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「確実な損失です」お金のプロが断言。『タンス預金』を続けた人の“末路”…実は損になってる「NGな資産の持ち方」とは?

  • 2026.2.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「まさかの時のために、手元に現金を置いておきたい」「銀行に預けても利息はほとんどないし…」そう思って、自宅で現金を保管している方は少なくないかもしれません。

タンス預金は、すぐに使えて目に見えるから安心だと思われがちです。しかし、実はその「安心」の裏には、目には見えないリスクや、将来の思わぬ落とし穴が潜んでいることをご存じでしょうか?

今回は、マネーシップス代表の石坂貴史さんに、タンス預金にまつわる誤解と、資産を守り、育てるための賢いお金の管理術について伺いました。あなたの資産を守るために、ぜひ参考にしてください。

タンス預金が「目減り」するってホント?隠れた三重のリスクとは

---タンス預金は単に「利息がつかない」以上の損失があると感じます。インフレによる貨幣価値の下落や、相続が発生した際の税務署による「捕捉(把握)」の実態など、タンス預金を続けることで最終的にどのような「痛い目」を見る可能性があるか教えてください。

石坂貴史さん:

「タンス預金の問題は、単に利息がつかないという点ではありません。

本質は『気づかないうちに資産の力が弱くなる』ことです。物価が毎年2%上がる状態が続くと、100万円の実質的な価値は10年後には約82万円程度になります。

数字は変わらなくても、買える物が減るという意味で確実な損失です。たとえば、今100万円で購入できる家具一式が、10年後には120万円近く出さないと買えない、ということが起こります。現金は額面が変わらないため安心に見えますが、実際には購買力が下がっています。

次に相続時の問題です。仮に父親が生前に1,000万円を引き出し、自宅で保管したとしましょう。亡くなった後、その現金が見つかれば相続財産として申告が必要です。税務署は亡くなる前の預金の出入りを確認します。過去の収入や生活費と照らし合わせ、『その現金がどこから来たのか』を見ます。申告が漏れていれば、延滞税や加算税が発生する可能性があります。家族が悪意なく申告を忘れた場合でも、結果として負担が増えることがあります。

さらに、盗難や火災、水害といった物理的リスクも無視できません。空き巣被害で300万円を失った場合、基本的に補償はありません。自宅保管の現金は守られているようで、実は最も無防備な状態とも言えます。タンス預金は『安全に見える』が、『目減り・税務・災害』という三重のリスクを抱えている点が問題です。」

「全額タンス預金」はNG! プロが教える賢い現金管理術

---タンス預金をしている人の多くは「目に見える場所に置いておきたい」「手続きが面倒」という心理があるかと思います。そういった層に向けて、タンス預金と同様の安心感を保ちつつ、資産価値を守るための「最初の一歩」としておすすめの置き場所(新NISA、ネット銀行の活用など)を具体的に提示いただけますか?

石坂貴史さん:

「前提として、たとえば手元に合計500万円の現金があり、その全額を自宅で保管しているケースを想定してみましょう。

タンス預金をしている人の多くは、『すぐ使える』『目に見える場所にある』という安心感を大切にしています。この感覚を否定する必要はありません。ただし、500万円すべてを同じ場所に置き続けることが最善とは限りません。現実的なのは、段階的に分けていくことです。

まず、生活費6か月分を150万円と仮定してみます。この150万円は普通預金に移し、いつでも引き出せる状態を保ちます。通帳やスマートフォンで残高が確認できるため、現金と近い安心感があります。自宅保管と違い、盗難や災害のリスクは大きく下がり、入出金の履歴も残るため、将来の相続の説明も簡単になります。

残りの350万円のうち、当面使う予定のない200万円は『育てる資金』として考えます。新NISAのつみたて投資枠を活用し、たとえば毎月数万円ずつ積み立てる方法です。価格は上下しますが、10年、20年という長期で見ることで、物価上昇による目減りに対応しやすくなります。残る150万円は定期預金などで、安定的に管理することもできます。

大切なのは、『全部が現金』『全部が投資』という極端な選択をしないことです。『普段使う150万円』『守る150万円』『育てる200万円』と役割を分けるだけで、心理的な安心感を保ちながら、資産全体の質を改善することができます。」

いざという時に困らない! お金の履歴が大切な理由

---タ近年、新紙幣への発行やマイナンバー制度の普及により、タンス預金の「あぶり出し」を懸念する声も聞かれます。こうした社会的変化のなかで、タンス預金を抱え続けることが将来的にどのような不利益や、銀行窓口でのトラブルに繋がる可能性があるか、注意点を教えてください。

石坂貴史さん:

「近年は、本人確認の強化や取引記録の管理が進んでいます。たとえば、長年自宅で保管していた500万円をまとめて銀行に持ち込んだ場合、『どのように得た資金ですか』と確認されることがあります。これは不正防止のための通常の手続きです。ただし、過去の引き出し時期や保管状況を説明できる資料がないと、入金までに時間がかかることがあります。

また、高齢の親が亡くなる直前に800万円を銀行へ入金していた場合、家族の間で『他にも現金があるのではないか』『生前に渡したお金はないか』といった疑問が出る可能性があります。通帳に継続的な履歴が残っていれば整理はしやすくなりますが、長期間現金で保管していると、資金の流れを示す材料がありません。相続の場面では、過去の収入や預金残高との整合性を確認されることもあり、説明が難しくなる場合があります。

さらに、将来介護施設への入居が決まり、入居一時金として300万円や500万円といったまとまった資金が必要になることもあります。その際、長期間保管していた現金を一度に口座へ入金すると、金融機関から資金の出所確認を受ける可能性があります。これ自体は特別なことではありませんが、履歴がないと手続きが円滑に進まないことがあります。

現在の社会は『お金の動きを記録で管理する』ことを前提としています。現金を長く自宅に置くほど、いつ、どこから、いくら動いたのかを示す証拠は残りにくくなります。将来の支払いや相続手続きを円滑に進めるためには、日頃から金融機関を通じて管理し、入出金の履歴を残しておくことが大切です。資産は『手元に隠す』よりも、『説明できる状態で整えておく』ほうが、FPの視点からみても、結果として安全です。」

「安心」から「安全」へ!今すぐ始めるお金の賢い見直し

「安心」だと思っていたタンス預金には、実は目に見えない「目減り」のほか、「税務」や「災害」といった多くのリスクが潜んでいることが分かりました。しかし、専門家のアドバイスに基づき、手元の資金を「普段使い」「守る」「育てる」と役割に分けて管理するだけで、心理的な安心感を保ちながら、資産全体の質を改善できることが理解できたのではないでしょうか。

現代社会では、お金の動きを記録で管理することが求められています。これを機に、あなたもタンス預金を見直し、金融機関を賢く利用して、より安全で豊かな未来への第一歩を踏み出してみませんか?


監修者:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。


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