1. トップ
  2. 恋愛
  3. 3年間騙され続けた私。彼が夢見た「最高の舞台」で、すべての嘘が崩れ落ちました

3年間騙され続けた私。彼が夢見た「最高の舞台」で、すべての嘘が崩れ落ちました

  • 2025.12.28
ハウコレ

交際していた彼は、話を盛ることが多い人でした。仕事のこと、過去のこと、将来のこと。彼の言葉はいつも輝いていて、私は疑うこともありませんでした。けれど、3年という月日の果てに起こった出来事は、私の想像をはるかに超えるものだったのです。

「完璧」に見えた彼

彼と出会ったのは、友人が開いたパーティーでした。大手商社に勤め、若くして管理職に就いていると話す彼。

「学生時代はアメリカの大学に留学していた」

「実家は地方で会社を経営している」

そう語る姿に、私はすっかり魅了されてしまいました。

交際が始まると、彼は「出張が多い」と言い、週末に会えないことも多くありました。「君との将来のために頑張ってるんだ」という言葉を信じ、私は寂しさを抑えて応援し続けたのです。

ただ、時折感じる小さな違和感。話の辻褄が合わないこと、話を聞くとはぐらかされることも。それでも私は「こんな素敵な人が嘘をつくはずがない」と信じ込んでいました。

積み重なる矛盾、揺らぐ信頼

交際2年を過ぎた頃、違和感は確信に変わり始めました。彼が「海外出張中」と言っていた週に、都内で彼らしき人を見たという友人の報告。会社の話を詳しく聞こうとすると、毎回微妙に役職名が変わること。

決定的だったのは、彼の財布から見えた名刺でした。そこに書かれていた会社名は、彼が勤めていると言っていた大手商社ではなく、聞いたこともない小さな会社。しかも役職欄は空白だったのです。

問い詰めても「部署が変わった」「出向中なんだ」とはぐらかす彼。私は静かに調べ始めました。すると出てくるのは、嘘ばかり......留学経験も、実家の会社も、すべてが作り話だったのです。

彼が関係を望んだ「最高の舞台」

ある日、彼が言いました。「来月、うちの親に会ってほしい。正式に婚約しよう」と。

驚きました。けれど私は決意したのです。ここで関係を含めすべてを終わらせようと。

彼のご両親との顔合わせは、都内の高級料亭で行われることになりました。彼は「親父も会社経営者だから格式のある場所がいい」と張り切っていたのです。

当日、私は一人で会場に向かいました。そして会場に着くと、彼のご両親は確かにいらっしゃいました。けれど私が席に着く前に、料亭の入り口が再び開いたのです。

現れたのは、見知らぬ女性でした。いえ、一人ではありません。さらにもう一人。合計二人の女性が、彼を見て固まっていました。

私が調べた結果、彼には同時に交際していた女性がいることが分かっていました。そして私は、彼女たちにも連絡を取っていたのです。「あなたの彼氏が、ご両親を招いて婚約食事会をするそうです」と。

そして...

料亭は一瞬で修羅場と化しました。

「あなた、私と来月結婚するって言ったよね?」「私にも同じこと言ってましたけど?」

二人の女性が次々と声を上げる中、彼は顔面蒼白で何も言えなくなっていました。そこに現れたのは、彼のご両親でした。

お父様は静かに彼を見つめ、そして言いました。「お前は、何をやっているんだ」と。お母様は涙を流していました。その涙を見て、私は悟ったのです。彼のご両親は、彼の嘘に何も気づいていなかったのだと。「うちの息子は一流企業に勤めている」と信じていたであろうお二人の前で、すべてが崩れていきました。

私は静かに言いました。「彼は一流企業に勤めていません。留学経験もありません。私たち全員に嘘をついていました」と。

彼は誰にも目を合わせられなくなっていました。言い訳すらできない。それまで作り上げてきた「嘘」の姿が、音を立てて崩れ落ちた瞬間でした。

後日、彼の元には様々な報いが届いたと聞きました。三人の女性から慰謝料を請求され、ご両親からは勘当同然の扱いを受け、さらに関係を調べ上げた女性の一人が、彼の会社にも経歴詐称の事実を報告したそうです。結果、彼は職を失いました。

すべては、彼が自分で蒔いた種でした。

3年間という時間は戻りません。けれど私は「自分の直感を信じること」「違和感を見過ごさないこと」の大切さをこの身で学びました。あの日、料亭を後にしたとき、冬の空気がとても澄んで感じられたのを覚えています。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる