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相棒のロバが「ガス欠寸前」クマを警戒しながら野宿も…元新聞記者の行商と出会い

  • 2026.1.5

ロバを相棒に全国を旅する35歳の元新聞記者がいます。
前回の記事では半年ほど滞在した北海道南部の八雲町熊石地区での日々に密着。

1頭と1人は手作りした塩を携えて、新たな旅に出発しました。

北海道から900キロの旅へ

日本海沿いにのびる北海道南部の道を、ゆっくりと。

オスのロバ『クサツネ』と元新聞記者の高田晃太郎さんです。
リヤカーに掲げられた塩の看板がクサツネの動きに合わせて揺れています。

Sitakke

元新聞記者の高田さんとクサツネの旅は、11月11日に北海道の八雲町熊石地区をスタート。約900km離れた千葉県を目指す、行商の旅です。

今回の行商で売り歩くため、高田さんはクサツネとともに日本海に面した熊石地区で「ロバ塩」作りに励んできました。

クサツネが何度も運んだ「海洋深層水」。
運搬用のタンクに入れて、1回に300リットルの「海洋深層水」を運びます。

高田さんは薪をくべて、日本海から汲み上げたミネラル分が豊富な海水を釜で煮立て、コクがあるという「ロバ塩」を手作りしてきました。

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出発を翌日に控えた11月10日。高田さんは、最後の仕上げを進めていました。

「ロバが手伝ってくれたらいいのにな…シール貼り」

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1回に取れる塩は、わずか5キロから6キロです。
半年ほどの滞在で8回分、あわせて375袋を用意しました。

元新聞記者の高田さんに、「昔の仕事とどっちがいいですか?」とたずねてみました。

「いやぁ~記者のほうがいいですね(笑)」

そう話しながらも満面の笑みです。

Sitakke

1袋100グラム入りで800円と値段はいささか張ります。
それでも高田さんは、クサツネと手間をかけ丁寧に作った「ロバ塩」の出来栄えに迷いはありません。

「どれくらいの人が塩を手にとって買ってくれるのか想像もつかない」と話します。## 旅立ち…「ロバ塩」は売れた?

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26歳で北海道の新聞社を辞めた高田晃太郎さん。
そして旅先の海外で、黙々と働くロバの姿に心を打たれ、それからはロバを相棒に旅を重ねてきました。

やがて、ロバと一緒に働き合いながら各地を歩くことが、高田さんの旅のカタチとなりました。
今回は「ロバ塩」を売り歩きながら、千葉県を目指す行商旅です。

「おはようございます。今年お世話になりました」

挨拶をする高田さんを八雲町の大家さんが「また来てね」と笑顔で見送ります。

Sitakke

11月11日、高田さんを応援してきた地元の人たちが、新たな旅立ちを見送ろうと集まりました。

この日は、ロバのクサツネもどこかソワソワしていました。旅の始まりを感じているようです。

リヤカーに積み込んだ「ロバ塩」は全部で約37キロ。
野営するための道具と合わせると相当な重さになりますが、クサツネの足取りに不安はないようです。

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初日は出発地の八雲町熊石地区から距離にして15kmほどを移動して、野営先を探します。

クサツネの姿を見かけた人たちから、声がかかります。
しばらく進むと、見送りに来てくれた大家さん夫婦がやってきました。

「ツネ?どこにいるのかと思ったよ~。塩あるんですか?塩屋さん」と話しかけます。

Sitakke

「お客さんの第一号は、大家さんでした」

高田さん、うれしそう!
クサツネと作った「ロバ塩」の最初の1袋が売れました。

Sitakke

行商旅の初日、荒々しい波を立てる日本海が、夕陽でオレンジ色に染まり始めました。

クサツネがガス欠…

Sitakke

高田さんは「ほら行くぞ」と声をかけますが、リアカーを引くクサツネの足が何度も止まるようになります。

「草を食べたくて止まる。車でいうとガス欠寸前です」

そろそろ今夜の野営先を探す時間です。
条件は、草がたくさんあること。そして、高田さんはもう一つ、大切な確認を怠りません。

「この辺って、クマの出没はどうです?」

近く工事現場の人が「クマは何とも言えんよね。特に痕跡はないけれど」と答えます。

Sitakke

この日の夜は、日本海を見渡せる高台にテントを張ることにしました。
風は冷たく、夜は心細さもあります。
それでもクサツネの好物、芝が豊富にあります。

初日のお客は2人。4袋の塩が売れました。

強い海風の音を受けながら、千葉を目指す900kmに及ぶ行商の旅。その1日目が終わりました。

そして、行商旅の2日目。
スタートしてすぐに、難所が待ち受けていました。

海沿いのトンネルが工事中で、急勾配の峠を迂回するしかありません。

「左!左!左!左!」高田さんは声を上げます。

Sitakke

近づいてくる車が、クサツネは気になるようです。
長い峠の道を蛇行しないように、高田さんが「ほいほい」と大きな声をかけ、リヤカーを後ろから押して進みます。

「後ろから『行くぞ』っていって押すと、立ち止まらずにスタスタと。どんな道でも行けるとわかったら、自由な気持ちが湧いてくる」

「がんばって」声をかけられ売れ行きも好調

Sitakke

峠を越えて、乙部町の市街地にたどりつくと、うれしい展開がありました。

乙部町に住む人が「がんばってください」と声をかけてくれるので、高田さんも「塩を売っています、いかがですか?」とたずねます。

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地元の人から次々に声がかかり「ロバ塩」が売れていきます。そして車から声援してくれる人も…。

旅の2日目とは思えないほど「ロバ塩」の売れ行きは好調。
クサツネと記念写真を撮る人もいます。

命の危険にさらされた経験も

海外でロバと歩いた日々や、クサツネと出会ってからの旅の記録は書籍にもなっています。
旅のエピソードを披露した講演会では、海外で命の危険にさらされた経験についても…。

「タオルで目隠しされて、首を絞められて荷物を奪われてしまったことがあったんです。そのときロバが何をしていたかというと、傍らで草を食べていました」

しかし、決して旅をやめませんでした。
SNSでの発信も続け、現在のフォロワーは約14万人です。

講演会後のサイン会では、子どもからこんな質問も…。

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「ロバの名前はどうやって決めたんですか?」

「"草"と"常"に出会えるように…"クサツネ"です」

津軽海峡を越えて…

取材スタッフは乙部町で、高田さんとクサツネといったん別れることになりました。

「お気をつけて」「いってらっしゃい」

塩を売りながら、千葉県までの行商旅は続きます。

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相棒のロバと、人生を歩んでいきたい―。

その思いだけが、高田さんを前へと進ませています。

旅が始まって2週間あまり、高田さんと相棒のクサツネは11月26日の時点では、岩手県内を旅しているということです。

ちなみに北海道の函館から本州へ、フェリーで津軽海峡を渡る際は、クサツネは、馬を運ぶトラックの荷台に乗ったということです。

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あの「ロバ塩」の売れ行きは好調で、旅が終わる前に無くならないように、1日の販売個数に制限をかけるほどとのことです。

ロバのクサツネと、元新聞記者の高田晃太郎さんの行商旅は、12月中に今回の終着地・千葉県にたどり着く予定です。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年11月26日)の情報に基づきます。

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