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「暖房は我慢しているのに…」冬の電気代爆増!家計を静かに削る「設定ミス」の落とし穴【一級建築士は見た】

  • 2026.1.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「暖房も節約して、こまめに電気を消しているのに、冬になると電気代が跳ね上がります」

そう語るのは、新築2年目のFさん(30代・夫婦+子供2人)。

家電を疑い、エアコンの設定温度を下げて厚着で過ごすなど努力を重ねてきましたが、一向に改善しません。

詳しく明細と暮らしぶりを追っていくと、家計を圧迫していたのは、意外にも静かに外で働く「エコキュート」でした。

エコキュートは、スイッチ一つでお湯が出る便利な存在ですが、その設定や使い方のわずかなズレが、冬場には大きな金額差となって現れます。

エコキュートにとって冬は「もっとも過酷な季節」

なぜ、これほどまでに給湯が電気代に響くのでしょうか。

理由は単純で、冬は水道水の温度が極端に低いため、設定温度(40〜42度など)まで沸かすのに、夏場の数倍のエネルギーが必要だからです。

さらに、浴室や配管が冷え切っているため、お湯が届くまでに熱が逃げる「熱ロス」も大きくなります。

「冬だけ電気代が高い」のは、暮らし方が変わったというより、給湯機が目に見えないところで“冬モードの重い負担”を必死に背負っているサインなのです。

「節約のつもり」が逆効果になる大誤算

Fさんのケースで特に注目すべきは、良かれと思って触った「設定」が逆効果になっていた点です。

「お湯を沸かしすぎるともったいないから」と、夜間の沸き上げ量を少なめに設定したFさん。しかし、冬場は使うお湯の量も増えるため、夕食時にはお湯が足りなくなってしまいました。

その結果、電気代が割高な日中の時間帯に「追加沸き上げ」が頻繁に作動。さらに、冷めたお湯を温め直そうと「追い焚き」を繰り返したことで、効率はどんどん悪化し、結果的に節約する前よりも電気代が膨らんでいたのです。

一級建築士がチェックする「4つの原因」

Fさん宅の状況を整理すると、原因は以下の4つに集約されていました。

  1. モードのミスマッチ:生活リズムと沸き上げタイミングが合っていない。
  2. 湯量設定の不足:少なすぎて、割高な日中の追加沸き上げを招いている。
  3. 追い焚きの多用:家族の入浴時間がバラバラで、お湯が冷え切ってしまう。
  4. 配管の放熱ロス:浴室までの距離が遠く、配管内の残り湯が冷え切り、お湯が出るまでの「捨て湯」が増えてしまう。

これら一つひとつは小さく見えますが、外気温が低い冬場は、これらが積み重なって驚くような金額差になります。

後悔しないための「3ステップ改善術」

家計へのダメージを抑えるために、まずは以下の順番で対策を検討しましょう。

  • ステップ1:使い方の見直し 「入浴時間を家族で寄せる」「浴槽のフタを徹底して閉める」。これだけで追い焚きの回数は劇的に減ります。
  • ステップ2:設定の最適化 「お湯切れ」が起きない程度に夜間の沸き上げ量を確保し、できるだけ日中の稼働を避ける設定にします。
  • ステップ3:物理的な工夫 余裕があれば、露出している配管に保温材を巻くなどの対策も有効です。

設備は「導入」より「運用」が大切

Fさんは「機械は勝手に賢く動くものだと思って、設定は入居時のままでした」と話していました。しかし、どんなに優れた最新設備でも、住む人のライフスタイルと噛み合わなければ、その真価を発揮できません。

「安い深夜電力で沸かす」という基本に立ち返り、今の生活に合った設定になっているかを確認すること。 冬の電気代が跳ね上がったときは、まずエアコンよりも先に「給湯機」を疑ってみる。それが、家計を守るためのもっとも近道かもしれません。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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