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飲食店で“12名の大型予約”→しかし、別の客とダブルブッキングしていたことが発覚…その後に店長が取った“対応策”とは?

  • 2026.2.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

飲食店を運営する上で、最も避けたいトラブルの一つが「予約のミス」ではないでしょうか。

特にお客様が楽しみにされている宴会の席で、自分たちのミスによりお席が用意できない…想像しただけで血の気が引くような事態ですよね。

しかし、そんな絶体絶命のピンチこそ、実はお店のリピーターを増やすチャンスに変わる可能性があります。

今回は、私が実際に経験した「12名様ダブルブッキング」の危機を、どのようにして「翌月の大型予約」へと繋げたのか。その舞台裏と、ミスをチームの成長に変えるマネジメント術をお話しします。

宴会前日、座敷が埋まっていて…

事件が発覚したのは、ある宴会予定日の前日でした。私はいつものように翌日の予約状況を確認し、お客様へ最終確認の準備をしていました。

そこで、目を疑う事実が判明します。

なんと、12名様の団体予約が、すでに別のお客様で埋まっている座敷席と完全に重複していたのです。

原因を調べると、ヒューマンエラーの連鎖でした。私が休みだった日にバイトリーダーが予約台帳への記入を漏らし、空いていると勘違いした私が、別の媒体からの予約を入れてしまったのです。「なんとか座敷を詰められないか」「テーブルを合体させれば……」と必死にパズルを組み替えましたが、物理的に12名様を収容するスペースはどこにもありません。

予約直前まで気づかなかった自分の不甲斐なさと、楽しみにしてくださっているお客様への申し訳なさで、一瞬目の前が真っ暗になりました。 「私のせいで……」と顔面蒼白になっているバイトリーダー。しかし、落ち込んでいる暇はありません。明日の宴会を絶対に台無しにさせないための、時間との戦いが始まりました。

系列店への誘導と「画面越しの謝罪」

私がまず行ったのは、近隣にある同チェーン店舗への相談でした。幸いにも、車で10分ほど離れた店舗に12名様の空きがあり、即座に席を確保しました。

ここからがプロの思考の見せ所です。 単に「場所が変わります」と伝えるだけでは、お客様にとっては「たらい回し」でしかありません。不満が爆発するリスクがあります。

私は以下の準備を整えてから、幹事様へ電話をかけました。

  1. 移動手段の完全確保 「移動のタクシー代は全て当店が負担します」と伝え、配車の手配もこちらで行う提案を用意。
  2. 系列店との連携 移動先の店長に事情を話し、当日の受け入れ体制を万全にしてもらう。

恐る恐る電話をかけ、心からの謝罪と共に代替案を提示しました。最初は戸惑っていた幹事様も、「そこまで手配してくれるなら……」と、しぶしぶながらも了承してくださいました。

しかし、電話一本で終わらせては「顔の見えない対応」で終わってしまいます。

私は当日、どうしても自分の店を離れられませんでした。他店舗の店長も粋な計らいでコース料理を1品サービスしてくれ、私は画面越しに「本日はご迷惑をおかけして申し訳ありません。これはお詫びですが、もしよろしければ次回、私の店にもお越しいただけませんか」と、20%OFFチケットを託しました。

「物理的な距離」を「デジタルの力」と「人の誠意」で埋める。この執念が、お客様の心に届いた瞬間でした。

ミスを「仕組み」で塞ぐ

後日、ミスに関わったバイトリーダーを頭ごなしに怒ることはしませんでした。

「ミスは誰にでもある。でも、この大きな事故は、君の報告漏れと私の確認不足という『小さなミス』が重なって起きたものだ」

そう伝え、二人で「次はどう防ぐか」を話し合いました。それ以来、当店では「予約のトリプルチェック」「休日の引き継ぎノート」の徹底をルール化し、報連相の密度を劇的に高めることができました。

そして驚いたことに、その翌月。 あの時の幹事様から、私の店に一本の電話が入りました。

「あの時はいろいろ丁寧にしてくれてありがとう。人数が多い方が割引もお得だからね!」と、20%OFF券を使って前回を大きく上回る30名様の大型予約を入れてくださいました。

ピンチは「信頼」のスタートライン

「ミスをした」という過去は変えられませんが、その後の「対応の誠実さ」でお客様の記憶を塗り替えることは可能です。

  • 言い訳をせず、解決策(移動・費用負担)を提示する
  • 顔が見えなくても、誠意を伝える手段を考える

準備を尽くし、逃げずに誠意を見せること。それが結果として、ファン作りのきっかけにつながります。もし皆さんの現場でトラブルが起きても、諦めないでください。そのピンチは、新しい信頼を築くためのスタートラインかもしれません。


ライター:Komimi 現場を知り尽くした「飲食のプロ」

私はこれまで、現場の最前線で数々の店舗運営・プロデュースに携わってきました。

パチンコ店併設カフェの店舗開発では、年間3~5店舗の新規立ち上げを日本各地で展開。
その後、70席規模の焼き鳥チェーン店にて店長や地域リーダーを歴任し、FC店長への技術指導も担当しました。
さらに、150席(宴会最大100名)を誇るホテル内大型和食居酒屋の店長として、大規模運営の舵取りを行ってきた経歴を持ちます。

現在はこれらの豊富な実体験を活かし、現場の熱量やリアルな課題解決を言語化するライターとして活動中です。
経営者・店長・スタッフ、それぞれの視点に立った「本当に役立つ情報」をお届けします。


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