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知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる[植物の基本情報]の読み方【ガーデニング】

  • 2025.12.30

知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる[植物の基本情報]の読み方【ガーデニング】

植物について調べると、ネットでも植物図鑑や事典でもよく目にするのが「科名」や「学名」、「原産地」や「形態」などなど。「これらの植物の基本情報は栽培にどう関係するの?」って疑問に思いませんか。ちょっと小難しく感じるこれらの情報が、じつは栽培の大事なヒントになっているのです。

植物の基本情報には栽培ヒントが隠れている

植物が好きな方のなかには、植物そのものに興味がある方と植物を生かした園芸(ガーデニング)に興味のある方がいらっしゃいます。このサイトをご覧になる方はほぼ園芸のファンでしょう。園芸ファンがネットや植物図鑑で植物を調べるとき、説明の最初にある「科名」や「学名」などより、「どんな植物か、育て方のコツや注意点を早く教えて~」と思いがちでは?

じつは私が園芸に興味をもち始め、園芸の記事を書き始めたころさえ、そう思ったものです。科名や学名なんて面倒くさいものはどうだっていいじゃない!……と。けれど、科名や学名の大切さというか、知っていると栽培のヒントになるということにだんだん気づきました。

すてきな庭をつくっているガーデナーさんなどは、科名だけでその植物の特徴や育てる注意点などまで察してしまいます。ネットや図鑑、事典などで箇条書きになっているそっけない情報からも大事な栽培のヒントを読み解いてみましょう。

「科名」や「学名」からわかる仲間の存在、その特徴

植物に限らず、すべての生物は「分類」されています。例えばヒトはヒト科ヒト(Homo)属ヒト(sapiens)という種です。ヒト科にはヒト属のほかにチンパンジー属やゴリラ属があって、3つの属は似た点の多い仲間だとわかります。

例えばキク科にはもっとも多くの種がありますが、マーガーレットやヒマワリ、キクやシオンなど、花弁に見える舌状花と花芯の筒状花という小さな花がたくさん集まって1個の花に見える特徴が共通です。ほかにも日照が短くなると花芽ができる短日植物という性質を持つものも多くて、キク科の花と聞くだけでどんな花か、ある程度の想像がつきます。

また、分類によってつけられているラテン語の学名も、読みにくいし覚える気にもならないかもしれません。が、全く見た目の異なる2つの花が、同じクリスマスローズの仲間とわかったらどうでしょう? 似たような栽培環境で育ててよいのかな?というヒントになります。

「形態」や「原産地」は栽培成功への道しるべ

園芸でいう「形態」とは、一年草か多年草か低木かとか、常緑性か落葉性か、耐寒性があるかないかなどを簡潔に示します。冬に茎葉が枯れ落ちてしまっても、「耐寒性多年草」とか「落葉性低木」だとわかれば、死んでしまったわけではないとわかって安心です。「一年草」なら栽培期間の終わりだと諦めがつきます。

また、育てたい植物の情報に「半耐寒性」とあったら、住んでいる地域の最低気温がおおむね3~5℃以上かどうか、0℃以下になる日はほとんどないかが栽培の決め手になります。もちろん0℃を下回る日には屋内に取り込めたらOK! そういう必要のある植物だと判断できます。ちなみに「耐寒性」なら0℃以下でも大丈夫です。

日本にはいまや世界中の植物が集まっています。環境が大きく異なる場所に自生する植物も多いため、それぞれに適した栽培環境を整えなくてはなりません。育てる場所の気温や日当たり具合、水やりの頻度などなどが関係します。「原産地」の情報は、植物を育てるうえでとても重要です。

「原産地」を知れば、水やりの失敗ゼロに!

世界の気候は熱帯、温帯、寒帯という3つの気候帯に分かれます。さらに気温や降水量によって熱帯、乾燥帯、温帯、冷帯、寒帯という5つにわかれ、さらに細かく熱帯雨林気候やサバンナ気候、砂漠気候や地中海性気候などにわかれます。

そこで、植物の原産地がどの気候帯に属するか知ることで、植物の好む環境がわかるわけです。日本原産の植物なら日本の気候で育てやすいから安心。それでも南北に長い日本列島なので、沖縄や北海道などを一概には言えません。

とくに注意が必要なのはイタリアやポルトガルなど、地中海性気候の原産地です。気温は温暖ですが、日本の太平洋側とは反対に夏は雨が少ないため、梅雨や夏の高温多湿を苦手にします。オリーブやラベンダー、ローズマリーやアカンサスなどの水やりについて、気をつけるポイントです。

同じように乾燥地帯ですが、夏は40℃を越える暑さで冬はマイナス20℃という寒暖差がある大陸性気候のトルコ。トルコ原産といえばチューリップをはじめとして、アネモネやヒアシンス、サフランなどの球根植物があります。これらは暑さ寒さには強いものの、やはり高温多湿に注意が必要だとわかります。

ご紹介したのはほんの一例なので、ほかにも熱帯雨林気候や高山気候などの植物もさまざまに流通しています。目新しい植物を育てたいと思ったら、ぜひその原産地から気候を調べて、栽培の参考にしてみましょう。栽培の腕前が上がること間違いなしです!

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