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「最優先で見直すべき」お金のプロが指摘。実は『電気代』を上げている…照明やテレビより注意したい「3つの家電」

  • 2026.1.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「電気代を安くするために、誰もいない部屋の電気はすぐに消す」「テレビのつけっぱなしは厳しく注意している」

そうやって毎日必死に節約しているのに、なぜか電気代が下がらない……。そんな徒労感を感じていませんか?

実のところ、家庭の消費電力全体で見ると、照明やテレビが占める割合は意外なほど低く、そこに労力を割いても劇的な効果は得られにくいのが現実です。

では、本当にメスを入れるべき家電はどこに潜んでいるのでしょうか?

今回は、金融機関の現役マネージャーであり、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の中川佳人さんにインタビュー。「家庭の電気代の半分以上を占める3つの家電」や「年間数千円の差が出る“保温”の罠」、そして我慢せずに固定費を下げる「仕組み化」のコツについて、プロの視点から解説していただきました。

電気代の半分以上を占める“3大ボス(エアコン・冷蔵庫・給湯)”を攻略

---多くの人が「こまめに電気を消さなきゃ」と照明やテレビに必死になりますが、家庭の消費電力全体を見た時、これらは優先順位として何番目くらいなのでしょうか? まず最初に見直すべき「3大ボス(家電)」を教えてください。

中川 佳人さん:

「家庭の電気代を下げたいと思うと、つい照明やテレビのスイッチに神経を使ってしまいがちですが、消費電力全体で見ると、これらは優先順位の上位ではありません。

家庭で最優先に見直すべき家電は、エアコン、冷蔵庫、給湯の三つです。これらはいわば電気代の『3大ボス』で、世帯によって差はあるものの、この三つだけで家庭全体の電力消費の半分以上を占めるケースが少なくありません。

理由は単純で、稼働時間が長く、使うエネルギー量が大きいからです。照明は季節にもよりますが、消費電力量の順位としてはおおむね2〜4番目、テレビは4〜7番目程度になります。

毎日こまめに消しても、労力の割に節電効果が限定的になりやすいのが実情です。

具体的に見ると、夏場はエアコンが消費電力の多くを占め、次いで照明、冷蔵庫、テレビが続きます。一方、冬場はエアコン、冷蔵庫、給湯が上位を占め、照明やテレビの順位はさらに下がります。特にエアコンは、フィルター掃除や室外機まわりの整理といった基本的なメンテナンスだけで、消費電力量が大きく改善することも確認されています。

こうした点を踏まえると、心理的な負担が大きい細かな節電よりも、まずは電力消費の大きな家電から順番に見直すことが、無理なく電気代を下げる近道と言えるでしょう。」

便座のフタが開いているだけで1000円の損?

---意外と知られていない「電気代を押し上げている家電」について教えてください。例えば「温水洗浄便座のフタが開けっ放し」や「炊飯器の保温機能」は、年間でどれくらいの損失になるのでしょうか?

中川 佳人さん:

「電気代を押し上げている原因は、大型家電だけとは限りません。

意外と見落とされがちなのが、温水洗浄便座や炊飯器、電気ポットといった『常に熱を保つ家電』です。これらは一回あたりの消費電力が小さく見えますが、長時間稼働を続けることで、年間では一定の差が生じやすい点に特徴があります。

理由は、使っていない時間帯でも再加熱を繰り返しているからです。たとえば温水洗浄便座は、フタを開けたままにするだけで、便座を温め直すための余計な電力が消費されてしまいます。この小さな習慣を見直すことが、年間の電気代を抑える上で無視できないポイントになります。

炊飯器の保温機能も同様です。1日数時間の保温を毎日続けると、保温せずにプラグを抜いた場合と比べて、年間で1,000円以上の差が生じます。

電気ポットも代表的な一例です。常時保温を続けると年間で数千円規模になることがあり、これらを合算すると、家庭によっては年間で6,000円から7,000円程度が、気づかないうちに積み上がっているケースもあります。こうした無意識の電力消費を見直すことは、生活の快適さを保ったまま取り組める、効率の良い節電対策と言えます。」

フィルター掃除と設定変更だけで終わる「自動化節電」のススメ

---毎日こまめにスイッチを消すのは疲れます。一度設定を変えるだけで、あとは何もしなくても勝手に電気代が下がる「魔法の設定」や「メンテナンス(フィルター掃除など)」があれば教えてください。

中川 佳人さん:

「毎日スイッチを気にする節電は、どうしても疲れてしまいます。その点、一度設定や環境を整えるだけで効果が続く方法は、忙しい家庭ほど取り入れる価値があります。ポイントは、消費電力の大きい家電に対して『設定の最適化』と『最低限のメンテナンス』を行うことです。

家庭の電力消費の多くは、エアコンや冷蔵庫、給湯といった主要家電が占めています。ここを一度見直してしまえば、その後は特別な努力をしなくても、自然と電気代が抑えられる状態を作ることができます。

たとえばエアコンは、フィルター掃除をするだけでも運転効率が上がり、無駄な電力消費を減らせます。さらに室外機の周囲に物を置かず、風通しを確保することで、効果が安定しやすくなります。冷蔵庫も、設定温度を必要以上に低くしないことや、壁との間隔を適切に取るだけで、節電につながります。

温水洗浄便座は、温度設定を一段階下げ、使わない時間帯にフタを閉めるだけで十分です。電気ポットも、常時保温をやめるだけで電気の消費が変わります。
頑張り続ける節電ではなく、仕組みで電気代を下げる工夫を取り入れることで、家計管理の負担を増やすことなく、無理のない家計改善につなげていきましょう。」

節電は「我慢」ではなく「メンテナンス」。大きな穴から塞ぐのが鉄則

「節電=暗い・暑い・辛い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、中川さんの解説によれば、本当に効果的なのは「家電の管理」であることがわかります。

今回のポイントを整理すると、以下の3点です。

  1. 「3大ボス」を最優先に エアコン、冷蔵庫、給湯。この3つだけで家庭の電力の過半数を占めます。照明を気にする前に、まずここの使い方を見直しましょう。
  2. 「熱」を逃がさない 便座のフタを閉める、炊飯器の保温時間を減らす。これだけで年間数千円の節約になります。「熱を作る・保つ」ことにはお金がかかると心得ましょう。
  3. 「掃除」が最大の節約 エアコンのフィルター掃除や室外機周りの片付けは、どんな裏技よりも確実に燃費を良くします。

今日から家族に「電気消して!」と怒るのをやめて、代わりにエアコンのフィルターを掃除したり、冷蔵庫の設定温度を確認したりしてみてはいかがでしょうか。その方が家庭の雰囲気も良くなり、電気代も確実に下がるはずです。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。