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「軽やコンパクトは都落ちだ」そう嘲笑した60代元重職が、高級セダンを捨てて「日産AURA」を即決したワケ

  • 2025.12.22
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

シニア世代の男性にとって、クルマとは単なる移動手段ではなく「自分自身を表す鏡」。社会的な「成功の証」と捉えている方も多いのではないでしょうか。

だからこそ、年齢を重ねても安易なダウンサイジングは、自身の看板を下ろすようでプライドが許さない……そんな葛藤を抱く方もいるでしょう。

そんな彼らが、なぜ、コンパクトカーである日産 AURAへの乗り換えを認めるのか。実在する、ある男性のエピソードをもとに、その“納得の理由”を紹介します。

「俺はまだ枯れていない」高級セダンにしがみつく男の本音

先日、ある集まりで、60代の男性・Kさんと話す機会がありました。

Kさんは現役時代、会社の責任ある立場を任されていた方で、愛車はずっと「いつかは」と言われた国産高級セダンや、ドイツ製の大型サルーンを乗り継いできました。彼にとってクルマ選びは、単なる趣味ではありません。「自分が何者であるか」を周囲に示すための、いわば“名刺”であり、ステアリングを握ることは彼自身の成功の証を確認する行為だったのです。

そんなKさんも時が経ち、子どもたちは独立。夫婦水入らずで過ごす時間が日常になりました。

「正直、今のクルマは持て余しているんだよ」

彼は苦笑いしながらそう言いました。都心の狭い駐車場での取り回しや、年齢とともに少しずつ低下する反射神経。大きなボディサイズが、徐々にストレスになり始めているのは明らかでした。

しかし、私が「最近は“小さな高級車”と呼べるような、上質なコンパクトカーも増えていますよ」と水を向けると、彼の表情は一瞬で曇りました。

「いや、軽やコンパクトはちょっと……。近所の目もあるし、何より都落ちしたみたいでね」

Kさんのこの言葉には、同世代の多くの男性が抱える本音が凝縮されています。彼らが恐れているのは、クルマが小さくなることではありません。「あいつ、終わったな」と周囲に、あるいは自分自身に思われることへの抵抗感。自分を表すアイコンがチープになることは、彼らのプライドがどうしても許さないのです。

ドアを開けた瞬間に確信した「格」。彼をその気にさせた“コクピット”

そんなKさんが、先日驚くべき報告をしてくれました。

「ついにクルマを替えたよ。日産のAURAにな」と。

あんなに「自分の格」にこだわっていた彼がなぜ?理由を聞くと、彼は「乗ってみて分かった。あれは小さな安物じゃない。俺が乗るにふさわしいクルマだった」と嬉しそうに語り始めました。

決め手の一つは、運転席に座った瞬間の景色だったそうです。 AURAのドアを開けると、まず目に飛び込んでくるのが、運転席と助手席を明確に隔てる大型のセンターコンソール。一般的なコンパクトカーでは広さを優先して取り払われがちな部分ですが、AURAはあえてここにボリュームを持たせています。

「肘を置いたときの高さといい、囲まれ感といい、まるでコクピットなんだよ」

とKさんは得意げに言います。 この設計が、かつてセダンで味わった「クルマを操るための特等席」の感覚を呼び覚ましたのです。さらに、ダッシュボードのツイード調織物や、深みのある木目調パネル。本革ステアリングの手触り。長年いいモノに触れてきた彼の審美眼で見ても、それらは「子ども騙し」ではなく「本物の設(しつら)え」として映ったのでしょう。

「サイズは小さくなったが、密度は濃くなった」。それが彼の評価でした。

走り出しで感じた「余裕」。静寂の中に潜むe-POWERの熱量

Kさんの心を動かしたもう一つの要因が、「走り」です。 昔から、大排気量の余裕ある走りを好んでいた彼にとって、「コンパクトカー=エンジンが唸って非力」というイメージがありました。しかし、AURAの試乗でその先入観は覆されました。

搭載されているのは、最大出力:136馬力、最大トルク:300N・mのモーターで駆動する「第2世代e-POWER」。アクセルを軽く踏み込んだ瞬間、遅れなくスーッと加速する感覚は、彼が愛したNAエンジンのトルク感とはまた違った新しい感覚だったといいます。

「踏めば即座に応える。しかも、驚くほど静かなんだ」

遮音ガラスや吸音材を贅沢に使ったボディは、ロードノイズを徹底的に遮断します。アクセル操作に対してリニアに反応する全能感と、高級車さながらの静粛性。これらが「我慢して小さいクルマに乗っている」という惨めさを完全に消し去り、むしろ「賢く最新のパワートレインを選んだ」という新たな自信を与えてくれたのです。

妻と楽しむ第二の人生。助手席までエスコートする“プレミアムな空間”

納車後、Kさんのカーライフは大きく変わりました。「妻と出かける回数が増えたよ」と彼は笑います。

これまでは「俺の運転するクルマに妻を乗せる」という感覚だったのが、今は「妻と二人で空間を楽しむ」という感覚になったそうです。

その一役を買っているのが、ヘッドレストに内蔵された「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」。まるでコンサートホールのような音響空間は、走行音に邪魔されることなく、二人の会話や音楽を上質に演出してくれます。

「助手席の妻が『このクルマ、落ち着くわね』と言ってくれてね。それが一番嬉しかったかな」とKさんは微笑みながら言いました。

大きな車体で権威を誇示する時代を経て、今のKさんが選んだのは、自分たちが本当に心地よいと思えるサイズと、一切妥協のない質感をまとうことでした。

高級セダンからAURAへ。それは「降りる」ことではなく、人生の熟練者だけが辿り着ける、賢く、そして贅沢な「上がり」の選択だったといえるのではないでしょうか。



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析などを手がけ、実務に基づいた視点での解説を行っている。


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