「雨は支店長の機嫌が悪くなる」元銀行員が打ち明けた、“意外な理由”に「今日は“負け”だ」

こんにちは、元銀行員のマイルドバンカーです。

都市部の銀行は常に窓口が混んでいる印象ですが、比較的空いている郊外の支店でも、お昼になると順番待ちができてしまいます。
一部の銀行や店舗では12時～13時を休業にしているケースもあるため、「お昼しか時間がないのに！」と困っているお客さまもいらっしゃるでしょう。

今回は、銀行の窓口が空いているタイミングや、利用時の注意点などを詳しくお伝えします。

銀行の窓口が混んでしまう理由

都市部の銀行はオフィス街などにあるため、個人・法人のお客さまで常に混み合います。

業務のシステム化である程度は効率的になっていますが、窓口担当者は以下の事務もこなしているので、スピード最優先というわけにはいきません。

預金口座の開設を受け付ける場合、お客さまが記入された伝票や本人確認書類をチェックし、口座開設の目的（給与振込用など）もヒアリングしています。

確認作業は法律（犯罪収益移転防止法）によって義務化されているため、金融犯罪が複雑化すると、窓口業務はさらに増えてしまいます。

今さら本人確認がなかった時代には戻れませんが、運転免許証などのチェックがなければ、もっと効率的な事務処理が可能になるでしょう。

結論から申し上げると、天候の悪い日は窓口が空いています。

雨や雪の日は「小降りになってから出かけよう」と考える人が多いため、お昼の時間帯でもそれほど混まない場合があります。

時間がかかる手続きや相談であれば、あえて悪天候の日を選ぶのも「あり」でしょう。

具体例として、以下のような手続きや相談が挙げられます。

窓口が混みやすい月初や月末、5のつく日（5日や15日など）と重なっていなければ、資産形成などの相談もおすすめです。

あくまで可能性の一つですが、銀行にも業績目標があるため、窓口が空いているタイミングで、普段はできないような資産形成のご提案をされる場合もあるかもしれません。

もし預金の用事が済んだ後に少し長めの提案を受けた場合は、もしかしたら、先ほどお話ししたような銀行内部の事情が関係している可能性もゼロではない、という豆知識として捉えてみてください。

銀行の勝ち負けとは、以下のような状況です。

勝ち負けは銀行の資金が余剰なのか、それとも不足しているのかをあらわしています。

負けの場合は日銀（日本銀行）や他の銀行から資金を借りる必要があり、利息も発生するため、あまり好ましい状況とはいえません。

悪天候が続くと、定期預金などの申込みは「雨が止んでからにしよう」となりますが、現金が必要なお客さまは土砂降りや大雪でも来店されます。

つまり、大雨や大雪などが続くと「負け」が続く可能性があり、私が経験した中では、支店長の機嫌が悪くなることもありました。

支店全体で未達の目標があれば、「窓口担当者ももっと営業を頑張ってくれ！今週は投資信託を伸ばすぞ！」という事態になるわけです。

預金などの用事が済んでも、営業トークで引き留められる場合は、銀行の勝ち負けが関係しているかもしれないですね。

住宅ローンの契約や借り換えなど、時間がかかる手続きや相談がある場合は、窓口の予約サービスがおすすめです。

銀行によっては、営業時間外や休日の個別相談にも対応しています。

とはいえ、やはり予約なしでも待ち時間が短く、すぐに用事が終わる状況が理想的です。

金融犯罪が減少すると窓口にも余裕ができるので、マネーロンダリングや振り込め詐欺などの撲滅を願いたいですね。

ライター：マイルドバンカー

銀行の本部・本店・支店を経験し、早期リタイヤで個人事業主となりました。各銀行には独自の文化や風土があるので、「なぜこんなことをやっているの？」など、違和感を覚えやすい業務が少なくありません。今後は元銀行員の立場として、「だからそうなっているのか！」とご納得いただける情報を発信します。