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結婚を発表した高杉真宙”W主演「再現度すごい」「伏線回収凄かった」今も尚、絶賛の声相次ぐ【8年前ドラマ】

  • 2025.12.25

女優・波瑠との結婚を発表した高杉真宙と、きゃりーぱみゅぱみゅの夫・葉山奨之のダブル主演で、2017年にテレビ東京系で放送されたドラマ『セトウツミ』。此元和津也の同名漫画で、『別冊少年チャンピオン』に連載されていた。此元和津也は、アニメ『オッドタクシー』や2025年10月期のドラマ『シナントロープ』の脚本も手掛けている。

本作は、池松壮亮と菅田将暉がダブル主演で、2016年に映画版が公開されている。映画版では、描かれなかったエピソードが盛り込まれているのが、ドラマ版の見どころだ。今回はそんなドラマ『セトウツミ』のポイントに迫る。

※【ご注意下さい】本記事はネタバレを含みます。

正反対の性格の瀬戸と内海 2人のテンポのいい会話に引き込まれる!

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高杉真宙 (C)SANKEI

本作は、関西の高校生・瀬戸小吉と内海想が河川敷で繰り広げる放課後トークを描いた青春群像劇。河川敷の階段で塾までの時間をつぶしていた内海の元に、ある日、サッカー部を辞め時間を持て余していた瀬戸が現れる。“暇つぶし”という目的で利害関係が一致した2人は、日々、同じ場所でおしゃべりを繰り返すのだった。

ドラマでは、TBS日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』での騎手役が話題となった高杉真宙が内海を、2015年の連続テレビ小説『まれ』でヒロインの弟役を務め、葉山奨之が瀬戸を演じた。

クールで内向的な内海と、パンク風ルックスで明るいが繊細なところもある瀬戸。正反対の性格の2人が、おしゃべりでは意気投合していた。互いにイジリいじられながら、関西弁のワードの強いキレッキレのツッコミと斬新なボケを飛ばしまくる。シュールでテンポのいい会話を繰り広げる2人のやりとりの楽しさが、視聴者にも伝わってくるのが魅力だ。

原作ファンにもおなじみの“ゴリラ先生”(FUJIWARA原西)登場回では、笑いをこらえる2人の様子がとてもリアル。葉山と高杉が醸し出す“セトウツミ”唯一無二の空気感が心地よく、視聴者からも「ずっと見てられる」「正反対な二人組の日常があまりにも楽しくて」「小難しいセリフと独特なテンポを完コピしてるのが尊敬!」「再現度すごい」と反響が寄せられていた。

個性豊かなキャラクターが物語にエッジを加える!

本作では、清原果耶が瀬戸と内海の同学年で、学園マドンナの樫村一期を演じた。瀬戸が好意を寄せる樫村は、実は内海が好きで…。

また、瀬戸を中学時代から知り、彼に好意を持つ1つ下のハツ美を、2026年1月9日スタートのテレビ朝日系ドラマ『探偵さん、リュック開いてますよ』にも出演する片山友希が演じている。ハツ美は短い前髪が特徴で、毒舌かつ饒舌ながらも瀬戸の前では緊張して全く話せない、乙女ながらも大胆不敵なキャラクターだ。本作でも、強烈なインパクトを残し樫村と、恋する乙女同士の辛口でユニークな女子トークを繰り広げている。

また、瀬戸のクラスメート・田中真二を『ちはやふる』シリーズにも出演する森永悠希が演じた。左右対称な名前と髪型が、センター分けであるがゆえに“公平そう”という“瀬戸”理論で、瀬戸と内海の対決で審判を務めることが多い。我が強めでツッコミどころが多いが母思いの愛らしいキャラクターでもある、そんな彼のエピソードもクスッと笑えて楽しい。

瀬戸と内海の関係が始まり、互いの存在感が増していくなかで、彼らを取り巻く人々が自然と輪を成していく。登場人物たちが織りなす愉快な“ケミストリー”も魅力の一つだ。

平和な空気が一変 終盤の展開が激アツ!

サッカー部を辞めるも、心残りが見え隠れする瀬戸は、とても家族思いな一面をもつ。一方で、学校で人と関わろうとせず、家庭では闇を抱える内海。樫村とハツ美の会話の中で、2人の“孤独”について言及するシーンがある。お互いに本音を言えないこともないが、不必要なことは言わない、そんな関係だった。

そんなある日、瀬戸の前に内海の姉・優(谷村美月)が現れる。優から、内海が家で冷遇されていることを、瀬戸とハツ美が聞く。その話を聞いた瀬戸は、「周りからみたら異常です。取り返しのつかないことになりますよ」と優に警告し、ハツ美も激怒するのだった。その後、瀬戸は樫村に“恋文”を書きたいと、自分が言った言葉を内海に和歌のような口調で言い直してもらう。内海の言葉をメモした瀬戸は、「清書してほしい」とその回りくどい言葉のメモを内海に渡したのだった。しかし、ひょんなことから2人は喧嘩別れをしてしまう。それは、内海が自身の計画を実行するために、あえて取った行動だった。

終盤、内海の抱えている闇と、姉の誕生日に実行しようとしていた両親の殺害計画が明かされ、物語は急変。それまでの平和な会話劇が一気に緊張感に包まれる。瀬戸と内海が過ごした何気ない日々がどのように着地するのかも、本作のポイントといえるだろう。視聴者からもこの展開に「泣けました」「まさかこんなに感情揺さぶられるとは思わなかった」「伏線回収凄かった」と反響が集まっていた。

また、各話のエピローグも盛り込まれ、エンドロールまで楽しめる。さらに、坂東龍汰、若葉竜也、山田杏奈、笠松将、吉村界人らも登場し、江口のりこも声で出演。ドラマのいたるところに視聴者の心を動かす要素が盛り込まれ、作り手の作品愛を感じずにはいられない。

すでにドラマ放送から約8年経つが、「面白いけど、リアルな葛藤とか苦しさとかもあってすごくよかった」「無駄に思える瞬間からしか得られない癒しってあると思う」「ずっとM1見てる気分」など、今なおコメントが届く本作。多くのファンを呼ぶ、その魅力にぜひ触れてみてほしい。


ライター:小松加奈
ライター/編集者。音楽・映画・ドラマ・アニメなどのエンタメ系を中心にインタビュー/レビュー/コラム記事などを手掛ける。

※記事内の情報は執筆時点の情報です