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今すぐ見直したい、脳の健康を害する5つの悪習慣

  • 2025.12.13

毎日の習慣が“脳の健康”に及ぼす影響

Distorted Brain Behind Reeded Glass Visualizing Headaches and Migraine Pain

毎日忙しない生活を送っていると、日々の習慣が私たちの考え方や感じ方、機能にどのように関係しているのか、ゆっくりと考える機会はあまりないかもしれない。しかし、私たちを支えるテクノロジーや食事、運動、睡眠が、脳の健康にどのような影響を及ぼしているのか、一度立ち止まって考えてみる価値は大いにある。

オックスフォード大学のナフィールド臨床神経科学科は、認知機能低下の15の危険因子について概説した研究を発表し、糖尿病、交通関連の大気汚染、アルコール摂取が脳の老化に関連して最も有害であると結論づけた。しかし、引用された危険因子はいずれも修正可能であり、適切なアプローチによって時間をかけて軽減できるという。

ここでは、生活習慣病専門医のアイリーン・アレクサンダー医師が、脳の健康に害を与える5つの悪習慣と、その代わりに何をすべきかを教えてくれた。

1. 長時間のスクリーンタイム

オックスフォード大学出版局が2024年、一年を象徴する言葉(Word of the Year)に選んだのは「brainrot(ブレインロット、脳の腐敗)」だった。これは私たちがデジタルデバイスに費やす時間の長さを反映したものだと言えるだろう。アレクサンダーはこう話す。「問題は、今やソーシャルメディアが“ソーシャル”ではなくなったということでしょう。ソーシャルメディアから得られるドーパミンの一時的な刺激は、私たちの報酬経路に影響を与えます。すると、スローペースで有意義な仕事に集中することがさらに難しくなってしまいます」

常に“オン”の状態にいると、脳は絶えずプレッシャーにさらされているようなものだ。意図的な休憩なしにマルチタスクに取り組むと、注意力が散漫になり、認知疲労が増大する。アレクサンダーによれば、過剰な刺激によって脳が疲弊するスピードが速くなるという。

そこで検討したいのは、スマホの使用時間に制限をかけること。アレクサンダー自身は、就寝前や休憩中などのダウンタイムの間にはスマホの電源を切り、引き出しにしまっているそうで、「これを実行すると、そうしないときと比べて気分がとてもよくなる」そうだ。

2. 業務過多

業務過多は言わずもがなだが、仕事から十分な刺激を受けていないのも脳にネガティブな影響を与える。アレクサンダーによれば、仕事上で課されるチャレンジがストレスの源になったり、生活のほかの分野に侵食しないよう、バランスを取ることが必要だという。

厳しい職場環境による慢性的なストレスは、コルチゾールのレベルを上昇させる。そしてこのコルチゾール値の上昇は「記憶力や、感情を効果的に管理する能力、さらには回復力を低下させる」ものだ。「高いコルチゾールレベルは体に負担をかけ、過食、体重増加、血圧上昇、ひどい場合には心臓発作や脳卒中にもつながります」とアレクサンダーは説明する。

実際、体を休ませた方が生産性が高まることは研究で明らかになっている。「レーシングカーがサーキットを走り回るとき、燃料補給が必要ですよね。人間の体も同じです」とアレクサンダー。脳の健康のためには、仕事と私生活の間に適切な境界線を引いたり、しっかりと休憩を取るなど、エネルギーの回復と補給の機会を設ける必要がある。「呼吸法を実践するために手を止めたり、ランチタイムに散歩に出かけたりするなど、簡単なことでもいいでしょう」

3. 食生活の乱れ

多くの添加物を含む加工食品は、栄養価が低いことが多い。特に、超加工食品は健康上の利点がさらに少ないことで知られる。

アレクサンダーは、魚、肉、ベリー類、ナッツ類、野菜など、ヘルシーで「加工されていない」食品が食生活の大部分を占めるべきだと強調する。「適切なエネルギーを体に取り入れなければ、可能な限り高いレベルで機能することはできません。しかし、食生活を変えるのであれば、漸進的に見直していくのが健全でしょう」。アレクサンダーが示唆するように、一夜にしてすべての食事パターンを変えるよう自身にプレッシャーをかけるのは禁物だ。

バランスの取れた食事は血糖値を安定させ、脳に必要な栄養素を供給するのに役立つ。水分補給も必要不可欠で、十分な量の水を飲むことは、最適な精神的認知を確保する上で重要な役割を果たす。また、飲酒量を減らすことも意識したい。アレクサンダー曰く「アルコールの摂取は睡眠に影響を与え、それが翌日の意思決定プロセスやエネルギーレベルにも悪く作用してしまうから」だ。

4. 睡眠不足

不規則な睡眠パターンも要注意だ。「睡眠不足は、私たちの気分、集中力、認知力(情報を処理し思い出す脳の能力)を損なうもの」だとアレクサンダーは指摘する。

睡眠において大切なのは一貫性で、「子どもには就寝前の習慣があり、大人にもあるべきだと思います」とアレクサンダーは続ける。そうすることで、身体も心もスローダウンし、休む時間だという合図を送ることができるからだ。「睡眠をとると、脳は記憶を定着させ、体内の老廃物を排出し、神経伝達物質のバランスを回復させます」。そのため、質のいい、回復のための睡眠をとることが極めて重要となる。「同じ時間に就寝し、同じ時間に起床し、約8時間の睡眠を目指す」ことはどれも、脳の健康にポジティブに働くという。

5. 座りっぱなし

いつもじっと座りっぱなしでいることは、脳の健康にもよくない。「私たちの脳は、健康的に動き、新しいことを学び、有意義な会話で人とつながることで成長します」とアレクサンダーは言う。「だからこそ、バランスのとれた方法で、脳を活動的に保つことが本当に重要なのです」

脳の健康を維持するための簡単な方法として、日常的にワークアウトを取り入れる、音楽に合わせて踊る、脳を鍛えるパズルに挑戦するなどが挙げられる。

なぜ脳の健康が重要なのか?

アレクサンダーは、「(日常的に)脳の健康のために何ができるかを考える人はほとんどいない」と危惧し、こう続ける。「しかし、認知機能を維持するためには、脳の健康を意識する必要があります。できるだけ長い間、可能な限り高いレベルで機能するように、今こそ積極的に脳のケアをしたいものです」と話す。

アレクサンダーによれば、自分自身に対する感じ方は、家庭生活から仕事、生産性からパフォーマンス、友人関係に至るまで、あらゆることに影響を及ぼすという。「ジャンクフードの大量消費、飲酒、ドゥームスクロールなどの悪い習慣は、その場しのぎのドーパミンを得るするために続けてしまっていることが多い」と彼女は指摘する。こうしたドーパミンのショートカットに代わる具体的な方法としては、定期的な散歩やマインドフルネス瞑想などがあるが、こういったもののほうが、自然に発生する幸せホルモンを持続させることができるそうだ。

Text: Ranyechi Udemezue Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.CO.UK

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