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「絶対に関わらないように」政府が“異例の注意喚起”…→「これは詐欺」弁護士が指摘する、“投資詐欺”の決定的サインとは?

  • 2026.1.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

高齢者を対象とした投資詐欺は、かつての電話勧誘から大きく様変わりし、今やSNSやネット広告を駆使した巧妙な手口が横行しています。

2026年1月2日には、政府広報オンライン(@gov_online)が、「高齢者を狙った投資詐欺」に関する注意喚起を行い、「絶対に関わらないようにしてください。」と強く呼びかけました。

どうして被害が増えているのか?見た目には信頼できそうな詐欺に、なぜ多くの高齢者が騙されてしまうのか…。

そんな疑問に対して、最新の詐欺の特徴や危険なポイント、被害を防ぐための具体策を、アディーレ法律事務所 島田さくら 弁護士に詳しく伺いました。

最新の高齢者向け投資詐欺はどのように変わっている?

---最近の高齢者を狙った投資詐欺において、昔ながらの電話勧誘と比べて、SNSやネット広告を悪用した手口にはどのような特徴や変化が見られますか? また、なぜ多くの人が『自分は大丈夫』と思っていても騙されてしまうのでしょうか?

島田さくら 弁護士(東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所:

最近の高齢者向け投資詐欺は、昔のように電話で「儲かりますよ」と勧誘するやり方から、SNSやネット広告を使った手口に大きく変わってきています。

今の詐欺広告はとても巧妙で、見た目がきちんとしていて信頼できそうに見えるのが特徴です。たとえば、投資の仕組みをわかりやすく説明しているように見えるページや、「この人はこんなに儲かった」という体験談を載せて、安心感を与えます。こうして「このサイトなら大丈夫だろう」と思わせ、詐欺サイトや個別のメッセージのやり取りに誘導していくのです。

特にSNS型の詐欺では、有名な芸能人や経済の専門家の写真を勝手に使ったり、偽の動画まで作って信用させるケースがあります。テレビで見たことがある人の顔が出ていると、つい信じてしまう人が多いのです。
高齢になると、どうしても判断力が落ちることがありますが、本人は「自分は経験があるから大丈夫」と思ってしまいがちです。詐欺師はその心理をよく知っていて、専門用語や複雑な仕組みを説明しながら「もちろん理解できますよね?」と話を進めます。そして「今だけ」「早くしないと損をする」と急がせて、冷静に考える時間を奪います。

結果として、高齢者は「わからない」「待ってほしい」と言えず、気づけば大切な老後資金を預けてしまうのです。こうした詐欺は年々巧妙になっているため、「自分は大丈夫」と思っている人ほど危険です。少しでも不安を感じたら、すぐに家族や専門機関に相談することが何より大切です。

投資詐欺を見抜くためのポイントは?

---『怪しいと思ったら相談を』とよく言われますが、具体的に『この言葉が出たら詐欺』『ここにお金を振り込ませようとしたらクロ』といった、法的に見ても決定的な判断基準(レッドカード)はどこになりますか?

島田さくら 弁護士(東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所:

「元本保証」「絶対に損はしない」「必ず儲かる」という言葉が出たら、詐欺だと思ってください。

日本の法律では、元本保証をうたって不特定多数からお金を集めることや、将来の利益について断定的に説明して勧誘することは禁止されています。国債など一部の商品を除いて、元本保証は基本的にありえません。しかも、国債でさえ、日本政府が絶対に債務不履行を起こさないとは言えないため、銀行などでは「元本保証ではない」と説明しています。

さらに注意すべきなのは、「元本保証」に加えて「高利回り」という言葉が出てきた場合です。リスクが少ない商品は、当然リターンも小さいものです。元本保証と高利回りがセットになっている時点で、確実に詐欺です。絶対にお金を渡してはいけません。
また、振込先が海外の口座や個人名義の口座である場合も、詐欺の可能性が非常に高いです。正規の金融機関や証券会社であれば、法人名義の口座を使うのが当たり前です。
少しでも「おかしいな」と思ったら、振り込む前に必ず家族や警察、消費者センターに相談してください。
さらに、金融商品を扱う正規業者は、必ず金融庁の登録を受けています。登録されている業者の一覧はインターネットで公開されているので、取引前に必ず確認しましょう。こうした基本的なチェックをするだけで、詐欺を防げる可能性は大きく高まります。

被害にあった場合の対処法や普段から気をつけることは?

---もし被害に遭ってしまった場合、法的な手続きで騙し取られたお金が戻ってくる可能性は現実的にどの程度あるのでしょうか? また、被害を未然に防ぐために、家族や周囲ができるもっとも有効な対策は何ですか?

島田さくら 弁護士(東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所:

詐欺の被害にあった場合、法律を使って手続きをしても、お金が全部戻ってくる可能性は残念ながら低いです。相手が日本国内にいて、名前や住所などがわかっている場合は、裁判などで返金を求めることはできます。しかし、実際には相手にお金がなければ、判決を取っても返してもらえません。さらに、海外に送金してしまった場合や、詐欺師の身元がわからない場合は、裁判を起こすこと自体が難しくなります。

もし振り込んだ直後に「詐欺だ」と気づいたら、すぐに警察と振込先の銀行に連絡してください。詐欺師が口座からお金を引き出す前に、銀行に引き出しを止めてもらうことができれば、被害を減らせる可能性があります。時間との勝負なので、迷わず行動することが大切です。

被害を防ぐためには、やはり家族や周囲とのコミュニケーションが重要です。最近は一人暮らしの高齢者も増えているので、家族から「こういう詐欺が流行っているらしいから気をつけてね」「大きなお金を動かすときは必ず相談してね」と声をかけておくと安心です。こうした声かけで、何かあったときに相談しやすい雰囲気を作ることができます。
また、警察庁や金融庁のホームページでは、最新の詐欺の手口や相談窓口がわかりやすく紹介されています。家族で一緒に確認しておくと、いざというときにすぐ対応できます。詐欺は「自分は大丈夫」と思っている人ほど危険です。情報を共有し、相談しやすい環境を整えることが、最大の防止策になります。

家族で情報を共有し、冷静に対処することが被害防止の鍵

近年の高齢者向け投資詐欺は、ネットやSNSを利用した巧妙な手口が増え、被害はますます深刻になっています。見た目が信頼感を与え、専門的な言葉を使って安心させる詐欺は、「自分は大丈夫」という心理を巧みに突いてきます。大切なのは、「元本保証」や「絶対儲かる」といった言葉にすぐ反応せず、振込先の口座名義や業者の金融庁登録を必ずチェックすることです。

さらに、被害にあった際は速やかに警察や銀行に連絡し、被害拡大を防ぐこと。普段から家族で最新の詐欺情報を共有し、大きな金銭の動きがある際は必ず相談できる環境を作ることが、最大の防止策となります。冷静な判断と周囲との連携が、資産を守る大きな力になるのです。


監修者:島田さくら 弁護士(東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所

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島田さくら 弁護士(東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所

退職代行、不当解雇、パワハラなどの労働問題全般に精通。在日ASEAN加盟国大使館の領事担当官に対し、民間の法律事務所初となる労働法講演を行った実績を持つ。TVやラジオ、雑誌などメディアの出演歴も長く、幅広い分野への対応力にも定評がある。 アディーレ法律事務所は、依頼者が費用の負担で相談をためらわないよう、弁護士費用で損をさせない保証制度(保証事務所)を導入しています。「何もしない」から「弁護士に相談する」社会を目指しています。

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