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家の買い替え、知らないと数百万円の損? 「3,000万円特別控除」と「住宅ローン控除」どっちを使うべき?

  • 2026.2.2
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年、宅地建物取引士の西山です。

ライフスタイルの変化に伴い、マイホームの「買い替え」を検討する方も多いのではないでしょうか。実は、こうした住み替えの際に使える「税金の負担が減らせる制度」がいくつかあります。

しかし、ここで制度の選択を誤ると「数百万円単位」で節税できる金額が変わってしまう落とし穴があります。今回は、買い替え時に直面する「2つの巨大な節税制度」と、その賢い選び方についてお話しします。

「3,000万円控除」と「住宅ローン控除」は同時に使えない?

マイホームを売却して利益が出た場合、その利益から最大3,000万円を差し引いて税金を計算できる「3,000万円特別控除」という特例があります。これを使えば、多くのケースで売却益に対する税金を「ゼロ」にすることが可能です。

一方で新居をローンで購入する場合、年末のローン残高に応じて所得税などが戻ってくる「住宅ローン控除」も強力な制度です。「どっちも使えば最強だ」と思うかもしれませんが、実はこの2つ、原則として「併用」ができません。

どちらか一方しか選べないため、ご自身の状況に合わせて「どちらが得か」を慎重にシミュレーションする必要があります。

「3,000万円特別控除」を選ぶべき人

この制度の最大のメリットは、売却益にかかる税金(譲渡所得税)を大幅に減らせる点です。

例えば、昔買ったマンションが値上がりして「1,000万円の利益」が出たとしましょう。通常、所有期間が5年を超えていれば約20%の税金がかかるため、約200万円を納税しなければなりません。(5年以内の「短期譲渡」の場合は約39%で390万円)

しかし、この控除を使えば利益が相殺され、税金はゼロになります。つまり、売却益が大きく支払うべき税額が高額になるケースでは「3,000万円特別控除」を選んだ方が、手元に残るお金が多くなる可能性が高いです。

「住宅ローン控除」を選んだ方が得なケース

逆に、売却益がそこまで大きくない場合はどうでしょうか。

例えば利益が100万円の場合、かかる税金は約20万円(5年を超える「長期譲渡」の場合)です。ここで3,000万円控除を使って20万円を節税するよりも、新居で住宅ローン控除を使った方が得策かもしれません。

仮に5,000万円のローンを組んで要件を満たせば、年収にもよりますが、10年以上の期間で「総額300万円以上」の減税効果が見込める場合があるからです。これは「目の前の20万円」を払ってでも「将来の数百万円」を取りに行く戦略といえます。

一度使うと「10年以上」影響する?

注意が必要なのは、住み替え時に3,000万円特別控除を使うと、その後に入居した家で住宅ローン控除が一切使えなくなる点です。「やっぱりあっちにしておけばよかった」と後悔しても、確定申告してしまった後では変更できません。

「なんとなくお得そうだから」という理由で利用する制度を選んでしまうと、結果的に大きな損をしてしまう可能性があります。大きな決断をする前に、必ず税理士や不動産のプロに相談し、具体的な数字を出して比較検討することをおすすめします。



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士・日商簿記2級などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。