマホ代節約を実現しましょう。


監修者:ITジャーナリスト 富塚 大海(@tommy_eSiMWiFi

undefined

1997年東京都大島町生まれ。
通信系ITベンチャー企業に新卒入社後、国内向けモバイルWi-Fiレンタル事業の立ち上げを経験。
その後、海外・国内eSIM事業の立ち上げを連続的に担当し、通信インフラ分野における事業開発・商品設計・ユーザー導線設計に従事。
現在は、スマートフォン、Wi-Fi、eSIM、パソコン、アプリ活用などを中心に、生活者目線でのIT活用術や通信費最適化に関する情報発信を行う。
通信業界の実務経験を基盤に、技術的背景とユーザー体験の両面からわかりやすく解説するスタイルを強みとする。通信課題の分析・改善提案に加え、データ活用やUX設計の観点から、個人・企業双方のIT活用を支援している。