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「100万円単位の工事になる」不動産のプロが警告。中古住宅をリノベした人の“末路”…購入すると『危険な物件』とは?

  • 2026.2.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

新築よりも手頃な価格で、自分らしい理想の暮らしを叶えられるリノベーション済み中古住宅は、近年注目を集める選択肢です。しかし、「内装はピカピカなのに、数年後に思いがけない修繕費で家計が苦しくなった」という声も少なくありません。

なぜ、見た目が新しくても、老後に思わぬ出費がかさんでしまうのでしょうか? その安さの裏には、一体何が隠されているのでしょうか。

この記事では、リノベーション済み中古住宅に潜む「隠れたリスク」と、老後に後悔しないための「賢い見極め方」について、不動産のプロである合同会社ゆう不動産 代表の岩井佑樹さんに詳しく解説していただきました。安心して暮らせるマイホーム選びのために、ぜひ最後までお読みください。

「見た目がきれい=安心」ではない? リノベーションの落とし穴

---リノベーション済み中古住宅で老後に修繕費に悩む人がいるのはなぜでしょうか? 内装は新しくても、安心できない理由を教えてください。

合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹さん:

「中古住宅をリノベーションして購入したのに、老後に修繕費で悩む人がいるのは珍しくありません。理由はシンプルで、内装は新しくても、建物の土台までは直していないケースが多いからです。

一般的なリノベーションで変わるのは、主に次の部分です。

  • キッチン・浴室・トイレなどの設備
  • 床やクロスなどの内装
  • 建具や照明

一方で、建物の寿命を左右するのは次のような部分です。

  • 柱や梁、土台などの構造部分
  • 屋根や外壁の防水状態
  • 給排水管の劣化状況
  • 基礎のひび割れや傾き
  • 断熱性能や結露対策

例えば築30年以上の木造住宅では、給排水管が昔の鉄管のままということもあります。内装がどれだけきれいでも、配管が傷んでいれば数年後に水漏れが起きる可能性があります。

床下を開けたら腐食が進んでいて、思いがけず100万円単位の工事になることも珍しくありません。また、防水が弱っている屋根や外壁を放置すると、雨水が入り込みます。

雨水の侵入→木材の腐食→シロアリ被害、という流れで傷みが進み、気づいたときには大規模な修繕が必要になるでしょう。

さらに、断熱性能も見落とされがちなポイントです。断熱が弱い家は光熱費がかさむだけでなく、結露によりカビや木材の劣化を招きます。

働いて収入があるうちは気にならなくても、年金だけの生活になると、毎月の出費が一気に負担になるでしょう。価格が安いからといって、安心とは限りません。むしろ、その安さの裏に将来の出費が隠れていることがあります。」

安さの裏に潜む「数百万円の出費」! 老後を揺るがす隠れたリスク

---リノベーション済み中古住宅の購入時に見落としがちな、高額な修繕費につながる具体的なリスクやポイントがあれば教えてください。

合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹さん:

「旧耐震基準(1981年5月以前に建築確認を受けた建物)の住宅は、現在の基準とは耐震の考え方が違います。大きな地震を想定していない設計のものもあり、必要に応じて耐震補強を行うと100〜300万円ほどかかることがあります。建物の規模や傷み具合によっては、それ以上になることもあるでしょう。

さらに、築40年前後になると、次のような工事が現実的になります。

  • 屋根の取り替え
  • 外壁塗装
  • 給排水管のやりかえ
  • シロアリ対策
  • 電気配線の交換

怖いのは、これらの工事が同じ時期に重なることです。『価格が安い分、老後資金を多く残せる』と考えて購入しても、10年以内に数百万円の工事が続けば貯蓄は一気に減ってしまいます。

年金生活に入ってから300〜500万円の出費が必要になると、家計だけでなく気持ちにも余裕がなくなります。まだ住める家なのに、直さないといけない。そう感じる状況は想像以上に重くのしかかります。

築年数が古い物件を否定するつもりはありません。価格が抑えられている分、住宅ローンの負担が軽くなり、毎月の生活にゆとりが生まれることもあります。

ただし、なぜ安いのかを考えずに決めるのは危険です。価格の差の裏に、これから必要になる修繕費が含まれていないかを確認したうえで選べるかどうかが老後の安心を大きく左右します。」

老後に後悔しない! 購入前に確認すべき「3つのチェックポイント」

---老後に困らないためにも、リノベーション済み中古住宅の購入前に「これだけは必ず確認すべき」というポイントがあれば教えてください。

合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹さん:

「まず押さえてほしいのは、次の3つです。

  • 基礎と外壁の状態
  • 床下や屋根裏の状況
  • 設備の交換時期

まずは基礎と外壁です。ここは家の傷み具合がいちばん表れやすい部分です。

  • 基礎に大きなひび割れがないか
  • 外壁を触って白い粉がつかないか(塗装の劣化)
  • 目地のゴムが切れていないか

細いひびは珍しくありませんが、横に長く伸びる割れや深そうなひびは要注意です。外壁の防水が弱ると雨水が入り込み、内部の木材が傷みます。見た目が整っていても、外回りが傷んでいれば将来の修繕費は増えます。

次に、可能なら床下や屋根裏も確認してください。

  • 土台が黒く変色していないか
  • シロアリの被害跡がないか
  • 配管にサビや水漏れがないか

内装は簡単にきれいにできますが、床下や屋根裏はごまかしがききません。ここに問題があれば、購入後にまとまった出費につながる可能性があります。小さな水漏れ跡でも軽く見ないことです。

そして、忘れてはいけないのが設備や主要部分の更新時期です。確認するのは次のような項目です。

  • 給湯器(何年前に交換したか)
  • 屋根の葺き替えや塗装の時期
  • 外壁やベランダなどの防水工事の時期
  • 給排水管(やり替え済みかどうか)

給湯器の寿命はおおよそ10〜15年です。設置から10年以上経っていれば、購入後すぐに交換が必要になる可能性があります。

屋根や外壁、防水も同様で、前回の工事から長期間経っていれば近いうちに再工事が必要です。給排水管がやり替えていない場合は、漏水のリスクを抱えたまま住むことになります。交換には床や壁を壊す工事が必要になることもあり、費用が大きくなりやすい部分です。

見た目がきれいでも、設置から長い年月が経っていれば近いうちに交換や修繕が必要になる可能性があります。更新時期がはっきりしない場合は、数年以内に費用が発生することを想定したうえで資金計画を立てておくと安心です。」

「安さ」と「安心」を両立する中古住宅の選び方

リノベーション済み中古住宅は魅力的な選択肢ですが、内装の美しさだけでなく、建物の「本質的な状態」を見極めることが何よりも重要です。特に老後の生活では、予期せぬ高額な修繕費は大きな負担となりかねません。

今回ご紹介した「建物の寿命を左右する箇所」や「3つのチェックポイント」を参考に、物件の「安さの理由」を深く掘り下げてみましょう。購入前に構造や設備の状況、今後の修繕計画を具体的に把握することで、安心できる住まいを手に入れ、豊かな老後を送るための資金計画を立てることができます。

プロの視点を取り入れながら、あなたの理想と現実のバランスを見つけることが、後悔しない家選びの第一歩となるでしょう。


監修者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

合同会社ゆう不動産代表。『売る力 × 伝える力』を軸に、不動産の価値を最大化している。不動産売買の専門家として現場に立ちながら、不動産分野に特化したWebライターとして1,000本以上の記事を制作。売却査定から仲介・買取まで幅広く対応し、物件の魅力を正しく伝えることで「早く・高く・安心」の取引を実現している。派手な宣伝よりも、目の前の一人に誠実に向き合う姿勢を大切にしている。地域に寄り添いながら、不動産とWebを掛け合わせた独自の発信力で、オーナーに最良の選択肢を示すことが使命。「売買専門 × 情報発信」の融合ビジネスで、不動産の価値を丁寧に引き出している。"