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『自炊すると節約になる』は間違いだった。お金のプロが明かす、外食だけで「お金が貯まる人」の共通点とは?

  • 2026.1.26
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出典元;photoAC(※画像はイメージです)

「節約=自炊」の常識を信じて、無理に料理をしていませんか? 実は、冷蔵庫で食材を腐らせたり、珍しい調味料を使い残したりしているなら、その努力が逆に家計を圧迫しているかもしれません。

FPの相談現場では、「思い切って自炊をやめたら黒字になった」というケースが意外と多いのです。一体なぜでしょうか?

今回はFPの石坂貴史さんにインタビュー。「自炊でコストが膨らむ人の特徴」や「外食・中食に切り替えるべきライフスタイルの境界線」、そして外食中心でもお金が貯まる「店選びのルール」について解説していただきました。無理な自炊はもう卒業しましょう。

「自炊で赤字」はなぜ起きる? 食材廃棄と調味料ロスが生む隠れコスト

---一般的に『自炊は安上がり』と言われますが、相談に来る方の中で、逆に『自炊をやめたら黒字になった』というケースは実在しますか? その場合、彼らは自炊のどのような点(例:調味料のロス、水道光熱費、ついで買いなど)でコストを膨らませてしまっていたのでしょうか?

石坂貴史さん:

「はい、相談に来る方で実際に存在します。家計相談の現場では、「節約のために自炊を続けていたが、やめたことで結果的に家計が黒字に転じた」というケースは珍しくありません。この場合、問題だったのは自炊そのものではなく、自炊に伴って発生していた見えにくいコストです。

特に多いのが「食材の廃棄」です。安売りやまとめ買いを優先して、使い道を決めないまま購入した結果、野菜や肉を使い切れずに捨ててしまうといった事例は多いです。これは家計簿には支出として意識されにくいものの、実際には、食費を確実に押し上げています。

また、レシピごとに調味料を買い足して、ほとんど使わないまま期限切れになる例も多く見られます。さらに、水道代やガス代、電気代といった光熱費も見逃せません。調理によっては、強火の活用や長時間のガス・電気使用があります。この増えた分を積み上げると、自炊1回あたりの実質的なコストは、本人の想定より高くなりがちです。

調理や後片付けにかかる時間も負担となり、疲れやストレスから別の無駄遣いにつながることもあります。状況によって中食や外食に切り替えることで、こうしたロスが同時に減り、生活全体の支出管理がシンプルになるといえます。」

一人暮らしは外食が正解? 「自炊をやめて得する人」の意外な境界線

---外食・中食に切り替えて得をする人と、やはり自炊すべき人の『境界線』はどこにありますか? 例えば、一人暮らしかファミリーか、あるいは残業が多い職種かなど、自分のライフスタイルが『外食派』に向いているかを判断するチェックポイントを教えてください。

石坂貴史さん:

「外食や中食に向いているか、自炊を続けるべきかの境界線は、料理の上手さや節約意識の高さだけでは判断できません。大切なのは、日々の生活リズムと家計を無理なく管理できるかどうかです。一人暮らしで帰宅時間が遅い人や、残業や移動が多く平日に時間の余裕がない人は、自炊を前提にすると無理が生じやすくなります。

献立を考えて、買い物をし、調理をするという一連の流れが負担となり、その結果、食材ロスが増えたり、疲れから予定外の外食を重ねたりする傾向があります。こうした状態では、自炊が節約にならず、むしろ支出を不安定にしてしまいます。

一方で、家族世帯や在宅時間が長い人は、まとめて作る、同じ食材を複数日に分けて使うといった工夫がしやすく、自炊の効率を高めやすい環境にあります。判断の目安として有効なのは、平日の食事準備が「考えなくても回っているかどうか」です。

毎回「今日は何を作るか」「買い物に行く余裕があるか」と悩んでいる場合、その人にとって自炊は節約手段ではなく、管理負担になっています。逆に、食事の準備が生活の流れに自然に組み込まれている人は、自炊を続けた方が家計は安定しやすいと言えます。ポイントとしては、支出額だけでなく「続けやすさ」という視点で判断することです。」

外食中心でもお金は貯まる。黒字家計が守る「店選びと予算」の鉄則

---外食やコンビニ飯を増やすといっても、高級店に通っては本末転倒です。黒字家計に転じた人たちが実践している『店選びの基準』や『予算の守り方』に共通点はありますか?(例:定食屋の回数券活用、スーパーの半額惣菜狙い、栄養バランスの補い方など)

石坂貴史さん:

「黒字家計に転じた人たちに共通しているのは、外食を特別な「ぜいたく」として考えていない点です。外食を「たまのご褒美」ではなく、毎日の食費の一部として扱い、あらかじめ使う店と金額の目安を決めています。ここが曖昧だと、その日の気分や空腹に任せて店を選びやすく、支出が膨らみがちになります。

実際に黒字化した人ほど、行く店の数は多くありません。価格が安定している定食屋や社員食堂のような店、スーパーの惣菜などを中心に使い、1食あたりの上限を超えないよう意識しています。また、回数券やポイント制度を使い、外食費を月単位で把握できる形にしている人も多く見られます。これにより、「今月どれくらい使っているか」が感覚ではなく、数字で分かり、使い過ぎを防ぎやすくなります。

栄養についても、毎食完璧を目指しているわけではありません。数日くらいのまとまりで全体のバランスが取れていれば、問題ないと考えます。そのうえで、不足しそうな栄養があれば、別の日に意識して補うように無理のない形で調整しています。

大切なのは、迷わず選べる状態を作ることです。毎回どこで食べるかを考えるほど、無意識に「今日くらいは良いか」と高い選択をしやすくなります。使う店と予算を決めておくことで、外食中心でも支出を安定させて、無理なく黒字を続けることができるでしょう。」

「自炊=善」ではない。続けられる方法こそが最強の節約術

「料理が苦手でも、節約のためにやらなきゃ」という思い込みが、かえって浪費を招くことがあります。

石坂さんの解説によるポイントは以下の3点です。

  1. 隠れコストを疑う:食材ロスや光熱費、ストレスによる浪費を含めると、自炊の方が高つく場合があります。
  2. 無理ならやめる:多忙な一人暮らしなど、管理が負担になるなら外食・中食への切り替えが正解です。
  3. 迷わない仕組みを作る:外食にするなら「店と予算」を固定化し、日常の一部として管理しましょう。

大切なのは「自炊するかどうか」ではなく、「無理なく予算内に収まるか」です。自分のライフスタイルに合った食事スタイルを選ぶことが、黒字家計への近道となります。


監修者:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。