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「うちの子が帰ってこない…」下校後、その電話で職員室が凍りつく。元教員が明かす、放課後の“大捜索”

  • 2026.1.20
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出典元;photoAC(画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員ライターの、みずいろ文具です。
私が小学校教員だった頃、低学年ならではの“あるある”がありました。

それは、下校後しばらくして学校に入る一本の電話。

「もう下校してますよね?うちの子が帰ってきてないんですが…」

この言葉を聞いた瞬間、職員室の空気が変わります。

それは、大捜索スタートの合図

担任がまず確認するのは、下校時刻、そしてその日の下校の様子です。
誰と帰ったのか。教室で放課後の予定を話していなかったか。

その隙に、管理職が学年主任を呼び、情報共有と役割分担をします。
職員は大きく二手に分かれます。

ひとつは、電話で確認するグループ
仲の良い同級生の家や学童、児童館などに連絡し、「一緒にいないか」「寄っていないか」を確かめます。

もうひとつは、実際に探しに行くグループ
児童の顔写真を確認し、地図を広げ、地域をいくつかのエリアに分け、車を乗り合わせて出動します。

住宅街の通学路、公園、コンビニ周辺、児童が立ち寄りやすい場所…。ひたすら目を凝らして、時に車を降りて探し、同級生を見つけたら聞き込みを行うこともあります。

職員室に残る人は、連絡窓口として電話を受け続けます。

「見つかりました!」の報告が入るまで、学校全体が緊張したまま動き続けるのです。

見つかる場所は、だいたい“ここ”

こうした捜索は、幸いにも多くの場合、ほどなく終わります。

「○○公園にいました!」
「お友達のお宅にお邪魔していたみたいです」
「コンビニに寄り道していたようで…」

車で出ている職員のスマホにも学校から順次連絡が入り、続々と学校に捜索隊が戻ってきます。

職員室に戻ると、職員たちは「よかったよかった~」と安堵しつつも、疲労からか「ふぅ~」とため息があちこちから聞こえてきます。

子どもの安全が第一。だから全力で探します。

けれど現実には、放課後の時間には限りがあり、教員にもその後に残っている仕事があります。

それでも、何が起こるか分からない世の中、いちばん大切なのはその子が無事であることです。
この優先順位だけは、現場の誰もが迷いません。

どうして「帰っていません」が起きるのか

低学年の子どもは、楽しいことが目の前にあると、切り替えが難しいことがあります。

「ちょっとだけ公園」
「友達に誘われたからついていく」
「寄り道しちゃだめって分かってるけど…」

本人の中では“ほんの少し”のつもりでも、保護者の方は家で待ち続けています。

我が子の行方が分からなければ、不安になるのは親として当然です。

GPS・スマートタグがあっても「ゼロにはならない」

最近はGPSやスマートタグが普及し、以前より“所在が分かる安心感”は増えました。
実際、昔のような大捜索が減ったと感じる場面もあります。

ただ、現場でよくあるのが、

「今日はたまたま持っていなかった」
「電池が切れていた」
「なぜかランドセルから外して置いてきていた」
というケース。

いくら文明の利器が増えても、最後に効くのはやっぱり親子の約束です。

家庭で確認しておきたい「下校後の約束」3つ

もしよければ、次の3つを、短くてもいいので親子で共有してみてください。

  • 学校からは、寄り道せずにまっすぐ家に帰ること(習い事やデイサービスは例外)
  • 出かけるときは、「だれと」「どこで」「何時まで」をセットで言う
  • 困ったら戻る場所を決めておく(家/学校/学童など“ここに戻れば安心”の拠点)

加えて、ランドセルに「連絡先カード」を入れておくのもおすすめです。

低学年ほど、いざというときに自分の住所や電話番号を言えないことがあります。

“探さなくていい放課後”を増やすために

「大捜索」は、したくてしているわけではありません。
それでも全力で動くのは、子どもを守るためです。

だからこそ、家庭での小さな約束が、子どもの安全を守り、保護者の不安を減らし、学校の負担も軽くします。

みんなが安心して放課後を過ごすために、学校でも家庭でも、同じように指導できれば、子どもの安全につながります。

子どもが無事に「ただいま」と帰ってくる。
その当たり前の尊さを、現場にいた私は何度も感じてきました。

これからも、安心できる放課後が続いていきますように。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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