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【コールドスタート調理】なら焦げない・生焼けしない!「かぼちゃの豚巻き」を冷たいフライパンから焼いてみた

  • 2025.12.1

「コールドスタート」という調理法をご存じですか?フライパンに食材を並べてから点火するという、調理テクニックの一つです。料理初心者はぜひこの調理法を、とオススメしていたのが、料理研究家・上田淳子さん。加熱が緩やかに進むので慌てずに調理でき、焦げ付かずにおいしく出来るそうです。今回は、旬のかぼちゃを使った「カボチャの豚ばら巻き」でコールドスタートを実践してみます♪

フライパン調理の新定番!「コールドスタート」とは?



炒めものや焼きものを作る際、油を引いたフライパンを熱してから食材を入れるのが従来の調理法。ですが、温まったフライパンに食材を入れると、火がどんどん通って、最初と最後の食材に加熱ムラが出来てしまうことに。

そんな失敗を防ぐ調理法として、料理研究家・上田淳子さんは「コールドスタート」を推奨していました。

フライパンに食材を並べてから点火するので、慌てずに調理出来るため、料理初心者にもうれしいテクニックとのこと。食材にゆっくりと火が通るので、焦げやすい素材や、火を通し過ぎると硬くなりやすい魚介類の料理などに向いているそうです。

そんな「コールドスタート」で作る「カボチャの豚ばら巻き焼き みそだれ添え」は、農家向けの月刊誌『家の光』2020年5月号の別冊付録『ラクして絶品!フライパンおかず』レシピ集で見つけたもの。

『家の光』は、ちょうど100年前の大正14年(1925年)に創刊された、JAグループのファミリー・マガジン。「食と農」「暮らし」「協同」「家族」を柱に、暮らしに役立つ情報を紹介していますよ。

いつもはしっかりと温めたフライパンに食材を入れて調理するので、どんな違いがあるのか試してみます。

食材は2つだけ♪「カボチャの豚ばら巻き焼き みそだれ添え」を作ってみた!



【材料】(2人分)
豚バラ薄切り肉…200g
かぼちゃ(正味)…150g
みそ…大さじ1
白すりゴマ…大さじ1
酒…大さじ1
みりん…大さじ1/2
砂糖…小さじ1/2

【作り方】
1. わたを取ったかぼちゃを7mm幅に、豚肉は長さを半分に切り、みそ、ゴマ、酒、みりん、砂糖を混ぜ合わせます。



今回はスライスされたかぼちゃを購入したので、硬いかぼちゃを切る手間が省け、豚肉を切るだけで済みました。

ちなみに、かぼちゃの廃棄率を調べてみると約10%とのこと。わた付きのかぼちゃの場合は160~170gほどを用意すると、正味150gになると思います。

2. 1のかぼちゃに豚肉を巻き付けます。



かぼちゃはカーブしているので、巻きやすい部分に巻き付けます。豚肉を半分に切りましたが、長い方が一気に巻けるので長いまま使っても問題なさそうです。

3. 点火前のフライパンに巻き終わりを下にして2を並べ、フタをして中火で3分ほど焼きます。



点火前の冷たいフライパンに、豚肉の巻き終わりを下にして並べるのがポイントです。加熱したフライパンに並べていくと、最初に入れたかぼちゃと最後に入れたかぼちゃの豚肉の焼け具合が変わります。コールドスタートで一斉に焼き始めると失敗を防げるそうです。



かぼちゃをすべて並べ終えてからフタをし、中火に点火。コールドスタートなので最初はパチパチとした焼ける音はせず、フライパンの中は蒸気がこもったような状態に。穏やかな状態で3分ほど焼きました。

4. ひっくり返してフタをし、かぼちゃがやわらかくなるまで2~3分焼きます。



3分ほど焼いてひっくり返すと、並べた位置によって焼きムラが少しありますが、豚肉がこんがりと焼けていました。



フタをして反対の面も3分ほど焼きました。この段階ではフライパンがしっかりと温まっているので、豚肉が香ばしく焼ける音や香りがします。

5. 余分な脂をキッチンペーパーで吸い取り、1のたれを加えて煮絡めます。



豚バラ肉を使ったのでたっぷりの脂が溶け出ていました。キッチンペーパーで吸い取ってから、念のために竹串を刺してかぼちゃの火の通りを確認しましたが、ちゃんとやわらかくなっていました。

1のみそだれを加えましたが、水分が少ないので全体に行きわたる程度にサッと和えて仕上げました。


豚肉がカリカリ香ばしい!かぼちゃはほっくり甘い♪ゴマみそだれで濃厚!



料理研究家・上田淳子さん考案の「カボチャの豚ばら巻き焼き みそだれ添え」が完成。コールドスタートで焼き始めましたが、豚肉がこんがりと焼けてから、最後にゴマみそだれをかけたので、焦げ過ぎずに焼き上がりました。

食材は2つだけですが、かぼちゃは薄切りのままの大きめの形なので、とてもボリューム感のある仕上がりです♪



断面がこちら。包丁で切った時にカリッとした豚肉と、やわらかなかぼちゃのコントラストを感じました。

食べてみると、外側の豚肉が香ばしくてカリカリで、中のかぼちゃはホクホク。こっくりとしたゴマみそだれが絡んで濃厚な味わいです。これは、白いご飯が進むおかず♪

普段かぼちゃの炒め物を作るときは、火が通りやすいようにかぼちゃを小さく切っていましたが、コールドスタートなら大ぶりな薄切りでもしっかりと火が通って、おいしく仕上がりました。

火の通りが異なる食材の組み合わせでも、コールドスタートなら大成功!



料理研究家・上田淳子さん考案の「カボチャの豚ばら巻き焼き みそだれ添え」は、コールドスタートでフタをして焼くのがポイントでした。

コールドスタートにすると、食材にじわじわと火が通るため、火の通りやすい豚肉は焦げ付きを防げ、火が通りにくいかぼちゃは生焼けを避けられて、失敗しにくい作り方だと感じました。

焼きものや炒めものを作るときは、油を引いたフライパンを熱してから食材を入れるのが当たり前になっていましたが、食材によってはコールドスタート調理の方が向いていて、上手に作れます。

「カボチャの豚ばら巻き焼き みそだれ添え」は食材2つだけの材料レスレシピですが、食べ応えが十分なのでメインおかずにもっていこい。かぼちゃは秋から冬が旬なので、ぜひ、献立に取り入れてみてくださいね。

かぼちゃの廃棄率 参照サイト
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06048_7

上田淳子さん プロフィール

調理師専門学校の西洋料理研究職員を経て渡欧。ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として幅広く活躍する。自宅で料理教室を主宰するほか、雑誌やテレビ、広告などで活躍。双子のお母さんであり、育児、家事と仕事を両立する経験を経て得た知識を生かしたレシピ提供も好評。『るすめしレシピ』『冷たいフライパンに食材を入れてから火にかける コールドスタート』(自由国民社)、『冷凍お届けごはん』(講談社)、『フランス人に教わる3種の“新“蒸し料理。』(誠文堂新光社)、『バターは調味料。ほんの少し使うだけでおいしくなる』(グラフィック社)など著書多数。

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