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タワマン在宅ワークなのに…大事な電話は「1階のエントランス」へ。不動産プロが語る“深刻な電波事情”

  • 2026.1.31
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出典元:ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年、現在は不動産専門のライターとして活動している西山です。

近年、在宅ワークが働き方の選択肢として定着し「眺望の良いタワーマンションで優雅なテレワーク」といったシチュエーションに憧れる方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に住んでみると「意外な落とし穴」があることに気づきます。

今回は、私がタワーマンションでの在宅ワークで直面した、地味だけれど深刻な「電波とネット」のリアルな事情についてお話しします。

「圏外ではないけれど…」高層マンションならではの“死角”

「あれ、またアンテナが2本しかない…」

ふとスマホの画面を見ると、電波状況を示すアンテナが頼りない本数になっていることがよくあります。実は、携帯電話の基地局のアンテナは、主に地上にいる人に向けて電波を飛ばすように下向きに角度が調整されています。

そのため、基地局よりも高い位置にあるタワーマンションは、高層階になるほど電波が届きにくい「空白地帯」になりやすいのです。もちろん、屋内アンテナやレピーター(電波の増幅器)など対策されている物件もありますが、全てのマンションで万全とは限りません。

日常的なメッセージのやり取りやネットニュースを見るくらいなら問題ないのですが、仕事の重要な電話となると話は別です。

大事な電話は「1階のエントランス」へ

通話中に電波が悪くなる不安が、どうしても頭をよぎります。実際には自宅で通話していて途切れたことはありませんが、アンテナが2本しか立っていない状態では安心できません。

そのため私は、わざわざ1階のエントランスホールまで降りてから電話をかけています。もし相手が電話に出なかったら、そのまま部屋に戻ることになるため、往復の時間が無駄になってしまうのも悩みどころです。

夜になると遅くなる?「シェア回線」の渋滞

もう一つの悩みが、自宅のWi-Fi(固定回線)の速度です。大規模マンションでは、建物全体で契約した光回線を各住戸で分け合う「一括導入型」が採用されていることがあります。

そのため、多くの人が帰宅して高画質の動画視聴やオンラインゲームを楽しむ「夜間」になると、利用者が集中して通信速度がガクンと落ちることがあります。「タワマンなのにネットが遅い」と感じる原因の多くはこれです。

一方で仕事のWeb会議は、外出している方が多い日中に行われるため、映像が途切れるといったトラブルは今のところありません。「仕事は快適だけど、夜のリラックスタイムは通信品質が落ちる」というのは、タワマンであっても同じ現代的な悩みかもしれません。

「つながりやすさ」は目に見えない重要スペック

これから物件探しをする方は、内見時にスマホの電波状況を目視で確認してみましょう。モデルルームや現地に行った際、窓際だけでなく部屋の中央でもアンテナが何本立っているか見てみてください。

また、ネット回線については「各戸専用回線」を引き込める構造か、それとも「シェア回線」しか選べないのかを不動産会社に聞いてみるのもおすすめです。

眺望や共用施設といった目に見える華やかさだけでなく、目に見えない「電波のつながりやすさ」も、快適なタワマンライフを送る上では見逃せない条件となります。



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士・防災士・日商簿記2級などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。