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若者「センスいい…」100万円で買える“30年前の日産車”が、1,000万円超『90年代高級車』に引けを取らないワケ

  • 2025.12.12
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

今、成熟した大人の選択として、「ヤングタイマー」という価値観が注目を集めています。これは流行を追うのではなく、自分の審美眼で選んだ一台が、時を経て改めてその価値が見直される現象です。

そんなヤングタイマーの代表格として、100万円以下でも狙える可能性のある日産「ラシーン」に注目。数値やスペックでは測れない「愛すべき個性」を所有する、賢い大人の選択肢をご紹介します。

あのとき憧れた「90年代の傑作」

夜、ふと魔が差したように中古車サイトを開き、かつての憧れの名前を検索してしまう。そんな経験はありませんか?

シルビア、スカイラインGT-R、RX-7……。しかし、画面に表示されるプライスタグを見て、現実に引き戻されることになります。数百万円は当たり前、極上車なら1,000万円オーバー。かつて私たちが憧れた「90年代の傑作」たちは、もはや触れることすら許されない投機商品と化してしまいました。

「懐かしい」という感情は、瞬時に「もう無理か」という諦めに変わります。けれど、本当にそこで終わっていいのでしょうか?

一度、冷静になって胸に問いかけてみてください。私たちが本当に欲しかったのは、サーキットを走るための「0.1秒の速さ」だけだったでしょうか?違うはずです。ボンネットの低いシルエット、独特の排気音、ドアを閉めた時の重厚な音。あの90年代の車だけが纏っていた「空気感」や「機械としての佇まい」に憧れていたのではないでしょうか。

もしそうなら、決して諦める必要はありません。今、感度の高い若者たちの間でも、「ヤングタイマー」と呼ばれる“ちょっと古い車”たちが再評価されています。過剰な電子制御やスペック競争から距離を置き、「クルマ本来の味わい」を自分の価値観で楽しもうとする、成熟した文化の表れです。

流行りだから乗るのではない。自分の審美眼で、あの頃の空気を纏う車を選ぶ。予算100万円以下でそれが叶い、結果として今の時代感ともリンクする。そんな大人の選択肢があります。

「懐かしい」だけじゃない。若者が憧れる「本物のデザイン」を手にする喜び

では、なぜ30年も前の車が、スマホネイティブのZ世代に「エモい」「カッコいい」と映るのでしょうか。それは、現代の車が失ってしまった「個性的なプロポーション」がそこにあるからです。

衝突安全性や燃費効率を極限まで追求した結果、今の車はどうしても似通った丸いフォルムになりがちです。一方で、私たちが青春時代を過ごした90年代の車には、デザイナーのこだわりが色濃く反映された、定規で引いたようなラインや、無骨ながらも温かみのある造形がありました。

若者たちは、その「媚びないデザイン」に新鮮なカッコよさを感じ、憧れを抱いているのではないでしょうか。つまり、今この時代のヤングタイマーに乗るということは、「昔を懐かしむおじさん」になることではありません。「一周回って最新のトレンドを理解し、それをサラリと乗りこなす、感度の高い大人」として、周囲から肯定されることなのです。

「その車、渋くてカッコいいですね」

ガソリンスタンドで、あるいは会社の駐車場で、若手社員からそんな言葉をかけられる瞬間。自分の選んだクルマが、世代を超えて「イケてる」と認められる瞬間。これこそが、大人のカーライフの醍醐味ではないでしょうか。

90年代の美学を凝縮。「ラシーン」の四角いボディは、今こそ輝く

そんな「時代を超えたカッコよさ」を体現しているのが、日産「ラシーン」です。現代の車が失った「徹底的なスクエアフォルム」は、シルビアなどに通じる90年代日産の美学そのもの。無骨で道具感あふれるデザインが、圧倒的な存在感を放ちます。

中身も優秀です。搭載エンジンは耐久性の高い「タイミングチェーン」を採用しており、10万キロ超えでも高額なベルト交換が不要。全長4.2m以下のコンパクトさで都内でも扱いやすく、維持費も現実的。「見た目は本格派、維持は手軽」。このギャップこそが通な選択といえるでしょう。

家族も納得、若者も羨望。「パパ、センスいいね!」

2ドアスポーツカーは家族に反対されますが、ラシーンなら「荷物が積めて可愛いSUV」として奥様も納得していただけるのではないでしょうか。中古車市場では100万円程度から見つけることができ、個体の状態や走行距離によって価格は変動しますが、比較的手の届きやすい価格帯となっています。

さらに、レトロブーム真っ只中の子供たちからも「他と違ってカッコいい」と好評を得るかもしれません。高級車を買う経済力より、「あえてこれを選ぶ」という審美眼が、家族や周囲からの信頼とリスペクトにつながるのではないでしょうか。

憧れのプロポーションと、錆びつかない感性。ラシーンはその両方を満たしてくれます。高嶺の花のスカイラインGT-Rに憧れるだけの日々は終わりです。手の届く予算で、賢くてカッコいい「大人の選択」へ踏み出しませんか?



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析などを手がけ、実務に基づいた視点での解説を行っている。


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