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「70代で退去」の可能性も。宅建士が警告する、50代の住み替えに潜む「定期借家契約」の落とし穴

  • 2026.2.2
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。宅地建物取引士の資格を所持しており、賃貸仲介業を営んでいる「不動産ライター」の藤倉です。

皆さまの中には「子どもたちが就職して一人暮らしを始めて実家を離れたし、そろそろ夫婦だけの二人暮らしにちょうど良い部屋に引っ越そうかな」と考えている方も多いのではないでしょうか。

私のもとにも、上記のような考えを持ち、老後の家を探しているという相談がよくきます。一見よくあるケースに見えますが、実は物件探しが難航することが多いです。

老後の家を探している方には50代が多いですが、実はこの50代という年齢で物件を探す際に思わぬ落とし穴があります。今回は、50代の部屋探しで陥る「落とし穴」と解決策を紹介します。

一番多いのは定期借家契約への条件変更

50代の賃貸仲介で注意してほしい落とし穴は、「普通賃貸借契約」で募集していたのに、申し込みを入れた際に条件変更で「定期借家契約」になることです。

一見同じようにも見えますが実情は大きく異なります。この契約形態を詳しく知らないと、入居後何年かした際に住居を失いかねません。

「普通賃貸借契約」は基本的に期間が終わるタイミングで更新ができる契約形態です。それに対し「定期借家契約」は、期間が終わるタイミングで一度契約が終了し、新しく契約を巻き直す「再契約」という形になります。

「定期借家契約」で契約期間が1年以上の場合、満了の1年前から6か月前までの間に、貸主が再契約しないことを借主へ通知(告知)すれば、次の契約が結ばれることなく終了します。

この契約形態の違いを理解していないと、60代、70代になってから退去せざるを得なくなる可能性もありますので、注意が必要です。

オーナーが懸念しているのは孤独死のリスク

どうして「普通賃貸借契約」から「定期借家契約」に条件変更がされるのかを、オーナー側の目線に立って解説します。

孤独死によって該当の部屋が、事故物件になることを避けたいと思っているオーナーも少なくないでしょう。

2021年の国交省ガイドラインによると、病死や自然死であれば、原則として事故物件(告知義務の対象)にはなりません。ただし、これには条件があります。発見が遅れて長期間放置され、特殊清掃(消臭・汚染除去)が必要になった場合には、告知義務が生じる(=事故物件となる)リスクがあるのです。

今物件を探している皆さまの中には「夫婦で住むのだから孤独死になる可能性なんてほとんどないのではないか?」と思う方もいるかもしれません。

ただ、不動産投資は入り口から出口まで長期間で考える投資手法です。リスクを少しでも減らしたいと考えた際に、今の入居者が20〜30年後に孤独死する可能性を排除したいと考えることもあります。

オーナー目線では、資産を守るために仕方なく条件変更しているというケースも多いです。

出典:国土交通省|宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン

50代からの部屋探しのポイントは諦めないこと

これまでのお話で「50代から部屋探しをするのは遅いのかな」と思った方もいるかもしれませんので、私がお客様にお伝えしていることをご紹介します。

私が必ずお伝えしているのは、普通賃貸借契約で借りられる物件の審査に通るまで諦めないことです。

何回も審査に落ちたり、条件変更を提示されたりすると部屋探しに疲れてしまい、最終的に「もうここで良いです」と半ば諦めながら部屋を決める人も多いです。

全ての物件が定期借家契約に条件変更されるわけではないので、根気よく探し続けるのは大事だと考えています。

いきなり信用情報を高めることは難しいですが、「諦めないこと」は誰でもできることだと私は思います。

個人的には老後長く住みたいと考えているのであれば、時間をたっぷり使ってお部屋を探していただき、納得いただく形で引越しをしてほしいですね。

また、審査に出す際に、夫婦での預金額を伝えたり、親族に連帯保証人に入ってもらうことで、普通賃貸借で審査が通るケースもあります。

仲介業者に都度相談しながら、少しでもオーナーさんに信用してもらう方法を模索していきましょう。



筆者:藤倉大地(宅地建物取引士の資格所有)
不動産業界歴8年。Webライターとして活動しながら、賃貸仲介業の会社で営業を行い、後に独立。現在は不動産賃貸業・Webライティング業の法人の代表を務める。10代から60代まで幅広い層の賃貸仲介経験を活かし、一次情報を反映した記事作成を得意としている。


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