1. トップ
  2. 恋愛
  3. 網走監獄の冷たい床下から丸められたメモが次々…囚人は何を隠したのか 浮かぶ人物像

網走監獄の冷たい床下から丸められたメモが次々…囚人は何を隠したのか 浮かぶ人物像

  • 2025.12.30

床下から思いがけない発見

明治から昭和にかけて10万人以上が服役した旧網走監獄。
北海道の厳しい自然と向き合いながら、多くの受刑者がこの地で刑期を過ごしました。

Sitakke
旧網走監獄

2025年11月、大規模な改修工事の最中、雑居房の床下から思いがけない発見がありました。
丸められたメモが次々と見つかったのです。
その数、13枚。床下から文書が見つかったのは今回が初めてのことです。

Sitakke
丸められた紙

一体誰が、何のために?

Sitakke

改修工事を進めていた大工が、床板の隙間から白い紙片を発見しました。

丸められた状態で長年隠されていた紙片たち。一体誰が、何のために、これらの文書を床下に隠したのでしょうか。

発見された13枚の紙片は、長年の時を経て破れたり、文字が乱雑になったりしていました。
副館長の今野久代さんたちは、1枚1枚丁寧にアイロンをかけて、1週間かけてメモを読み解いていきました。

Sitakke

「解読する前は、受刑者どうしの暗号とか、出所する時に逃走経路をほかの受刑者に暗号とかで遺しているのかなと思いました」

今野さんの期待は、意外な方向に裏切られました。## 紙片に書かれていたのは…

Sitakke

監獄の冷たい床下に隠されていたメモ。
そこには、北海道のニュースを記したものが書かれていました。

また、函館の湯の川温泉、札幌の定山渓温泉、山形の蔵王温泉などの記述も。
さらには、皇族の成婚日、読みたい本なども書かれていたのです。

自由への憧れと、出所後の夢だったのでしょうか。
手書きの文字からは、受刑者が想像した旅の風景が浮かび上がってきます。

Sitakke

副館長の今野さんは、メモの内容から書き手の人物像を推測しました。

「意外と字がきれいですし、地理、地方の特色を知っている人物。ある程度教養があって興味関心を持っていた人物なんだろうなと推測しました」

文字は丁寧で、地理的な知識も豊富。単なる落書きではなく、計画的に情報を収集し、記録していた様子がうかがえます。

なぜ床下に…

Sitakke

しかし、ここで大きな疑問が残ります。重大な秘密でもない文章をなぜ、わざわざ床下に隠したのでしょうか。
受刑者にとって、これらの情報は何を意味していたのでしょうか。出所後の希望だったのか、それとも別の理由があったのか。その真意は謎に包まれたままです。

副館長の今野久代さんは、メモに書かれていた「流転の王妃」という書籍の出版年や当時の網走監獄の収容状況などから、文書を隠したのは26歳以上の再犯の男性で、昭和34年から35年ごろに服役し、刑期は10年未満だった人物だとみています。

Sitakke

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年12月2日)の情報に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる