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「家計を圧迫してしまいます」お金のプロが警告。60代から見直すべき『たった1つの固定費』とは?

  • 2026.2.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

60代を迎え、年金生活への移行や収入の変化に、漠然とした家計の不安を感じていませんか? 現役時代は忙しさや十分な収入から見過ごしていた固定費が、実は今の生活を圧迫しているかもしれません。

一体、どの費用から見直せば良いのか、また、削減しすぎて後悔しないためにはどうすれば良いのか。そんな疑問や悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

この記事では、金融機関勤務の現役マネージャーで1級ファイナンシャル・プランニング技能士の中川 佳人さんに、60代の方が見落としがちな固定費の落とし穴と、賢く家計を改善するための具体的な方法を解説します。今日から実践できる見直し術を知り、ゆとりのあるセカンドライフを送りましょう。

「なぜまだ払ってるの?」60代が見落としがちな固定費3選

---60代になり、家計を見直したいと考えていますが、何から手をつければ良いか分かりません。特に見落としがちな固定費はありますか?

中川 佳人さん:

「60代の方が見落としがちな、削減できるのに放置されている固定費の代表的なものとして、次の3つが挙げられます。

・死亡保障が大きすぎる生命保険
・使用頻度の少ない車
・利用していない有料会員サービス

現役時代は、忙しさから見直しができなかったり、十分な収入があることで問題視せず、同じ契約を続けている人が少なくありません。しかし、60代以降は年金生活への移行などで収入が減ることが多く、現役時代と同じ契約を継続すると家計を圧迫してしまいます。今の生活に本当に必要な契約かどうかを確認することが大切です。

たとえば、生命保険の死亡保障についてです。生命保険は、自分が死亡した時に生活が困窮する家族がいる場合には加入しておく必要があります。しかし、60代となり子どもが独立した後などは、死亡保障を減らしても問題ないケースが多くあります。葬儀費用や配偶者の生活費を計算して必要額を見直してみましょう。

車の維持や利用していないサブスクについても同様です。車が生活必需品になっている方も多いと思いますが、自動車税や保険料、車検代などを年間で合計してみると、想像以上の金額になることもあります。使用頻度が少ないようであれば手放すという選択肢も検討してみましょう。ジムの月額料金やサブスク費など、利用していない有料会員サービスも解約することで毎月の支出を大きく減らすことができます。

60代になると、固定費を中心とした現役時代の支出を見直すことが必要です。まずは、生命保険・車・有料会員サービスから優先的に確認してみましょう。」

見直しは要注意! 削減しすぎて後悔しないためのポイント

---固定費の見直しを進める上で、逆に失敗してしまうケースもあると聞きます。どのような点に注意すべきでしょうか?

中川 佳人さん:

「60代の方が保険料や車の維持費などを見直す際に陥りがちな失敗は、必要なものまで削減してしまうことです。

必要以上に見直しを進めると、大切な保障を失ってしまったり、生活の質を著しく落としてしまうことがあります。

一口に『保険』といっても種類はさまざまです。一般的には、火災保険や自動車保険など、生活を守るための保険は慎重に解約を検討する必要があります。火災保険は、もしものときに生活を再建するための保険です。未加入のまま火災にあうと生活の立て直しが難しくなる可能性があります。自動車保険も、事故時の負担を軽減する役割があり、十分な保障がない場合は多額の費用を自己負担することになりかねません。生命保険の死亡保障は、重要な見直しポイントですが、60代以降は健康状態によって新たな保険に入りにくくなる場合もあるため、慎重に見直しましょう。

また、維持費を理由に車を手放すことも有効ですが、車がなくても生活が成り立つかは慎重に考える必要があります。特に車中心の生活を送ってきた方ほど、通院や買い物の負担が増え不便に感じやすくなります。住んでいる地域の交通事情を踏まえ、生活の満足度が大きく下がらないかを確認しましょう。

60代の方が固定費を見直す上で、保険料や車関係の支出は重要な見直しポイントです。しかし、過度な見直しは必要な保障を失ってしまったり、生活の質を著しく落としてしまうことにつながります。それぞれの必要性や生活の満足度を考慮し、慎重に見直しを進めていきましょう。」

今日からできる! 最も効果的な固定費の見直しは「保険」から

---数ある固定費の中でも、特に効果が出やすく、すぐにでも始められる見直しはありますか?

中川 佳人さん:

「60代の固定費の見直しとして、最も効果が出やすく、すぐに始められることは『保険の見直し』です。

固定費の中でも、保険料は金額が大きく見直しの効果が出やすい項目です。毎月支払う保険料を削減するだけでも家計改善につながります。

見直しの前提となる考え方として、保険で備えるものは以下の2つの条件を満たしているものです。

・起こる可能性は低い
・起こってしまった場合、生活が破綻してしまう

これ以外のものは貯蓄で備えるのがバランスの良い考え方です。

生命保険の死亡保障は、『死亡した後、生活に困る家族がいるか』という視点で考えましょう。養っている家族がいない場合や、遺された家族が年金や貯蓄で生活できる場合などは一般的に死亡保障の減額を検討できるタイミングです。
また、貯蓄機能のある保険に加入している方も多くいらっしゃいます。現役時代とは保険に加入する目的も変わっているケースが多いため、必要性を改めて確認してみましょう。

まずは保険証券をすべて出し、月額保険料を合計してみましょう。この作業だけでも、家計の全体像が見えてきます。60代というライフステージに合わせて、適切な保障内容に整えていくことが固定費見直しの第一歩です。」

60代の家計を豊かにする、賢い固定費の見直し術

人生の大きな転換期である60代。年金生活への移行に伴い、家計に不安を感じる方は少なくありません。しかし、現役時代には見落としがちだった固定費を見直すことで、ゆとりのある生活を送る道は開けます。

60代の固定費見直しにおいて「死亡保障が大きすぎる生命保険」「使用頻度の少ない車」「利用していない有料会員サービス」の3つが特に重要なポイントであることが分かりました。

ただし、見直しの際には、火災保険や自動車保険など「必要な保障」まで削減してしまわないよう、慎重な検討が必要です。生活の質を落とさず、本当に必要なものを見極めることが成功の鍵となります。

そして、最も効果が出やすく、すぐに始められるのが「保険の見直し」です。まずはご自身の保険証券をすべて確認し、月額保険料を合計するところから始めてみましょう。60代という新たなライフステージに合わせた最適な保障内容に整えることで、家計は大きく改善され、より豊かなセカンドライフが待っているはずです。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。