iPhoneの「標準アプリ」消しても問題ない？→「意外なところで影響が出る」ガジェットのプロが指摘。“削除”するリスクとは？

2025.12.27

iPhoneに初めから入っているアプリ、不要だからといって気軽に削除していませんか？

「削除すればストレージがすっきりする」「バッテリー持ちが良くなるかも」と期待する声もありますが、実は他のデバイスや便利機能への影響は少なくありません。

どんなリスクがあるのか、また、削除した後にどう対応すればいいのか、経験者や初心者問わず気になるポイントです。

この記事では、iPhoneの標準アプリにまつわる誤解や注意点を、ガジェットのプロに詳しく伺いました。正しい使い方のヒントをお伝えします。

iPhoneの標準アプリを削除するリスクとは？

---『使わないから』といって安易に削除すると、思わぬ不便を強いられるアプリはありますか？例えば『マップ』を消すとSiriでナビができなくなる、『天気』を消すとApple Watchに表示されなくなるなど、初心者が見落としがちな『システム連携の罠』について教えてください。

ヒロさん：

「iPhoneに標準搭載されているアプリを安易に削除すると、意外なところで影響が出るケースは多いでしょう。

アプリを削除すると、他のデバイスや普段利用している便利機能に影響が出たりします。例えばマップアプリを消すとApple CarPlayでマップが使えなくなったりするので、車での移動に影響が出るでしょうし、Siriによるナビを受けられなくなったりします。

また、天気アプリを消すとApple Watchで天気の確認ができなくなり、天気予報の情報も見れなくなります。

そしてiPhoneのヘルスケアのアプリを削除すると、Apple Watchとの連携もできなくなります。Apple製品同士のシステム連携機能は確かに便利で、MacやiPadなどの他のApple製品間と連携して使えるのは重宝しますが、初心者の方は安易にアプリを削除するリスクを認識することは必要かなと思います。

ちなみにiPhoneの標準アプリの中には、アプリの削除ができないものもあります。電話アプリやApp Storeアプリは基本的に削除はできません。アプリを見直す時には、これまで一度も使用していないアプリを削除するのはあまり影響は出ないと思いますが、必要性が高そうなアプリまで削除するのはどうかなと思います。」

ストレージ容量やバッテリー持ちへの影響は？

---標準アプリを削除すれば、iPhoneのストレージ容量やバッテリー持ちは劇的に改善するのでしょうか？それとも、標準アプリは容量が小さいため『気休め』程度なのでしょうか？また、『ボイスメモ』や『メモ』などを削除した際、中のデータ（録音や文章）はどうなるのか、iCloud同期との関係も含めて教えてください。

ヒロさん：

「使用しているiPhoneのストレージ容量や機種によって多少変わってくると思いますが、iPhoneの標準アプリを削除しても、ストレージ容量は劇的に改善するという感じではないでしょう。

iPhoneの標準アプリはあまりデータ量は大きくないので、ストレージへの影響はあまりないのかなと。そしてバッテリー持ちに関しては、アプリを消せばそれらのデータ更新などの通信は止めることはできますが、これもバッテリー持ちに大きく影響があるとは言えないでしょう。

アプリをiPhoneに再インストールした場合には、iPhoneに負荷がかかるのでバッテリーの消費に影響はあります。

また、ボイスメモやApple純正メモなどのアプリを削除した場合のデータですが、iCloudを同期しているかで変わってきます。同期がオンだった場合は、Appleのクラウド上でアップロードされデータが保存されるので、サーバー側にはデータが残ります。なので、アプリを再インストールすればiPhoneにも同期が後にされるようになります。

一方でiCloudの同期をしていないと、基本iPhoneの本体にデータが存在することになるので、データが消える可能性があります。そうなるとiCloudバックアップや他のデバイスからバックアップから復元させることになります。」

削除後の再インストールや非表示設定の活用法

---一度削除してしまった標準アプリを、最も簡単に元に戻す（再インストールする）方法を教えてください。また、完全に削除しなくても、『ホーム画面からは消すが、Appライブラリには残す』という“隠す”機能を使う方が安全なケースはどのような人でしょうか？

ヒロさん：

「iPhoneに搭載している標準アプリを一度削除しても、Apple純正のアプリはApp Storeなどの購入済みリストから再インストールをすることが可能です。

ちなみに、比較的新しい機種ならばアプリを再インストールすることは可能ですが、かなり古い機種だと再インストールできない場合があるので注意が必要です。

またApp Storeからアプリを検索することも可能ですが、マイアカウントボタンからアプリボタンを選択して「このiPhone上にない」という項目からアプリを選択して再インストールするのが、比較的簡単にできる方法です。

ホーム画面からは消すが、Appライブラリに残すという場合は、自身の個人情報が関わるようなアプリを使っている場合には有効的だと思いますし、ホーム画面には表示されないけれども、アプリ自体は使用することはできます。

完全に削除する訳でないのでデータも残ります。そのアプリを使っていることをあまり他人に知られたくない場合や、頻繁に使う訳ではないけれどiPhoneに残しておきたいアプリである場合は、Appライブラリに残す機能を使った方がデータ自体は残ってアプリの使用ができるので良いでしょう。」

標準アプリ削除は慎重に。再インストールや非表示機能も賢く利用を

iPhoneの標準アプリは一見不要に感じても、削除に伴い他のApple製品との連携機能に支障が出ることが少なくありません。

またストレージ容量の空きやバッテリー持ちの改善はさほど期待できず、むしろデータの同期状況によっては大切な情報を失うリスクもあります。

ですが、不要なアプリを全てホーム画面から消しつつAppライブラリに残す方法もあり、必要に応じて再インストールも可能なので、完全削除は慎重に判断しましょう。これらを踏まえ、自分の使い方や必要性を見極めて賢くiPhoneを管理することが、快適なデジタルライフにつながります。

監修者：ヒロ
ガジェットブロガー、Webライター。東京都出身東京都在住。2021年よりApple製品などを中心とするガジェットやゲーム、PC周辺機器や通信回線などをテーマに関するブログを運営。継続的に更新を続けてブログ記事公開数は250を超える。noteも2024年9月よりコンスタントに投稿している。iPhoneやiPadなどの多くのスマホやタブレット端末の使用経験あり。カメラやゲームなどのガジェットやスポーツ観戦にも興味があり趣味にしている。ブログやnoteでは商品やサービスの特徴やメリットデメリットなどを分かりやすく、読者の方にとって有益に感じられる記事作りを心がけている。