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【62歳リアルな家計簿】子どもへの仕送りが家計を圧迫!? 老後の安心と子どもの自立を叶えるには?

  • 2025.12.30

【62歳リアルな家計簿】子どもへの仕送りが家計を圧迫!? 老後の安心と子どもの自立を叶えるには?

高齢期の家計管理に詳しい畠中雅子さんが、読者の家計の悩みに答える好評の連載! 老後の思わぬハードルとなるのが、子や孫の存在。いくらかわいくても、多額の援助が続くと自分たちの生活が危うくなります。今回は夢を追う子どもをサポートして老後資金がつくれない読者に、畠中さんが問題を鋭く指摘します。

「高齢期のお金を考える会」主宰
ファイナンシャルプランナー
畠中雅子さん

はたなか・まさこ●雑誌、新聞、ウェブなどに多数の連載をもち、全国で講演を行う。「高齢期のお金を考える会」「働けない子どものお金を考える会」を主宰。
高齢者施設への住み替え資金プラン、働けない子どもへの親亡きあとのアドバイスなどに定評がある。著書多数。

将来、年金がもらえなくても夢を追う三女をサポートしたい。この生活を続けたいけれど……

ゆかりさん(仮名・62歳)
● 茨城県在住
● 長女(38歳)、二女(35歳)と3人暮らし
● 賃貸アパート
●3つのパートをかけもち

プロダンサーを目指す三女を家族で応援し、「生活費の残りは全額三女に仕送り、休日は家事を手伝っています」。会社員の長女を除き、ゆかりさんと、心療内科に通いながらアルバイト中の二女は年金保険料未納の状況。

【アドバイス】今のままでは自分だけでなく、長女も二女も犠牲に。家族で話し合って、援助に期限を設けましょう

シングルマザーとして3つのパートをかけもちし、3人の子どもを育ててきたゆかりさん。今は会社勤めの長女と、アルバイトをしている二女との3人暮らし。「長女と二女が家にお金を入れてくれるようになって、ラクになりました」と、話す。

ただ、悩みは離れて暮らす三女のこと。「プロダンサーを目指しているのですが、仕事が少なく月10万円以上仕送りをしているんです」

その結果、貯蓄ができず、国民年金保険料も未納で、このままでは老後、貯蓄も年金もない生活に。「ずっと働いて何とかしたい」と言うが、「高齢になれば、いつか必ず働けなくなります。自分ばかりか、長女も二女も貯蓄ができず、三女の犠牲になっている現実を直視しなければ!」と、畠中さんは厳しく指摘。「三女と話し合い、援助の期限を決めて『あと1年は援助するけど、それで生活できないなら別の道を探して』などと伝えましょう。母親が覚悟を決めれば、子どもも変わります。今が決断のときです」

生涯安心して生活できる家計のコツを伝授!

任意加入で年金加入期間が10年以上になれば年金が受け取れる

国民年金を受給するには、保険料の納付期間が10年以上あることが条件。

「国民年金の加入期間は原則60歳までですが、年金の受給資格期間を満たしていない場合は最長70歳まで、未納期間があって満額の年金がもらえない場合は最長65歳まで、それぞれ任意で加入できます」。

ゆかりさんの場合、結婚していた9年間は第3号被保険者(会社員や公務員に扶養されている配偶者)として保険料の納付が免除されていたため、「あと1年納付すれば年金が受け取れます。今からでも任意加入し、国民年金保険料を納付しましょう。そうすれば将来年20万円の年金が受け取れます」。

【ポイント】
国民年金の加入期間を満たせば将来の年金が年約20万円に!

子どもに自立を促し、安心できる老後のために家族で話し合いの場を

このまま家計の問題を先送りにしていると、いずれゆかりさんが働けなくなったとき、家族全員が共倒れになりかねない。

「援助を受けている子どもは、『親には余裕がある』と思い込みがち。三女も、実家の家計が切羽詰まっているとは思っていないでしょう。一度家族全員で、このままでは無年金になること、老後資金もつくれないことを正直に話せば、三女もわかってくれるはずです。仕送りを減らした分は、貯蓄へ回して」

【ポイント】
親子共倒れになる前に、家族で状況を共有することが大切

病気などで働けなくなったときは、社会福祉協議会に相談を

体やお金の不安など幅広い分野の相談に乗ってくれる「社会福祉協議会(社協)」は、困ったときの強い味方。

「将来、病気などで働けなくなったり、経済的に困窮したりした場合、ぜひ足を運んで。無料で家計の相談にのってくれる他、生活福祉資金の貸し付け、生活保護の申請などその人に必要な支援と結びつけてくれます」。

地域によって活動内容に差があるので、今から地元の社協を一度チェックしておくのもいい。

【ポイント】
働けなくなったときを想定し、地元の社協を知っておくと◎

『毎日かんたん ゆうゆう家計簿2026』発売!

イラスト/タナカユリ
※この記事は「ゆうゆう」2026年2月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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