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「平時の2倍以上」1月の電気代に絶句。新築で“憧れの設備”を入れた夫婦を襲った“固定費のワナ”【一級建築士は見た】

  • 2026.1.28
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

そう肩を落として話してくれたのは、共働きのDさん(40代女性・夫婦+子ども2人)。

新築時、家族が一年中快適に過ごせるようにと、憧れだった「全館空調」に加え、お風呂場のカビ対策や洗濯に便利な「浴室乾燥」、そして足元から温まる「床暖房」まで導入しました。

ところが、初めての冬を迎えて思わぬ“盲点”に気づきます。光熱費が想像以上に跳ね上がり、毎月の支払いが家計を圧迫し始めたのです。

月額「38,000円」の衝撃

Dさんが絶句したのは、もっとも冷え込みが厳しかった1月の電気代の請求書でした。

  • 春・秋の電気代:約17,000円
  • 1月の電気代:約38,000円

「平時の2倍以上、どこかで漏電しているんじゃないかと本気で疑いました」とDさん。

原因は、複数の暖房設備の「併用」にありました。

全館空調で家全体を24時間温めながら、さらに浴室乾燥機を毎日半日回し、リビングでは床暖房もつけっぱなしにする。一つひとつは便利な設備ですが、これらを同時にフル稼働してしまったことで、家全体が常に膨大なエネルギーを消費し続ける状態になっていたのです。

「冬は暖かくしたいし、洗濯物もカラッと乾かしたい。そう思って良かれとフル稼働させていましたが、まさかこれほど家計に響くとは予想していませんでした」

快適装備が重なると「固定費の沼」に

Dさんは慌てて設定温度を下げたり、稼働時間を短くしたりと工夫を始めました。しかし今度は、せっかく導入した快適性が損なわれてしまいます。

「光熱費を気にして設定を下げるけれど、やっぱり足元が冷えて床暖房を入れてしまう……。何のためにお金をかけて設備を入れたのか分からなくなりました」

この問題の本質は“設備そのものが悪い”わけではありません。 複数の設備がある中で「主役」が決まっておらず、効率的な使い分けのルールが不足していたことにあります。

後悔を防ぐための「3つのチェックポイント」

これから家を建てる方は、設備を増やす前にまず「冬の暮らしの主役」を一つ決めてください。その上で、以下のポイントを確認すると失敗を減らせます。

・どの設備を「メイン」で毎日回す想定か?
全館空調を回すなら、他は「補助」と割り切り、使用ルールを決めておく。

・他の設備は、時間や場所を絞って「部分運用」できるか?
タイマー機能を活用したり、エリア別のON/OFFが容易な機種を選ぶ。

・冬のフル稼働時、家計が回るかシミュレーションしたか?
「ローン返済+冬場の光熱費」という、もっとも厳しい月の支出を想定しておく。

設備は「入れれば入れるほど安心」というわけではありません。 快適さを求めたはずの装備が、暮らしの重荷にならないように。 性能を活かす「使いこなしの計画」こそが、家計と心地よさを両立させる鍵なのです。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。