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来季に向けての課題は…“約7年ぶり”に日立台のピッチに立った町田ゼルビアDF中山雄太、ケガ人続出の今季を振り返る

  • 2025.12.7

[J1第38節、柏レイソル 1-0 FC町田ゼルビア、12月6日、千葉・三協フロンテア柏スタジアム]

町田はJ1最終節で柏に0-1で敗れ、最終順位6位でリーグ戦を終えた。

この日、ボランチで先発した日本代表DF中山雄太は、この日の敗戦に悔しさをにじませながら、今季を振り返った。

画像: 約7年ぶちに日立台でプレーした中山(写真 浅野凜太郎)
約7年ぶちに日立台でプレーした中山(写真 浅野凜太郎)

中山にとって心待ちにしていた試合だった。

柏のアカデミーで育ち、2015年から2018年まで同クラブで活躍した中山はその後、オランダやイングランドのクラブを経て、昨季途中に町田に入団した。

中山がJリーグに復帰して以降、町田は柏と公式戦で2回対戦しているが、いずれの試合も中山は欠場している。

そしてこの日、町田の背番号19は、2018年12月1日のJ1第34節ガンバ大阪戦以来、約7年ぶりに日立台(三協フロンテア柏スタジアム)のピッチに立ち、古巣の柏に敵として向かい合った。

かつて応援してくれたサポーターから大ブーイングを浴びながらのプレーだったが、コーナーキックを蹴るため柏ゴール裏の前を通過した際には、あまりの大きなブーイングに笑ってしまうシーンも。

久々の日立台でのプレーを楽しんでいるようだった。

画像: コーナーへ向かう際、柏サポーターの大きなブーイングに思わず笑ってしまった中山(写真 浅野凜太郎)
コーナーへ向かう際、柏サポーターの大きなブーイングに思わず笑ってしまった中山(写真 浅野凜太郎)

だが、逆転優勝を目指す柏の勢いに押された町田は、後半18分にオウンゴールで失点。その後も果敢に相手ゴールへ襲いかかるも、最後まで1点が遠かった。

町田の背番号19は「単純に勝ちたかった」と歯がゆい思いを口にし、「後半は僕らも修正していたのでハマるだろうという予測もあった。レイソルが強いことも分かっていたので、プラン通りだったかと思いますけが、後半のあの一本の失点でプランが崩れて、レイソルが楽な展開に持ってこられたのかなと思います」と試合を振り返った。

「誰が出てもそん色なくプレーができるかが大事」

今季の町田は天皇杯で初優勝を成し遂げ、リーグ戦では2年連続でトップ10以内に入るなど、J1昇格2年目のシーズンで堅実な成績を収めた。

夏場にリーグ戦8連勝を飾って優勝争いに絡んだ町田だが、シーズン終盤は勝ちきれない試合が続き、最後までタイトル争いで生き残れなかった。

失速の要因の一つに、ケガ人の続出が挙げられる。

特に最終ラインは、DF菊池流帆やDF岡村大八ら新加入選手でケガ人が続出し、シーズンを通して安定感を維持できなかった。

画像: ケガ人が続出した中でも、町田を天皇杯初優勝に導いた黒田監督(写真 浅野凜太郎)
ケガ人が続出した中でも、町田を天皇杯初優勝に導いた黒田監督(写真 浅野凜太郎)

黒田監督も会見で「ケガ人が多く出たシーズンになりましたが、選手たちがよく奮闘して我慢をしてくれた。来季に向けて、強いて言えばケガをしない体づくりをもっとやっていかなきゃならないなと思います」と語っている。

中山も「(ケガへの)意識は当然ながら、まだまだ上げないといけない。それでもケガをすることは絶対にあるので、それをどうなくすか。ケガをする確率を減らしていくことが一番大事だと思うので、そこの意識だと思います。意識が変われば日常が変わるというところでは、本当にそこ(の意識)次第なのかなとは思いますね」と、ケガに対する意識改革を少しでもしていかなければならないと強調した。

画像: コーナーキックを蹴る中山(写真 浅野凜太郎)
コーナーキックを蹴る中山(写真 浅野凜太郎)

また町田の背番号19は、ケガ人が多かった今季を踏まえて、いま以上にチーム全員の成長が必要だと話す。

「僕らはほかのチームと違ってACLも含まれていて、いかに所属している選手で誰が出てもそん色なくプレーができるかが大事だと思います。やっぱり人間ですし、全部の試合に出られるかというとそうでもない。もちろん一人、一人がすべて戦えるような意識で取り組むことが大事だとは前提としてありますが、それをもっとすべての選手ができるようになり、かつ現実的に試合に絡んでくる人数も必然的に増えないといけない。町田はシーズンで見ても、(試合に)出ている選手の固定化がほかのチームと比べても顕著にあった。そこがケガ人だったり、あるいはケガ人がいなくともパフォーマンスを上げなくちゃいけないというところが課題なのかと思っています」

町田は9日午後7時からホームで韓国1部の蔚山HDとAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)第6節の試合を行う。年内最終戦を白星で飾りたい。

(取材・文 縄手猟、写真 浅野凜太郎)

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