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実は『フリマアプリの売り上げ』も申告が必要だった…お金のプロが警告。営利目的と判断される、「危険な金額のライン」とは?

  • 2026.2.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「不用品のつもり」は通用しない?税務上が重視する「取引の実態」

---不用品処分のつもりでメルカリを利用していても「営利目的」とみなされる判断基準には、どのような取引の頻度や金額、商品の性質が関係しているのでしょうか?

石坂貴史さん:

「メルカリなどのフリマアプリでの取引が、営利目的に当たるかどうかは、「本人が不用品のつもりだった」では判断されません。税務上は、取引の実態がどのような行為に見えるかが基準になります。つまり、気持ちではなく行動の中身が見られます。判断の際に重視されるのは、取引が一時的なものか、それとも継続して行われているかという点です。

たとえば、引っ越しや整理のタイミングで、まとめて不要品を売却したのであれば、不用品処分として説明しやすいでしょう。一方で、月ごとに出品と売却を繰り返し、一定のペースで取引が続いている場合は、「偶然の処分」とは受け取られにくくなります。

また、売上金額も見られますが、高いか安いかだけで判断されるわけではありません。売上を生活費の補填として意識しているかどうかも、判断材料になります。さらに、出品物の内容も重要です。家庭内で使っていた物が幅広く混ざっているのか、それとも特定のジャンルや人気商品に偏っているのかによって、営利性の見え方は変わります。

フリマアプリの利用が一般的になりつつ、明確な金額や回数の基準がないため、複数の要素を合わせて判断される点が、この問題を分かりにくくしていると言えます。」

これって転売?不用品出品で「営利目的」とみなされるNG行動

---不用品として出品した衣類や雑貨でも、仕入れて転売した場合や継続的に販売している場合は営利目的とみなされる可能性がありますが、具体的にどのような行為が該当するのでしょうか?

石坂貴史さん:

「不用品として出品している場合でも、取引の内容が「利益を得るための販売」に近づくと、営利目的と判断される可能性が高まります。特に分かりやすいのは、売ることを前提に商品を購入しているケースです。

たとえば、セールで安くなっていた衣類を「自分で使う予定はないが、売れそうだから」という理由で購入し、そのままフリマアプリに出品する行為は、不用品処分とは考えにくくなります。購入時点ですでに販売目的があるため、その商品は生活の中で不要になった物ではなく、販売用として取得した物と見られます。

また、自宅にあった物であっても、出品の仕方によっては注意が必要です。たとえば、クローゼット整理として衣類を出品しているつもりでも、毎月のように同じブランドの服が出てくる、新品に近い状態の物が継続して並ぶと、「たまたま不要になった」とは説明しにくくなります。

子どもの成長に伴って使わなくなった服を一時的にまとめて出品する場合は説明しやすい一方で、サイズや年代が不自然に揃っていると、第三者からは継続的な販売に見えることがあるでしょう。

さらに、日用品や雑貨でも同様です。たとえば、景品やまとめ買いした物を使わずに次々と出品している場合や、同じ種類の雑貨が定期的に出品されている場合は、「生活の中で偶然余った物」とは言いにくくなります。さらに、売れる価格を調べて値付けをしている、安く買える場所を探している、値下げのタイミングを考えているなど、利益を意識した行動が積み重なると、営利性があると判断されやすくなります。

写真や説明文を整えること自体は問題ありませんが、「どうすれば高く、早く売れるか」を常に考えている状態になると、不用品処分の範囲から徐々に離れていきます。重要なのは、生活の中で自然に発生した処分なのか、それとも利益を目的として繰り返しているのかという点であり、その積み重ねが判断に影響します。」

トラブルを防ぐ「出口戦略」。不用品であることを証明する3つの工夫

---メルカリで不用品を出品している人が、「営利目的」と判断されないために、日頃から心がけておくべき具体的な記録や工夫を教えていただけますでしょうか。

石坂貴史さん:

「フリマアプリを不用品処分として利用する場合は、「自分では不用品と思っている」だけでなく、後から見てもその説明が成り立つ状態を保つことが重要です。

そのためには、出品している物がどのような理由で不要になったのかを、ある程度説明できるようにしておく必要があります。たとえば、引っ越し、家族構成の変化、趣味の変更など、生活上の理由と結び付けて整理できると、不用品処分としての位置付けが明確になります。

具体的な対策を挙げてみましょう。まず意識したいのが、購入や使用の履歴です。いつ頃購入した物なのか、どのくらいの期間使っていたのかを把握しておくと、不用品であることを説明しやすくなります。

購入履歴が分かる画面のスクリーンショットや、残っていればレシートを保存しておくのも一つの方法です。また、出品時の説明文でも「数年前に購入し、使用機会が減ったため出品」など、使用実態が分かる表現を心がけると、整理目的であることが伝わりやすくなります。

次に、フリマアプリの取引ペースにも注意が必要です。短期間に大量の出品を続けると、片付けというより販売活動に見えやすくなります。季節の変わり目や生活の節目にまとめて整理するなど、自然なタイミングを意識すると説明しやすくなります。

また、同じ商品や似た商品を繰り返し出品しないことも大切です。売上金については、毎月の収入として管理するのではなく、不用品を処分した結果として把握し、家計管理上も分けて考えておくと安心です。こうした点を意識しておくことで、第三者から見ても「生活の中で不要になった物を整理している」と説明しやすい状態を保つことができます。」

フリマアプリは『商売』ではなく『整理』の場。適切な距離感で安心な利用を

メルカリなどのフリマアプリは非常に便利なツールですが、一歩間違えれば「無自覚な事業活動」になりかねません。石坂さんが指摘するように、重要なのは「生活の中で自然に発生した処分かどうか」を客観的に証明できる状態にしておくことです。

「どうすれば高く売れるか」という利益への執着が強まりすぎると、不用品処分の枠を超え、税金や法的責任が伴う「営利活動」へと足を踏み入れてしまいます。あくまで「家の中をスッキリさせるための整理」という本来の目的を忘れず、日頃から購入履歴や出品理由を意識しておくこと。その適切な距離感こそが、フリマアプリを賢く、そして安全に使い続けるための最大の防衛策となるでしょう。


監修者:石坂貴史

証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。


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