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「窃盗で最も狙われやすい」元警察官が警告。犯人の標的になりやすい「マンションの階数と部屋」の特徴とは?

  • 2026.1.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

マンションの防犯対策について、多くの人が「高層階なら安心」と考えがちですが、本当にそうなのでしょうか?1階が狙われやすいのは確かですが、実は2階以上でも侵入のリスクは存在します。犯人は階数そのものよりも「入りやすさ」や「人目につきにくさ」を重視しているため、場所や構造次第でどの階でも狙われることがあるのです。この記事では、階数にとらわれないマンションの防犯ポイントを、防犯インフルエンサーのりょうせいさんに詳しく伺いました。読者の皆さんが安全な暮らしを実現するためのヒントをお伝えします。

なぜ1階が狙われやすく、高層階は狙われにくいのか?

---一般的に「1階」が危ないというイメージは浸透していますが、プロの窃盗犯があえて「2階」や「最上階」をターゲットにする具体的な理由は何でしょうか? 配管の配置や足場の有無など、彼らが下見の段階でチェックしている「建物の構造的欠陥」について教えてください。

りょうせいさん:

「一般的に、侵入窃盗で最も狙われやすいのは1階です。地上から直接侵入でき、逃走もしやすいため、犯人にとってリスクが低いからです。一方で、高階層は転落の危険や、発見された場合に逃げ場が限られることから、優先度が下がるのも事実です。

ただし、「2階以上だから安全」とは限りません。犯人は階数そのものではなく、「侵入できるか」「人目につかないか」を重視します。例えば、雨どいや配管を足場にできる構造、隣接する建物や駐車場の屋根から移動できる環境があれば、2階以上でも侵入は十分可能です。

また、高階層は住人や通行人の視線が届きにくく、ベランダでの不審な動きが外から見えにくい場合もあります。警察官として現場を見てきた経験でも、一見して侵入が難しそうな立地や階層でも、周囲の環境次第で階層に関係なく狙われていました。重要なのは、階数ではなく、犯人から見て『入りやすく、気付かれにくい条件がそろっているかどうか』です。」

2階以上でも安全とは限らない!犯人は何を基準に狙うのか?

---「オートロックがあるから玄関の鍵さえ閉めておけば大丈夫」と考えている住人が多いですが、元警察官の視点から見て、オートロックはどの程度の防犯効果があると考えますか? 住人の後ろについて入る「共連れ」以外に、意外と知られていないマンション内への侵入ルートがあれば教えてください。

りょうせいさん:

「オートロックは、部外者の侵入を物理的に防ぐ仕組みとして、防犯面では非常に有効です。実際、無施錠の集合住宅と比べると、侵入のハードルは大きく上がり、物件選びの際に重視すべきポイントであることは間違いありません。

ただし、その効果は住人一人ひとりの使い方によって大きく左右されます。代表的なのが、住人の後ろについて入る「共連れ」です。悪意がなくてもドアを開けた瞬間に一緒に入れてしまうことで、本来の防犯機能は簡単に失われてしまいます。
また近年は、宅配業者が建物内に出入りする光景が日常化しており、制服や荷物を装うことで違和感なく侵入できてしまう環境も生まれています。警察官として現場を見てきた経験でも、宅配業者を装ってマンション内に入り、下見や犯行につながるケースは決して珍しくありませんでした。

オートロックは、どこか一部屋でも解錠されてしまえば、建物内を自由に動けてしまう構造です。だからこそ、『設備があるから安心』ではなく、『どう使うか』が防犯効果を左右すると言えるでしょう。」

オートロックは万能ではない?正しい使い方で防犯効果を最大化するには

---階層や部屋の位置は今さら変えられませんが、既存の部屋でできる対策はありますか? 補助錠の追加や窓ガラスへのフィルムなど、グッズによる対策だけでなく、「洗濯物の干し方」や「カーテンの閉め方」など、外から見た時に「この部屋は隙がない(入りたくない)」と思わせる生活習慣のポイントを教えてください。

りょうせいさん:

「マンションは、オートロックや防犯カメラ、管理人の常駐など、住むだけで一定水準の防犯環境が整っている住居形態です。これは戸建てと比べても大きな強みであり、正しく活用すれば高い防犯効果が期待できます。

ただし、その効果を最大限に活かせるかどうかは、住人一人ひとりの意識に大きく左右されます。例えば、エントランスで鍵を探すのではなく、あらかじめ手に持って入館するだけでも、不審者に隙を見せにくくなります。エレベーターでは、不安を感じる相手と無理に同乗しない判断も重要です。

また、洗濯物の干し方やカーテンの使い方にも注意が必要です。下着類は室内干しを基本とし、生活リズムや居住者の属性が外から分かるような情報はできるだけ表に出さないことが大切です。カーテンも時間帯に応じて開け閉めしつつ、在室時でもレースカーテンを閉めて外から室内が見えない状態を保つことで、防犯性は高まります。
こうした小さな意識の積み重ねによって、マンション本来のセキュリティは2倍、3倍と活きてくるのです。この意識は、階層に関わらず全ての居住者の方に備えていただきたいです。」

マンション生活の防犯意識があなたの安全を守る

マンションはオートロック、防犯カメラ、管理人の常駐など、戸建てと比べて高い防犯環境が整っています。しかし、その効果を最大限に引き出せるかは、住人一人ひとりの意識にかかっています。例えば、エントランスでは鍵をすぐ出して入館したり、不審に感じる人物とエレベーターで同乗しない判断をするだけでも、不審者に隙を見せにくくなります。また、洗濯物の干し方やカーテンの使い方もポイントです。下着類は室内干しを基本とし、生活リズムや居住者の属性が外から分かるような情報は控えましょう。カーテンも時間帯に応じて開け閉めし、在室時でもレースカーテンを閉めて外から見えにくい状態に保つことで防犯性が高まります。こうした小さな意識の積み重ねによって、マンションのセキュリティは2倍、3倍と生きてきます。階層に関わらず、全ての居住者が備えるべき意識と言えるでしょう。


監修者:防犯インフルエンサー りょうせい(りょうせい 元生活安全課

元警察官(警察歴10年)。生活安全課で行方不明やDVなどの人身事案を担当し、防犯の広報や啓発活動にも携わる。現在は防犯アドバイザーとして活動し、Xや音声配信(StandFM)を通じて、日常生活に取り入れやすい防犯の工夫を発信している。