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13人中12人を救った車…脳卒中を1秒でも早く!医師を救急車に合流「ストロークカー」

  • 2026.1.7

札幌市内を走る1台の車。一見普通の乗用車ですが、この車が、脳卒中の患者を救う「ストロークカー」です。
札幌美しが丘脳神経外科病院の白崎修一副院長はその役目について「早期に治療が開始できるのと、やはり病院に来てからすぐに検査ができる。そうなると治療までの時間が短くなる」と話します。

冬になると高まる「脳卒中」のリスク。
命を救う、そして後遺症を防ぐ、脳卒中治療の最前線を深掘りします。

脳卒中の患者を救う車「ストロークカー」とは?

札幌市清田区にある、札幌美しが丘脳神経外科病院が2022年から運用を始めている「ストロークカー」。

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現場の救急隊が、患者に脳卒中の疑いがあると判断した場合に、病院に出動を要請。
あらかじめ決めてある合流地点に、医師が「ストロークカー」で急行し、救急車に乗り込み、医療処置しながら搬送する取り組みです。

例えば、南空知から札幌美しが丘脳神経外科病院に来る場合、30分ほどかかります。
医師が早く到着し、治療の判断までの時間30分を15分に短縮することができれば「患者さんの危機的な状況を、救うことはできると思います」と白崎修一副院長は話します。

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医師は、救急車内でバイタルサインをチェック。
場合によっては「投薬」などで、血圧のコントロールなどを行います。
専門の知識を持った看護師が向かうこともあります。

到着後、通常20分から30分かかる「救急処置」を、車内で済ませられるのが最大のメリットで、実際この患者は直接MRI検査に入り、手術に移ることができました。## 1分1秒でも短縮を目指すワケ

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1分1秒でも短縮を目指すのには、脳卒中ならではの理由があります。

札幌美しが丘脳神経外科病院の髙橋明理事長は「もう少し早ければ治療できたのに、という患者さんを治療できるようにしたいというのが一番の思い」と話します。

脳卒中は、発症して時間が経つにつれ、命を落とす危険性と後遺症のリスクが高まります。
脳の血管が詰まる脳梗塞の場合、薬を使い血栓を溶かし、血管を開通させるには、発症から4時間30分、カテーテルなどによる血栓を回収するには6時間のタイムリミットがあり、治療は時間との戦いです。

髙橋理事長によると「目に見えて後遺症が残るのは脳で、やはり時間が遅れて薬を使うと、今度は出血を起こして重症化するケースがあるので、その時間の境目というのは、結構大切に考えることが多い」ということです。

2022年の運用開始から、これまでに13件の出動要請があり、12人の命を救いました。

脳卒中に強い地域を作るために

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10月、空知地方の栗山町で開かれた研修会。参加しているのは救急救命士たちです。
栗山町を含む4つの町が運営する消防組合は、病院と協定を結び、ストロークカーを活用しています。

研修では「脳卒中」の判断基準や治療方法、運用の手順を学びます。

救急隊員が「右顔面の麻痺あり、あと右片麻痺、徐々に低下していました。普段生活は自立している方になります。受け入れのほうどうでしょうか?」と伝えます。

札幌美しが丘脳神経外科病院の髙橋明理事長は「手はゆっくり落ちたと表現されてますけど、ああいうのをきちんと『麻痺』と病院に伝えると、病院は受けやすい」とアドバイスします。

現場の救急隊員と医師が「顔の見える」関係を築くことで、救急隊が躊躇することなくストロークカーを要請できるようにするのが狙いです。

南空知消防組合の内田大稀さんは「ストロークカーを呼ぶことによって早期に医師に接触できるメリットは十分理解していたんですけど、呼ぶにあたって医師が『どんどん呼んで下さい』っておっしゃっていたので、要請に対するやっぱり気持ちの持ち方はすごく変わりましたね」と話してくれました。

症例や実績を重ねることで、ストロークカーの「救急車両化」も視野に、脳卒中に強い地域を作りたいと考えています。

髙橋明理事長は「時間の勝負というのは、きちんと連携ができないと進まない。地域全体で『脳卒中力』が上がると、その地域の患者さんたちは治療がうまく進むんじゃないかというふうに思っている」と意欲を高めます。

背景にある道内の医療格差

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「ストロークカー」は、札幌美しが丘脳神経外科の独自の事業で、全国的にもめずらしい取り組みです。

患者の脳卒中の可能性を判断した救急隊からの要請を受け、医師が出動し、ドッキングポイントで合流します。
医師は車内で救急措置を済ませて、病院に到着後、ただちに検査や手術に入ります。

札幌美しが丘脳神経外科病院では現在、南空知や夕張市など5つの消防本部や組合と運用協定を結んでいます。
こうした取り組みが求められる背景のひとつが道内の「医師の偏在」です。

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人口10万人当たりの医師の数は、札幌圏と、旭川を含む上川中部圏に集中しています。全道の平均が250人ほどですが、根室や宗谷地方などは、平均の4割ほどと医師不足が顕著になっています。

地域によってこれだけの医療格差があるので、今回の取り組みが広がっていくことを願います。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年12月2日)の情報に基づきます。

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