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相次ぐ教員の盗撮問題と私用のスマホ利用…見えてきた隠れた課題は「公教育の地域差」

  • 2026.7.7

近年、教員による児童の盗撮事件が相次いで報道されています。盗撮は絶対に許されることではありません。また、教員の私物利用についても話題になっていますね。私は、盗撮のニュースを見るたびに考えることがありました。「この先生たちは、普段から教室にも自分のスマホを持って行っていたのだろうか。自治体によっては、教室に持って行く時点でタブーだし、まわりの先生の目もあるはず。もしかして、地域によって、先生の私用スマホの扱いは違うのかな?」私肩書を非正規に変えて、教員をしながらアントレ総合塾を経営するmama先生です。関心を持ったきっかけは、SNS上で「教員の私用スマホ利用」が話題になったことでした。そこでInstagramでフォロワーのみなさんにアンケートをおこない、利用実態を聞いてみたところ、想像以上に地域差があることが分かりました。・ある地域では、私用スマホを肩から下げて常時携帯し、学級通信用などの写真も撮っている。・ある地域では、災害時や緊急時に備えて教室まで持って行くことが決められているものの、原則使用はしない。・ある地域では、勤務時間内は職員室やロッカーに置き、教室へは持ち込まない。などなど、実は書ききれないほど、地域によってバラバラだったのです。

教員の盗撮問題で見えてきた「地域差」

先生を責めるだけでは解決しない、私用スマホ問題

同じ公立学校なのに、運用が大きく異なることに私は驚きました。そしてそれぞれが、それぞれの仕組みに疑問を持たず、むしろ誇りを持っていたり、良いと思っていたりすることにも気づかされました。ちなみに私は、「教室への持ち込みは原則禁止」と教わってきたので、「校外での対応や緊急時を除き、基本的には、勤務中に私用スマホは使わない」というのが当たり前だと思い込んでいました。同じように、自分の学校や地域の運用の仕方が「当たり前」と思っている者同士では、自分の正論の反対が相手の正論となり、議論が進みにくいことも分かりました。なぜこんなに、地域によって差があるのでしょう。また、明確な規定はないのでしょうか?2025年、文部科学省は教員による児童生徒の盗撮事案を受け、教職員個人のスマートフォンなど私的端末で児童生徒を撮影しないことや、学校所有の端末で撮影する場合でも、許可なく画像データを学校外へ持ち出さないことなどを求める通知を出しました。その後、名古屋市や札幌市などでは、教職員の私用端末による撮影や教室への持ち込みについて、より厳格な運用を行う動きも見られています。ただ、それ以前はというと、多くの自治体や教育委員会が独自のガイドラインを作っていました。・個人情報保護・情報セキュリティ・学校での写真データ管理このような観点から、各自治体はそれぞれの事情の中で異なる運用をしてきたのでしょう。教員個人がすぐにはどうすることもできない、「上層部が決めたルール」。公務員として、組織の一員として働く以上、ルールを守ることは大切ですし、声を上げたとしても、すぐにルールを変えることが難しいという意見もあるかもしれません。

保護者の目線で考えると

教員の私用スマホの利用について、同じくInstagram上でフォロワーさんたちに保護者としての意見を集めたところ、こちらもたくさんの意見を頂きました。・そのぐらい、いいんじゃない。学級通信の写真、ありがたいよ。・そんなに厳しくしちゃ、先生がかわいそう。というような声もあった一方で・公務員が勤務時間中に、しかも教室で私用スマホはまずいんじゃない?・撮った写真がしっかり消されているのかは、だれかが確認するのですか?・デジカメやパソコンの支給はないの?・多くの職種では、仕事中はしまっているのが普通なのでは。というような、運用に関する疑問もありました。ちなみに、私立の保育園や幼稚園などでは、先生が私用スマホで写真を撮って親御さんに連絡することも多いようで、「支給されない以上は私用スマホを使うしか方法がない」ともいえます。また、「学校で生徒の飛び出しがあった場合、速やかに連絡を取るためにスマホを携帯している」という場合もありました。校外や放課後の対応などでは、必要であるという意見に納得される保護者も多々見られました。

これはいったい、誰の問題なのか

私は、学校における私用スマホの利用問題を「先生個人の問題」で終わらせてはいけないと思っています。スマホを教室に持ち込んでいる先生が、みんな盗撮をするわけではありません。むしろ、どれだけ厳しいルールにしても、犯罪を犯す人はいるのかもしれません。子どもだけでなく、大多数の誠実な先生方を守るためにも、「仕組みとしてどうなっているか」を見る必要があるのではないでしょうか。例えば、私が勤務していた自治体では、・教員一人一台のiPad・教員一人一台のパソコン・教室や職員室とつながる内線電話・学校用携帯電話・学校によってはトランシーバーやインカムなどが整備されていました。教室に私用スマホを持っていくことはないので、あらぬ誤解を生むことすらありませんし、「持たないことが当たり前」になることで、現場全体での抑止力も働くのかもしれませんね。(もちろんそれだけ対策をしても、「あってはならない犯罪や災害」を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが……)全国すべての自治体が同じ環境ではありません。主に予算の関係で、災害時の連絡、防犯対応、校外学習での緊急連絡などを考えると、「私用スマホを使ってもらわないと現実的に困る」という学校もあるのでしょう。また、教師自身も「その方が楽だ」と思っている場合もあります。私用スマホを使っても通信費等は微々たるものですし、自治体にとっては教師負担ですから、特に税金を使って環境整備する必要もありません。予算の少ない地域では、一番現実的なのかもしれません。

リスクは無いのだろうか

ただし、「常に持っていること」を「義務化」している場合には、リスクもあると思います。例えば有事の際に「電池切れ」「その日に限ってスマホを忘れた」「低速モード」なんてことがあれば、これは誰の責任になるのでしょう。教員個人が責められることもあるのでしょうか。私用スマホを使うことは、教師頼みの運用であり、教師負担が大きい現状なのは確かです。様々な事情をもつ地域があるのは変えられませんが、子どもの安全や個人情報の管理が、教員個人のモラルや規範意識に大きく依存していないか ということについては、考える必要がありそうです。「いや、でもほとんどの教員なら、行き過ぎた使用はしないんだし、たった数名の問題のせいで、ルールを厳しくする必要はないのでは?」もちろん、そのような疑問も浮かんできますね。現行の方法で何の問題もない場合、むしろ大きく変わることへの不安や不満が生まれるのも事実です。しかし、銀行でも病院でも公共交通機関でも、「万が一」を想定してルールや設備を整えます。学校も同じではないでしょうか。100人の先生がいて99人が誠実だったとしても、仕組みは残り1人の例外を想定して作る必要があります。もちろん、そのためにはお金がかかります。・公用スマホの配備・校内通信設備の整備・ICT環境の充実税金を使うことに賛否もあるでしょう。でも、何かが起きるたびに個人の責任だけを追及し続けるのか。それとも、起こりにくい仕組みづくりにも目を向けるのか。私は、今その議論が必要な時期に来ているように感じます。

おわりに

この問題について考えると、「税金を使ってでも整備すべき」という意見もあれば、「そこまでする必要はない」という意見もあるでしょう。「先生を信用できないの?」という声もあると思います。「たまにいる変な先生のせいで、便利なスマホまで使えなくなるのはおかしい」という考え方もあるでしょう。いろんな意見が出てきますね。みなさんはどう思いますか?また、みなさんの地域や学校ではどのような運用になっていますか?ぜひ、みなさんの考えやお子さんが通っている学校の取り組みについても教えてください。

【Profile】mama先生(@itoshiki_kosodate)

 (1698420)

「子育ては、子どもを変える作業じゃない。親が変わることで、結果的に子どもが成長するのだ」 これは、私が大切にしている考え方です。元小学校教諭。現在は肩書きを「非正規」に変え、日本の教育社会問題の解決に挑戦しています。偏差値偏重ではなく、非認知能力を軸にした次世代教育を実践する「総合塾=ItoshikI after school」を立ち上げ、子どもたちの創造力と生きる力を育む学びを探求中。また、全国のママたちが安心して子育ての悩みを共有できる伴走型コミュニティ「ItoshikI 子育てサロン」を運営し、「教育学で考える 子育ての教科書」を用いた授業を公開。Instagramでは「学校では教わらない お家で差がつく子育て知識」を発信中。これからも多様な仲間と共に、新しい教育の未来を共創していきます。

Instagram:mama先生(@itoshiki_kosodate)

Voicy:お家で差がつく子育て知識「学校では教わらない、子育ての教科書🌱」

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