1. トップ
  2. 「数万円を逃している」お金のプロが指摘。実はスマホを買うと“補助金”が出る…多くの人が見落としがちな「意外な制度」

「数万円を逃している」お金のプロが指摘。実はスマホを買うと“補助金”が出る…多くの人が見落としがちな「意外な制度」

  • 2026.2.19
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

高齢のご両親やご自身のスマホデビューを考えているけれど、「難しそう」「費用が高い」とためらっていませんか?

実は、自治体がスマホ購入を支援する「補助金制度」があるのをご存知でしょうか。しかし、「制度が複雑でよく分からない」「どうすれば補助金がもらえるの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

なぜ行政がこのような制度を設けているのか、そして補助金を確実に受け取るためにはどんなポイントがあるのか。本記事では、専門家の柴田充輝さんが、制度の背景から具体的な申請方法、注意点までを詳しく解説します。

なぜ今、高齢者のスマホ購入を国や自治体が支援するのか?

---高齢者向けのスマホ購入補助金制度があるようですが、そもそもなぜ、国や自治体はこの制度を設けているのでしょうか?

柴田 充輝さん:

「この制度の背景を正しく理解するには、まず日本の人口構造から押さえる必要があります。

令和7年版高齢社会白書によると、令和6年10月時点で65歳以上人口は3,624万人、高齢化率は29.3%に達しています。

総務省の令和5年通信利用動向調査では、インターネットを利用する70〜79歳は67%、80代以上は36.4%にとどまっています。若年層がほぼ100%利用している現実との間に、極めて大きな断絶があるわけです。

行政がスマホ購入補助金を設ける目的は、単なる「端末代の援助」ではありません。制度の主な目的は「デジタルデバイド(情報格差)の解消」であり、その上位概念として政府が掲げる「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」という基本方針があります。

総務省は令和3年度から「デジタル活用支援推進事業」を開始し、スマホ教室の全国展開と自治体独自の購入助成制度を進めてきました。行政手続きのオンライン化、マイナンバーカード普及、災害時の緊急情報伝達という3つの政策課題が、この補助金の制度設計を規定していると考えられるでしょう。」

補助金を受け取れない?!知らないと損する「落とし穴」とは

---スマホ購入補助金制度を利用したいのですが、対象者となるための条件や、申請時に注意すべき落とし穴があれば教えてください。

柴田 充輝さん:

「対象者要件については、多くの自治体で「65歳以上で初めてスマートフォンを購入する方」が基本条件です。

ただし年齢要件は自治体ごとに異なり、「70歳以上」「60歳以上」などさまざまです。さらに「住民登録」「市税滞納なし」「マイナンバーカード取得済み」などの条件が上乗せされる場合があり、すでにスマホを利用している方の機種変更は多くの場合対象外です。

行政の補助金制度は、原則として「条件を一つでも外すと全額不支給」という厳格な性質を持っています。「スマホ購入に関する補助金制度」に関しても、どの自治体でも同じ運用になるでしょう。

典型例が、購入店舗の選択ミスです。自治体によっては、指定の協力店舗以外での購入・通信契約は助成対象外となります。「自宅近くのショップで購入した後に市役所へ申請すればよい」と誤解していると、結果的に受け取れません。

機種のスペック不適合に関しても、必ず確認しましょう。多くの自治体が「iOS 16以上」または「Android 9」以上で、NFC認証機能搭載の機種を要件としています。NFC機能はマイナンバーカードの読み取りに不可欠なため、これが制度上の技術要件となっています。中古スマホや一部の格安スマホではNFC非搭載の機種があり、価格の安さだけで選んでしまうと補助金を受けられないという落とし穴があります。

自治体によっては、申請タイミングを定めています。新宿区では、指定店舗での購入から申請までを「原則購入日当日中」に行うことが条件です。また、「購入店が実施するスマホ教室等(個別相談含む)で基本操作等の講座を受講した方」という要件も含まれているため、詳細な情報を確認しましょう。」

補助金はどこでどう申請する?家族の協力でスムーズに

---もし補助金制度を利用できる場合、具体的にどのような手順で進めればよいのでしょうか。家族がサポートすることも可能でしょうか?

柴田 充輝さん:

「そもそも、「制度を知らなかった」だけで数万円の支援を逃している方は少なくありません。そのため、まずは自治体の制度有無を確認しましょう。

お住まいの市区町村の公式ホームページで「スマホ 購入 補助金」と検索するか、高齢者支援課・デジタル推進課に電話で問い合わせるのが確実です。総務省の「デジタル活用支援推進事業」のポータルサイトでも、全国の制度を横断的に確認できます。

自治体が補助金制度を実施していることがわかったら、次に対象要件を照合しましょう。年齢・住民登録・マイナンバーカードの有無・過去の受給歴など、条件は自治体ごとに異なります。

詳細な要件を確認したら、指定店舗に来店予約をして、来店時に「補助金制度の利用希望」と伝えます。対象機種の案内からスマホ教室の受講、申請書類の記入まで店舗スタッフがサポートしてくれます。

当日完結型の自治体では、購入・受講・申請を一度の来店で済ませる必要があるため、時間に余裕をもって来店しましょう。

もちろん、ご家族が代わりに情報収集しても構いません。補助金の「申請者」は本人である必要がありますが、事前の情報収集や来店予約はご家族が行って問題ありません。ご両親やご高齢のご親族のために、お子さん世代が制度を調べてあげることも検討しましょう。

自治体によっては、通信料の割引制度やWi-Fiルーターの貸与、無料のスマホ相談窓口の常設など、購入補助金とは別枠の支援策が用意されている場合があります。「スマホを持つ」だけでなく「使い続ける」ためのサポートまで視野に入れて情報を集めると、デジタルデビュー後の不安も大きく軽減されるはずです。」

「知らない」だけで損はもったいない!スマホデビューで広がる可能性

「高齢者のスマホ購入補助金制度」は、単なる金銭的な支援に留まらず、社会全体のデジタルデバイド解消を目指す、大切な施策であることが分かりました。

制度を知らなかったり、申請方法を誤ったりするだけで、受けられるはずの支援を逃してしまうのは非常にもったいないことです。まずは、ご自身の自治体で制度が実施されているかを確認し、対象要件や申請手順をしっかり把握することから始めましょう。

また、ご家族が情報収集や来店予約をサポートすることで、よりスムーズにスマホデビューを実現できます。購入補助金だけでなく、通信料割引や無料相談窓口といった「使い続けるための支援」も活用すれば、デジタルライフへの不安も大きく軽減されるはずです。

スマホを持つことで、行政サービスが便利になったり、災害時の情報伝達がスムーズになったり、家族や友人とのコミュニケーションがより豊かになったりと、新たな可能性が広がります。ぜひこの機会に、補助金制度を活用して、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。


監修者:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1200記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。"

 



おすすめの連載マンガ作品

#1 ただの腰痛と楽観視してた…
#1 ただの腰痛と楽観視してた…