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『NISA』と『iDeCo』どっちを始めるのが正解?!→お金のプロがズバリ回答。損する人は見落としている「たった1つの基準」

  • 2026.2.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

NISAとiDeCo。メディアやSNSでよく目にするこの二つの言葉。「老後資金を準備するなら、どっちを選べばいいの?」「両方やるのが正解って聞くけど、本当に自分に合っているのかな?」と、多くの方が選択に頭を悩ませているのではないでしょうか。せっかく始めたのに途中で挫折したり、思ったような効果が得られなかったりしたら、と不安に感じるかもしれません。

そこで今回は、NISAとiDeCoの選択や併用で迷う根本的な理由から、あなたの状況に合わせた最適な選び方まで、マネーシップス代表の石坂貴史さんにお話を伺いました。この記事を読めば、漠然とした不安が解消され、自信を持って資産形成の一歩を踏み出せるはずです。

なぜNISAとiDeCoで迷う人が多いの? 根本的な違いと選び方のポイント

---NISAとiDeCo、どちらも「お得」と聞くけれど、結局自分に合ったのはどちらなのか、併用は可能なのか、迷っている人が多いようです。その根本的な理由は何でしょうか?

石坂貴史さん:

「多くの方が迷う理由は、『何のためのお金か』と『いつ使えるお金か』が違うからです。

NISAは運用で出た利益が非課税になり、必要になれば売却して現金にできます。一方、iDeCoは掛金が所得控除の対象となり、毎年の税負担を軽くできますが、受け取りは原則60歳以降です。加入期間などによっては、61歳から65歳にずれる場合もあります。この『引き出せる時期』の違いが、年齢や状況によって大きな差になります。

たとえば30歳で、数年後に住宅購入を考えている会社員が毎月3万円を積み立てる場合、iDeCoに入れたお金は頭金には使えません。近い将来に使う可能性があるなら、売却できるNISAの方が現実的です。反対に45歳で教育費の見通しが立ち、老後資金を計画的に準備したい人であれば、長期間使わない前提でiDeCoを活用する考え方は合理的です。年収が高めで税負担が一定程度ある人ほど、所得控除の効果は大きくなりやすいですが、具体的な軽減額は税率や家族構成によって変わります。

また、収入が毎月安定している会社員と、月ごとの変動がある自営業者では、同じ積立額でも感じる負担が違います。さらに、生活費の半年から1年分の預貯金があるかどうかでも選び方は変わります。結局のところ、制度の優劣ではなく、『そのお金をいつ使うのか』『税負担はどの程度か』『家計にどれだけ余裕があるか』を整理できていないことが、迷いの原因になっています。」

NISAとiDeCoの併用は誰にでもおすすめ? 避けるべきケースと向いている人

---「NISAとiDeCoは併用すべき」という話もよく聞きますが、誰にでも当てはまるのでしょうか? 併用を避けるべきケースや、向いている人の特徴を教えてください。

石坂貴史さん:

「併用を避けるべき例として、まず挙げられるのは、生活費の3〜6ヶ月分の預貯金が確保できていない家庭です。たとえば毎月の生活費が25万円であれば、75万円から150万円程度が目安になります。この備えがない状態で、NISAに2万円、iDeCoに2万円を積み立てると、毎月4万円が固定的に出ていきます。急な入院で医療費が20万円かかった、家電の買い替えで15万円が必要になったといった場合でも、iDeCoの資金は原則引き出せません。結果として、積立を止めたり、借入に頼ったりする可能性が出てきます。これは本来の資産形成の目的とは逆の流れです。

また、2年後に住宅購入を予定している人が、頭金を貯めながら併用するケースも慎重に考える必要があります。NISAは売却できますが、市場環境によっては評価額が下がっていることもあります。想定していた頭金を確保できず、計画に影響が出る可能性もあります。さらに、年収がそれほど高くなく税負担が小さい人がiDeCoに月2万円を拠出しても、所得控除による節税効果は限定的になる場合があります。税負担の軽減が小さい一方で、資金は長期間固定されます。

併用が向いているのは、生活費の半年から1年分をすでに確保し、毎月安定した黒字が続いている家計です。余裕資金を明確に分けられていない段階では、まず一つに集中し、家計の土台を整えることを優先する方が安全です。」

自分に最適な選択は? NISAとiDeCoを選ぶための3つのステップ

---具体的な選択のステップとして、私たちは何を基準に考えれば良いでしょうか? 迷った時に実践できる判断基準を教えてください。

石坂貴史さん:

「最初の判断基準として最も重要なのは、『このお金を60歳以降まで引き出せなくても問題ないと言い切れるか』という点です。たとえば、32歳で今後5年以内に住宅購入や転職の可能性がある人が、毎月3万円を積み立てようと考えている場合、その全額をiDeCoに回すのは慎重に判断すべきです。将来使う可能性がある資金まで固定してしまうと、選択肢を狭めることになります。少しでも迷いがあるなら、まずは売却できるNISAから始める方が現実的です。

次に確認したいのは、家計が安定して黒字かどうかです。手取り月30万円、生活費25万円で毎月5万円の黒字が半年以上続いているなら、そのうち1万円をNISAで積み立ててみる、という始め方が考えられます。一方、黒字が月1万円程度で月ごとの変動も大きい場合は、まず支出の安定を優先します。また、生活費が月25万円なら、その半年分である150万円程度の預貯金があるかどうかも確認します。これが不足していれば、投資よりも貯蓄の積み上げが先です。

さらに、税負担も判断材料になります。年収600万円で所得税や住民税を一定額支払っている人が、老後資金として毎月2万円を確実に回せるなら、iDeCoの控除効果は家計改善につながりやすくなります。ただし、税負担が小さい場合は効果も限定的です。迷う場合は、まず少額でNISAを始め、半年ほど続けて家計への影響を確認する。そのうえで余裕があると判断できれば、老後専用資金としてiDeCoを追加する。この順番が、無理なく継続しやすい進め方です。」

NISAとiDeCo、賢く活用して未来の自分に投資しよう

NISAとiDeCoのどちらを選ぶか、あるいは併用するかで迷うのは、それぞれの制度の特性と、ご自身のライフプランや家計状況がまだ整理されていないため、ということが石坂さんの解説でよくわかりました。

大切なのは、まず「いつ、何のためにお金を使いたいか」という目的を明確にすること。そして、「無理なく続けられる余裕が家計にあるか」、さらに「税負担の軽減効果はどの程度見込めるか」という3つの視点で、ご自身の状況を冷静に判断することです。

生活防衛資金が確保できていない状態での併用は、かえって家計を圧迫するリスクがあるため避けるべきです。また、将来使う可能性がある資金は、柔軟に引き出せるNISAから始めるのが賢明でしょう。もし迷うことがあれば、まずはNISAで少額からスタートし、家計への影響を確認しながら、段階的にiDeCoの活用も検討していくのがおすすめです。

この機会に、ご自身の「お金の地図」を整理し、未来のための賢い一歩を踏み出しましょう。


監修者:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。