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祝・20周年!福岡を代表する劇団“ガラパ”の真骨頂コメディ「西のメリーゴーランド」

  • 2025.12.18

福岡を拠点に活動する劇団「万能グローブ ガラパゴスダイナモス」が結成20周年を迎えるにあたり、記念公演「西のメリーゴーランド」が開催されます。12月13日に、そのプレビュー公演が福岡市民ホール小ホールで行われました。

祖父の通夜に集まった家族たち。その中に紛れ込んでいたのは、生まれ変わりを斡旋すると謳う業者。 いつのまにかこの世とあの世の間に迷い込み、残された時間はわずか。ばらばらだった家族が家族でいられる時間はあとわずか。 それぞれが、残された時間を悔いを残さずに過ごそうと…役者さんもあっちへこっちへとドタバタ忙しいのですが、観ている方も笑って泣いて考えさせられて…と感情が忙しくなる、なかなか濃い100分間でした。

作・演出の川口大樹さんに話を聞きました

プレビュー公演をしたのはなぜ?

プレビュー公演をするのは初めて。日本ではあまりやってないのですが、海外ではわりと当たり前だそうで、けっこう長い期間プレビューがあって、そこでブラッシュアップがあって、いろんな調整をして、本番が始まったら一切芝居を変えない文化だと聞きました。その形式がそのまま日本で使われているわけではないとは思いますが、とりあえずぼくらはこれから東京公演(12/25~28)、福岡公演(2/10~15)の前に、お客さんの反応を見て調整ができたらな、と試みてみました。広報的な意味合いでも。作品を見ていただけて感想を書いていただけるとうれしいな(笑)

この作品を再演されたきっかけは?

「西のメリーゴーランド」は10年ぶりの再演。個人的にこの作品が好きで、再演の機会をうかがっていたのですが、なかなか「ここだ」、というタイミングをうまくぶつけられなくて、好きだからこそ出し惜しみしてたところもあったのですが…20周年という節目に出したいなと。

「見上げんな!」の東京公演という、普段ガラパを見ないお客さんに見ていただく機会があって、あれは松居大悟さんの演出だったのですが、ガラパに興味を持ってくださった東京のお客さんにワンシチュエーションでドタバタで、ドラマがあるガラパらしい作品を見てもらいたいな、という理由もあって、この作品をすることに至りました。

10年前と今回で違うところは?

ストーリー自体は変わっていないんですけど、だいぶ削ってブラッシュアップして短くしたつもりが、意外とあまりタイムが変わっていなくて。なんでだろうなと(笑)。あと、10年前は若かったのでテンポとか勢いでやっていたところもあったところを、家族の物語を丁寧に立ち上げる、みたいなことをやったりしたのは、だいぶ変わってるかな。

初演のときは、もうちょっとうるさかった。大人になってしまったのかな。笑わせることはもちろん、それにプラスしてもっと会話のドラマに興味の方向が向いてきたことが反映されているのかな、と思います。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「登場人物の中では、浦田くんのなんといもいえない、ずっと空回りしているけど、残された時間を一生懸命に過ごす、ずっと前向きなところが愛せる」と川口さん

役者も入れ替わりました。初演では、今回と同じトバリ役で出ている椎木(樹人さん)と、トバリたちを捕まえる3人組の1人である山﨑(瑞穂さん)が出ていただけで、あとは全員変わっているので、それだけでも色合いが変わっているのかなと思います。

ずっと家もののセットでやっていて、さすが10年やっていると飽きてくる(笑)。SF的な生まれ変わり要素を足してみようかなと初めて試みた作品。空間がゆがんだりしてわけわからんところから出て来れる。家のいろんなところから人が出てくるのがどうも好きみたいで(笑)。楽しかったんですよね。シチュエーションコメディにSFをかけあわせて、ちょっと飛躍させる空間ができているのが売りというか、魅力ではないかと。星新一が好きなので、星新一的な、日常的な要素と変な要素をかけあわせて、という影響は強いのではと思います。

もともと劇団自体が男子校だった大濠高校の演劇部仲間で立ち上げたので男性8:女性2の比率だったのですが、今は逆転していますね。うちの劇団は若い子が多いので、お母さん役をやる人がいなくて、10年来のおつきあいである劇団ショーマンシップの原岡梨絵子さんにお願いしました。コメディーが上手な女優さんは貴重なんですよ、もちろん役者としての技術もあり、何より稽古場に原岡さんがいたら明るくなる。原岡さんは、稽古を一緒にしていてすごく楽しいという意味も含めて、お呼びしてよかったです。

20年をあらためて振り返ってみて、変化は?

20年やって、意外と変わってないことに気づいたのかもしれません(笑)。意外と好きなこともやりたいことも基本的に変わってないんですよ。 でも、ドラマの力は昔より信じられるようになったかな。昔は物語なんかいらない、ただドタバタが起きて伏線があって回収して笑いがとれて、それだけでいいと思っていましたが、日音のこころが動いていくことも面白いんだなと、やっと思うようになりました。 昔は笑いの稽古ばかりしていたけど、今はもうちょっとドラマの稽古もしている(笑)。笑いも好きだし、それにドラマの層が厚くなってきたかなと思います。

普通の家なのに、ゆがんだ時空…の舞台装置にも注目!

「初演で、お客さんが『ただ演劇を鑑賞しているのではなく、アトラクションを一緒に体験したよう』と言われてうれしかった」と川口さん。確かに、どこからいつ、誰が出てくるのか分からないドキドキワクワク感がありました。また、観劇上級者は暗転後のセットの変化にも注目していました!

出典:リビングふくおか・北九州Web

セットの仕掛けを説明してくれた川口さん

本公演の「舞台上おじゃましますツアー」(有料)では、終演後の舞台に上がって仕掛けをのぞいたり、解説を聞けたりするとのこと。また、公演によっては、小中学生にも演劇体験を楽しんでほしいと、「舞台上おじゃましますツアー」が付いたお得な親子ペア券(6500円)も販売されていますので、ぜひ親子でどうぞ!

「西のメリーゴーランド」 2026年2月10日(火)~15日(日)全8回公演 福岡市美術館ミュージアムホール(福岡市中央区大濠公園1-6) 問い合わせ スリーオクロック ℡092-732-1688(平日10:00~18:30) チケット券種など詳細は特設サイトで 「西のメリーゴーランド」公演ページ | 万能グローブ ガラパゴスダイナモス

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