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著名人に愛される料理家、杉山絵美さんに学ぶ“ご縁が繋がるおもてなし術”

  • 2025.12.24
Hearst Owned

家族や友人、大切な方たちをお招きして、特別なテーブルを囲みながら過ごす機会が増えるホリデーシーズンは、いつもと違う華やかな空間を演出したいもの。「今からでも間に合う準備は?」「ゲストに喜ばれるお料理とは⁉」。今回は、著名人からラブコールを受ける料理家の杉山絵美さんに、自宅でできるテーブルコーディネートのアレンジ術を伝授していただきました。さらに、聖夜にふさわしい華やかかつ時短でつくれるコース料理のレシピも惜しみなく披露。忙しい時でも無理なくできる“おもてなしのヒント”をご紹介します。

CEDRIC DIRADOURIAN

<Profile>
杉山絵美(すぎやま えみ)/料理家

慶應義塾大学卒業後、イギリスに留学。英国王室用達である、コンスタンス・スプライ・フラワースクールにてディプロマ取得。ケネス・ターナーさんに師事し、エリザベス女王主催の晩餐会の装飾のアシスタントなどを経験する。帰国後、DIOR広報として活躍してから独立。2020年に株式会社FOOD LOSS BANKを友人と共同設立し、食品ロスの問題にも取り組む。両祖父が文化勲章受章者である日本画家の杉山寧と建築家の谷口吉郎、伯父は、建築家の谷口吉生、作家の三島由紀夫。2023年に初の料理本『おうちで作るセレブご飯』(中央公論新社)、2025年に『杉山絵美の30分で完成! 毎日のごちそう』(宝島社)を出版。
IG:@emisugiyama530

ホーム―パーティのプロ、杉山絵美さんに聞く“おもてなしの極意”

「自宅でパーティを始める時は、まずテーブルセッティングを完璧にしておきましょう」という杉山さん。今回はホリデーシーズンに合わせて、白とシルバーをメインにした華やかな雰囲気のテーブルコーディネートを伝授してくださいました。

テーマ性を感じさせる「生花」へのこだわり

CEDRIC DIRADOURIAN

「ポイントは必ず生花をいれることです。お花を用意する時は、“今日は白とグリーンだけ”といったようにテーマカラーを決めると合わせやすく失敗しにくいです。例えば、クリスマスだから赤とグリーンだけ、お誕生日会だからピンク一色に、ハロウィーンはオレンジと黒にするなど、その時の季節や気分に合わせて色のテーマを決めることをお勧めします」

杉山さんが愛用しているのは、東京・西麻布にある「花屋」というショップで、10本単位で買って自分で活けているそう。プロが買いに来る店のため、良質な花をリーズナブルに入手できるといいます。

杉山さんの個性を添える「ナフキンリング」

カトラリー<a href="https://www.christofle.com/ja_jp/catalog/product/view/id/11921/s/flatware-set-for-6-people-24-pieces-mood-silver-plated-00065299000101" target="_blank" rel="nofollow">「ムード」</a><a href="https://www.christofle.com/ja_jp/catalog/product/view/id/11921/s/flatware-set-for-6-people-24-pieces-mood-silver-plated-00065299000101" target="_blank" rel="nofollow">¥316,800</a>、食器<a href="https://www.bernardaud.com/jp/jp/ecume-platine-jp/ecume-platine-assiette-a-diner-26-" target="_blank" rel="nofollow">「エキュムプラティーヌディナープレート」¥39,600</a>、<a href="https://www.bernardaud.com/jp/jp/ecume-jp/ecume-assiette-a-dessert-21-cm" target="_blank" rel="nofollow">「エキュムデザートプレート」¥9,350</a>、<a href="https://www.bernardaud.com/jp/jp/ecume-jp/ecume-assiette-a-pain-16-cm" target="_blank" rel="nofollow">「エキュムパンプレート」¥8,250</a> CEDRIC DIRADOURIAN

そのほか、こだわっているのはリボンで手づくりしているナフキンリング。「特別な日には、セッティングの仕上げに美しい色のリボンを添えるとテーブルが一気に華やぎます。リボンは形がつくりやすいワイヤー入りのものがお勧め。種類が豊富に揃っているので、表参道にあるスパイラルマーケットの2階にあるお店『スパイラルマーケット』でよく揃えます。急に人数が増えてお揃いのお皿が足りなくなったとしても、リボンがあれば統一した雰囲気を保てますよ」

とはいえ、探している時にしっくりくるリボンが見つからないこともあるので、杉山さんは、日ごろから素敵なリボンを見つけると購入しておくそう。常にホームパーティへのアンテナを張っておくことも大切ですね。

贈り合うことでご縁を紡ぐ「テーブルウエア」

CEDRIC DIRADOURIAN

メインとなる食器やカトラリー、グラス類は、ほとんどがプレゼントしていただいたものだといいます。

「BACCARAT(バカラ)のグラスはクリス・ペプラーさんからいただいた後、演出家の宮本亞門さんからもいただき、全部で8客揃いました。

カトラリーが6人分入っているCHRISTOFLE(クリストフル)のムードは誕生日プレゼントに友人の皆さんからいただいたのですが、人数が多いパーティでは人数分揃わないことがあり、そんなことを気にかけてくださった皆さんが次のお誕生日にもうひとつプレゼントしてくださったことで、12人のお客様でも使えるようになりました。神田うのちゃんからいただいたバカラの花器はティラミスを入れる容器としてもアレンジしていますし、アンミカちゃんからのクリストフルのワインクーラーも大活躍しています」

ゲストと一緒に空間をつくっていくというのも、杉山さんが大切にするパーティのスタイルなのだそうです。

「豊田真帆ちゃんは『絵美ちゃんとは長いお付き合いになると思うから、特別な時に少しずつプレゼントするね』というメッセージと共にGIEN(ジアン)のティーセットをいただいて。その後少しずつ贈ってくださって、最後には私の結婚のお祝いに足りなかったお皿やティーポットなどをまとめてプレゼントしてくださったんです。それで6人分揃うという、とても素敵な贈り物になりました」

友人から愛されている杉山さんならではのエピソードですが、ご自身が贈るギフトにもこだわりをもっているといいます。

「例えば、ご自宅の雰囲気がBERNARDAUD(ベルナルド)のお皿の模様とリンクしていた友人へは誕生日プレゼントとして毎年少しずつ差し上げて増やしていったり、引き出物でもお渡しした山田平安堂の漆器のシリーズを少しずつ贈ったりするなんてこともあります。そうやってお互いに贈り物をすることで、テーブルコーディネートが完成していくのです。自分で買うこともできますが、大切な方が自分のために時間をかけて選んでくださったプレゼントは、心に残る思い出の品に。贈り合うことで次第に絆も深まり、長いお付き合いになっていきます」

見た目も味も際立つ、ゲストの五感を満たす“おもてなし料理”

料理のレシピで最も大切にしているのは“五感”だという杉山さん。そこには確固たる理由があるそうです。

「五感をすべて足して100%の場合、味覚は何%あるかご存じですか? 実はたったの1%しかないのです。耳からは7%、鼻から3.5%、触覚からは3.5%。80%以上は視覚が占めており味はもちろんのこと、見た目もとても大切。今回はベルナルドの素敵なお皿やクリストフルのカトラリー、バカラのグラスを揃えているので、見た目だけで“素敵だな、美味しそうだな”と思ってもらえるテーブルになっていると思います。心に残る美味しい料理をつくるには、よい香りの彩り豊かな美しい料理を誰とどのようにいただくか、五感で味わうことが必要です」

手を掛けるのは“一皿のみ”のコース料理

料理は、ゲストのご年齢や好みなどに合わせて、コースの内容を組み立てていくという杉山さんですが、そこで大切にしているのが“頑張らないこと”だといいます。

「まずどのようなお客様がいらっしゃるかが重要ですよね。お肉を召し上がらない方、ご年配の方、お子様など、その時のムードに合わせてメインディッシュを決めていきます。それを軸にして他のメニューを組み立てていくのですが、私のコースは、頑張るのは1品のみ。それ以外のお料理はちょっと肩の力を抜くくらい、手軽なもので良いんです」

杉山さんは、自身もゲストと共にパーティの時間を楽しめるよう、そして事前準備の負担も増えないよう、時短で華やかな料理をつくることをテーマにしています。

「パーティの当日に慌てないためには、一皿目を事前につくっておくと安心ですね。コース料理は着席して最初の一皿を出し、皆さんが歓談している間にタイミングを見ながら二皿目、三皿目に着手します。私は料理本でもご紹介しているような、サッとできる料理を考えておきます」

シャンパーニュでの乾杯には手軽なおつまみを

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「お祝いの時などは、コース料理を始める前に、まずはペリエ ジュエ ベル エポックなどのシャンパーニュで乾杯するのが定番。おつまみには、自家製のポップコーンや生ハムなど、すぐに出せるものを用意しておきくと良いですね。時間がない日は、既製品のポップコーンをフライパンで少し温めてからパルメザンチーズをかけたり、かつお出汁で和えるだけでも立派なおつまみになりますので、あまり気負わないようにするのもホームパーティの極意ですね」

誰もが楽しめる寄り添い方のスタイルで

「メインディッシュからは大皿にお料理を用意して、ご自分のお皿にご自身が召し上がりたい量を取り分けていただくスタイルもお勧めです」と杉山さん。コースの最初の方はひとりひとりにサーブし、お腹のすき具合も異なる後半は大皿で出して、それぞれ取り分けてもらっているそうです。

「量を決めてしまうよりお腹の具合によってそれぞれお好みの量を召し上がって方が、気負いなく心地良い時間を楽しんでもらえそうですよね。デザートのタイミングでも続けてお酒を飲まれたい方もいらっしゃるので、コーヒーや紅茶以外にデザートワインを用意します。リクエストを伺ってチーズをプラスするなどゲストに寄り添えるのも、ホームパーティの良さだと思います」

華やかなホームパーティを叶える神レシピ3選

今回は、今年のホリデーシーズンに役立つ、手軽にできる華やぎレシピを教えていただきました。

「ゲストを自宅にお招きして上質なおもてなしをしたいけれども、忙しいと長時間かけて準備することはできません。ですから、“1品10分でできて見栄えがよく美味しいこと”が私の料理の基本です。世界中を食べ歩いて研究したレシピをホームパーティで披露すると、あまりに早く仕上がるので友人たちからレシピを教えて欲しいといわれるほど。レストランのようにお洒落で美味しい五感に響くお料理で、ゲストの方々が笑顔になる幸せなホリデーシーズンを過ごしてみませんか?」

【前菜】サーモンとアボカドのタルタル

前菜のサーモンは、テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ ロゼ(2012)とともに CEDRIC DIRADOURIAN

「煌びやかなサーモンタルタルをカラフルなトマトで引き立てた前菜。アボカドとサーモン、柔らかい食材を掛け合わせたところに松の実の食感をアクセントに加えています。ハーブをプラスして、見た目だけでなく香りもプラス。マグロや白身のお魚などでも美味しくできます。事前にプレートに盛り付けてラップをし、冷蔵庫にいれておきましょう」

「サーモンとアボカドのタルタル」レシピ
▪️材料
(約3人分 ※直径10cmの丸型容器1台でつくる場合)※調理時間 7分
・サーモン(さくどり) 200g
・ディル 適量
・松の実 大さじ1
・白だしもしくは蕎麦つゆ 大さじ1
・オリーブオイル 大さじ1/2
・アボカド 半分
・レモン汁 小さじ1
・ミニトマト 7個くらい

▪️つくり方

1. 器(できれば高さ10cm弱の丸いココット皿など)を用意する。サーモンを5mm角に切り、器に入れる。ディルの葉を摘んで入れる(仕上げの飾り用は別にしておく)。
2. 松の実、白だし、オリーブオイルを1.に入れて混ぜる。
3. アボカドをフォークでつぶしてレモン汁とあえ、1.に入れて上からスプーンなどで押す。
4. 3.の器を皿にひっくり返しプリンのように中身を出す。ミニトマトをスライスして周りに飾り、仕上げにディルを飾る。

<ポイント>

容器はココット皿でなくてもOKですが、底が平らな小さめのお皿を使ってください。アボカドを入れたら、スプーンで押して器に隙間がないように詰めると、ひっくり返した時に崩れにくいです。味が薄いと感じたら、お好みで白だしを別の器に入れて添えてください。(白だしを入れすぎると形が崩れやすくなるため、別添えがおすすめです)。ハーブはドライのものや、パセリ、ミックスハーブを使ってもOK。サーモンの代わりに、マグロやほかのお魚でもできます。マグ口を使う場合は、イタリアンパセリ、タイム、ローズマリー、オレガノなどに代えるといいでしょう。

【メイン】仔牛のエスカロップ、ポルチーニソース

メインの仔牛とのペアリングは、シャトー・ローザン・セグラ(2017)を CEDRIC DIRADOURIAN

「クリスマスやちょっとした記念日に必ずつくるおもてなし料理の定番。乾燥ポルチーニと生クリームだけなのに高級レストランのような奥深い味のソースになり、ゲストのみなさんに驚かれます。今回はホリデーシーズンということで仔牛にしました。このソースは豚ヒレ肉や鶏ムネ肉とも好相性なので、お好みに合わせて食材を選んでください」

「仔牛のエスカロップ、ポルチーニソース」レシピ
▪️材料(2人分)
※調理時間10分(ポルチーニを戻す時間は除く)
・乾燥ボルチーニ 15g
・湯 1/2カップ
・生クリーム(乳脂肪分45%以上) 100ml
・塩とコショウ 小さじ1/4
・仔牛 2〜4切れ(120〜150g)
・薄力粉 適量

▪️つくり方

1. ソースをつくる。器にポルチーニと湯を入れて、15分以上おいて戻す。フライパンにオリーブオイル大さじ½(分量外)を入れて、水気を切ったポルチーニを炒める。塩・コショウをふり、戻し汁を入れて、半分ぐらいになるまで煮詰める。生クリームを加えて、さらに半量になるまで煮詰める。味見して味が薄ければ、塩・コショウで味を調える。
2. 肉を手のひらで押して平たくのばし、両面に軽く塩とコショウをし、薄力粉を軽くまぶす(余分な粉ははたいて落とす)。
3. 別のフライパンにオリーブオイル大さじ1(分量外)を入れて強火で熱し、肉を入れ両面をこんがりと焼く。
4. 3のフライパンに1のソースを入れて中火で煮立たせ、肉に絡める。

<ポイント>

乾燥ポルチーニは、旨みが凝縮されているのでソースにコクが出ます。もし手に入らなければ、マッシュルームやマイタケなどで代用してください。生クリームは必ず乳脂肪分45%以上のものを使用すること。脂肪分が少ないものは、煮詰めると分離することがあります。フェットチーネやペンネなどと合わせてパスタソースにしたり、硬めに炊いたごはんとまぜてリソットにしたり。肉の代わり淡白なお味の白身魚にも合います。

【デザート】いちごのティラミス

CEDRIC DIRADOURIAN

「最後に、とっても簡単で華やかなストリベリーティラミスの作り方をご紹介します。クッキングクラスでつくり、板野友美ちゃんが旦那様のバースデーケーキとして披露してくださった人気レシピです。ディナーのデザートに出したら歓声があがること間違いありません。材料を揃えたらすぐできるので、ぜひ作ってみてくださいね」

「ストロベリーティラミス」レシピ
▪️材料(6人分)
※調理時間10分(冷蔵庫で1時間)
・いちご 1パック
・ティラミスクッキー 5〜6本
※スポンジケーキやカステラ、マドレーヌなどでも代用可能
・マスカルポーネ 250g
・牛乳 50cc
・砂糖 大さじ3
・ミント 適量

▪️つくり方

1. いちご6〜8粒をポリ袋にいれて、袋の上から手で潰す。
2. ガラスなどの器に手で3〜4つくらいに折ったティラミス用のフィンガークッキーもしくは、市販の焼き菓子を敷き詰め、潰したいちごとからめる。
3. 室温にしたマスカルポーネをボウルに入れ、牛乳を少しずつ加えてヘラなどで混ぜる。砂糖大さじ3を加えて混ぜる。
4. いちごと絡めたクッキーの上にマスカルポーネクリームを乗せて、冷蔵庫で1時間冷やす。
5. 残りのいちごをスライスして、ティラミスの上に飾って出来上がり。仕上げにミントの葉を飾ると彩がよいです。

<ポイント>

マスカルポーネは、メーカーにより柔らかい場合があるので、その時は牛乳の量を少なめに調節してください。また、硬い時は500Wで10秒ずつ加熱してみてください。クッキーを使う時は必ずティラミス用のフィンガークッキーを使ってください。もしくはおうちで余ったカステラやマドレーヌ、フィナンシェなどをちぎって入れても美味しくできます。潰したいちごソースにジャムやリキュールなどを足して、大人のデザートにしてもgood。このレシピは応用が利くので、年明けに余りがちな黒豆をクリームに加え抹茶パウダーをかけて抹茶ティラミスにしたり、栗きんとんを加えてココアパウダーをかけて栗ティラミスにしたり、様々なアレンジができます。

今回は、杉山絵美さんに、“ご縁を紡ぐ、おもてなしの流儀”を教えていただきました。ぜひ、親しい方を自宅に招くホリデーシーズンの参考にしてみてください。

問い合わせ先
ベルナルド表参道店
TEL/03-6427-4470
URL/www.bernardaud.com/jp/jp

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