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気楽でシンプル。それでも今っぽい、スリッポン風ミュールが支持される理由

  • 2026.1.7

最近、ジェニファー・ローレンスが強風の吹くニューヨークの街を歩く姿がスナップされた。ロングコートを羽織る彼女の足もとを飾っていたのは、実用的なネイビーのスリッポンタイプのミュール。数年前なら大女優がなんでこんな奇妙かつラフ過ぎる靴を履いているのか不思議に思ったかもしれない。だが今回はズームして見ることにした。確かに……シンプルで少しいなたい一足が欲しくなってきた気がする。オンラインで物色し始めたのは午前6時15分のことだった。

ミュール(ソールの厚さによってはクロッグとも呼ぶ)の台頭は、控えめながらも見逃せないものだった。数ヶ月前には、同僚のジョイ・モンゴメリーが光沢のあるミニマルなレザークロッグをデスクで履いているのを見かけている。とても華やかで使いやすそうなものだ。彼女は過去の記事で「丸っこい構造のつま先を選ぶことが私のこだわり。お気に入りのバギーデニムとのバランスが完璧」と語っている。そして「ゆったりしたテイラードパンツとボックスシルエットのレザージャケットと合わせて、オフィスでも気軽に楽しみたい」と続けていた。

Street Style - Paris Fashion Week - Womenswear Spring Summer 2026 - Day Three

彼女だけにとどまらない。先月、フランスのガーデニングクロッグがファッション界を賑わせているという話が入ってきた。こちらは長靴の上を切ったような見た目のものだ。その手のアイテムは21歳くらいの若者たちに任せておこうと思うが、どうやら評判はロンドンの活気あるニュークロスから人気パブのスパーストーアームズまで(電動スクーターや電動自転車の)ライムで通い、ミッドセンチュリーモダンなレコードラックを所有するような層にも及んでいるらしい。実際に私もいくつものスリッポンミュールを街中で目撃している。この前は健康志向のスーパーで、プロエンザ スクーラーPROENZA SCHOULER)とソレルSOREL)のコラボによるカリブーミュールを履いた人を見かけた。

このトレンドがどこから火が付いたのかを正確に特定するのは難しい。スニーカーの代わりにスマートな一足へと心が移ったこと。ボヘミアン風クロッグの進化形。装飾をそぎ落とし洗練の限りを尽くしたザ・ロウTHE ROW)の波及など、いくつかの要素が重なった結果なのではと時折考える。ガーデニングクロッグに限定すれば、ファッションジャーナリストのダニエル・ロジャーズはボーディBODE)による2020-21年秋冬コレクションの影響を指摘している。そこで登場したこの靴は「ブルックリンでアンチ・イットシューズとなり、ニューヨークのファッション誌でも大きく取り上げられ、今やロンドンへと広がっている」というのだ。そして2024年の後半には、ベラ・ハディッドが前述のプロエンザ スクーラーとソレルのミュールを履いた姿がキャッチされた(まあ、彼女がどんな靴を履こうが話題にはなるのだが)。

筆者は大概のシューズトレンドには乗らないタイプだ。例えばメッシュのバレエシューズなんて絶対に履かないし、あんなものは足用ネットでしかない。でも今回は快適でシンプルなものを愛する人間として流れに乗じたい。ベラが履いているだけで理由も十分というわけだ。

Photos: Getty Images Text: Daisy Jones Adaptation: Ryo Todoriki From VOGUE.UK

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