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「3年後、残価率100%超」実質タダの“異常事態”…『ジムニー ノマド』注文殺到が招いた“思わぬ誤算”

  • 2025.12.15
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

注文殺到で入手困難となっている「5ドア(ジムニー ノマド)」を追い求めるあまり、目の前にある絶好のチャンスを見逃していませんか?

実は今、5ドアへの注文集中によって3ドア(ジムニー シエラ)のキャンセル枠が発生し、納期が劇的に短縮しています。これは単に早く手に入るだけでなく、鉄壁の「資産価値」を底値で手にする好機でもあります。

この好機を活かした「3ドアMT」という賢い選択肢を詳しく解説します。

かつて「納車まで2年待ち」が当たり前とされ、中古車価格が新車を大きく上回る異常事態が続いていたスズキ・ジムニー シエラ。しかし今、その市場環境にある明確な「異変」が起きていることをご存じでしょうか。

「バブル崩壊」などと囁く声もありますが、現場の動きを冷静に分析すれば、それは少し違います。むしろ、賢い買い手にとっては「底値で、早く手に入り、資産運用できる」という絶好の買い場が整ったといえるのです。

なぜ今、あえて「3ドアのMTシエラ」を狙うことが、30代~50代の男性読者にとって最適解となるのか。その答えは、市場で起きている「ある決定的な変化」を見れば明らかです。

納期短縮のカラクリは「5ドア待機勢」の発生

最大のトピックは、なんといっても納期の劇的な短縮です。これまで「忘れた頃に届く車」だったシエラが、仕様やタイミング次第では「半年程度」で届くケースが増えています。

この背景にあるのは、単なる生産ラインの増強だけではありません。もっとドラスティックな「市場心理の変化」が影響しています。そう、待望の「5ドアモデル(ジムニー ノマド)」の存在です。

これまで3ドアを予約していた層の一部が、「やっぱり家族で使うなら5ドアだ」と注文をキャンセルし、5ドアの待機列へと雪崩を打って移動し始めました。その結果、本来埋まっていたはずの3ドアの生産枠に、ぽっかりと「空き」が生じたのです。

特に、実用性を重視するユーザーは「AT車」や「5ドア」に集中する傾向があります。裏を返せば、趣味性の高い硬派な「3ドア・MT」の列は、かつてないスピードで進んでいるということです。世間が「幻の5ドア」を求めて長い列を作り直している間に、目の前の「ファストパス」を使って、半年後には新車で泥を跳ねて遊ぶ。これこそが今、多くの人が見落としがちななスマートな立ち回りではないでしょうか。

「妥協」ではない。「3ドアこそジムニーらしさ」という真実

もちろん、「早く手に入るとはいえ、5ドアが本命なのに3ドアで妥協したと思われないか?」という懸念もあるでしょう。しかし、ジムニーという車の本質を見れば、それは決して「妥協」などではなく、むしろ3ドアにこそ本来のジムニーらしさが凝縮されているのではないでしょうか。

ジムニーの魅力は、圧倒的な悪路走破性と機能美にあります。短いホイールベースと軽量ボディ。これこそが、岩場を越え、ぬかるみを脱出するための「黄金比」なのです。

5ドアは確かに便利ですが、ボディが伸びることで、本来の機動性や「塊(かたまり)感」のあるデザインバランスはどうしても変化します。ポルシェ911がそうであるように、世界中の愛好家が最後に帰ってくるのは、いつの時代もオリジナルのプロポーションを持つモデルです。

つまり、今の3ドア選択は「5ドアが買えないからの我慢」ではありません。「黄金比だからこその選択」です。特にMT車でクラッチを操る喜びは、AT全盛の今、私たち大人が味わえる「遊び」といえるでしょう。

鉄壁のリセール:これは「消費」ではなく「資産移動」

そして、この「3ドアMT」を選ぶ正当性は、走りの楽しさだけでなく、経済的な合理性によっても裏付けられます。ここが、今回最もお伝えしたい「資産防衛」のポイントです。

一般的な車は登録直後に価値が下がりますが、シエラはバブルが落ち着いた今でも、3年乗って新車価格と同等、あるいはそれを上回る買取相場(残価率100%超)を維持するケースが珍しくありません。

これはつまり、300万円で買って遊び倒しても、売却時にほぼ同額が戻ってくる可能性があるということです。実質的なコストはガソリン代などの維持費のみ。車両代は消費したのではなく、「ジムニーという金庫に預けていた」に近い感覚です。「遊んで泥だらけにしても、売る時は買った値段」。これほどリスクの低い大人の遊び道具は他にありません。

もし将来、どうしても5ドアが欲しくなれば、その時こそ高値で3ドアを売却し、それを頭金にすればいいだけの話です。最も避けるべきは、「待つ」ことを選んで、数年間の「乗れたはずの時間」を浪費してしまうことではないでしょうか。

賢者は「今」動く

  • 5ドアへの注文集中による「キャンセル枠」で、納期は短縮傾向(特にMT)。
  • 3ドアは妥協ではなく、車を操る楽しさが詰まった「本物の選択」。
  • リセールは依然鉄壁。「とりあえず乗る」ことが経済的にも正解。

ジムニー シエラは、退屈な日常を冒険に変えるツールであり、あなたの資産を守る実物資産でもあります。納期が半年まで縮まった今こそ、ディーラーへ行く好機。「いつか」を待ち続けるより、「近い未来」から始まるシエラとの生活を選ぶ。それが、人生を豊かにする賢明な選択ではないでしょうか?



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析などを手がけ、実務に基づいた視点での解説を行っている。


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