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「事故情報に登録される」たった数千円の滞納が招く“悲惨な末路”…→弁護士が明かす、「ブラックリスト」に載るまでの期間とは

  • 2025.12.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

後払い決済は手軽で便利ですが、つい支払いを忘れてしまった場合、信用情報にどのような影響が及ぶのか疑問に思う方も多いでしょう。特に少額の滞納でも生活に大きなマイナスをもたらすケースがあると聞くと、不安になりますよね。

本記事では、アディーレ法律事務所 正木裕美 弁護士に、少額の後払い決済の滞納が信用情報にどのように影響するのか、その背後にある法的メカニズム、滞納が一定期間続いたときに起こりうる法的措置、そして滞納後にすべき具体的な行動までを詳しくお伺いしました。

後払い滞納が「ブラックリスト」に載ってしまう仕組みとは

---なぜ、少額の後払い決済の滞納であっても信用情報に傷がつき、新たな借入や契約が難しくなるのでしょうか?その法的な背景を教えてください。

正木裕美 弁護士:

「まず、『信用情報機関』という機関があり、ここではクレジットやローンの申込みや返済状況などの情報を管理しています。滞納や債務整理、自己破産などは異動情報、いわゆる事故情報として登録され、これが一般に『ブラックリストに載る』状態を指します。

金融機関やクレジット会社などの業者はどこかの信用情報機関に加盟しており、新たな契約時には必ず信用情報を照会します。事故情報がある場合は『滞納リスクが高い』と判断され、新規の借入やカード発行、スマホの分割購入などが難しくなります。

信用情報機関は3社ありますが、情報は共有されるため、どこかに事故情報が載ると一定期間(完済から5年間等)は信用への悪影響が続きます。また、一部の後払い決済サービス事業者は信用情報機関に加盟して情報登録をしているため、少額の滞納でもブラックリスト入りの可能性があるのです。」

後払い滞納はいつから信用情報に登録?法的手続きの流れとは

---どのくらい滞納すると信用情報に登録されるのでしょうか?また、滞納によってどのような法的措置がとられる可能性があるのか教えてください。

正木裕美 弁護士:

「信用情報機関への登録対象は後払い決済サービスのうち一部のものですが、一般的に2~3か月以上の滞納によるものです。ただし、滞納があれば信用情報登録の有無にかかわらず、法的措置がとられる可能性があります。

後払い事業者は代金を立替えているため、約束した支払日に支払いがなければ回収に動き、メール・電話・郵便などで督促を行います。場合によっては弁護士名義の内容証明郵便による督促もあります。

これらは強制力を持ちませんので、それでも支払われない場合は裁判所を介した法的手続きが必要です。具体的には支払督促(書類審査で裁判所が督促を出す手続き)、少額訴訟(60万円以下を対象に1回の審理で解決を目指す簡易な訴訟)、訴訟などがあり、後払
い事業者が滞納額や手間、費用を考慮して選択します。

これらの法的手続きで債務を確定すれば、財産の差し押さえにより強制的な回収がなされることもあるのです。後払いサービスは気軽ですが、実質的には借金と同じですので注意が必要です。」

滞納時にすべきことは?信用情報への悪影響を最小限に抑える方法

---もし後払いの支払いが遅れてしまった場合、信用情報への影響をなるべく軽減するために最初に取るべき具体的な行動を教えてください。

正木裕美 弁護士:

「信用情報を早く回復するための特別な裏ワザはありません。そもそも事故情報として登録されないことが最善ですので、滞納状態を一刻も早く解消し、支払いを終えることが重要です。

万が一ブラックリスト入りしてしまっても、事故情報は永久に残るわけではありません。

滞納の完済から一定期間(多くは5年間)が経過すると事故情報は削除されます。したがって、できるだけ早期に支払いを終えることで、悪影響を最小限に抑えられます。

また、滞納を放置するとブラックリスト入りだけにとどまらず、法的措置がとられて財産が差し押さえられるなど事態が深刻化し、影響が長期化するおそれがあります。

複数の債務や滞納がある場合は、一人で悩まず早めに弁護士に相談し、状況に応じた最適な解決策(完済、債務整理、自己破産など)を検討することを強くおすすめします。」

後払い滞納は軽視せず、早めの対応が人生を守る

後払い決済の少額滞納でも、信用情報機関への登録という形で私たちの信用に深刻な影響を与える可能性があることがわかりました。2~3か月の延滞でブラックリスト入りするケースがあり、その後の新規借入れやクレジットカード発行、スマホの分割購入などに制限がかかりやすくなります。

さらに、滞納解消が遅れれば法的措置に発展し、強制執行で財産が差し押さえられるリスクも。だからこそ、滞納してしまったら放置せず、まずはできる限り早急に支払いを済ませ、信用情報への悪影響を抑えることが大切です。

万が一状況が厳しい場合は、弁護士など専門家への相談をためらわず、適切な解決策を見つけることが心強い味方になります。後払いは便利な反面、借金と同じ責任が伴うことを忘れず、賢く利用しましょう。


監修者:アディーレ法律事務所名古屋支店 正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属)

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アディーレ法律事務所名古屋支店 正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属)

一児のシングルマザーとしての経験を活かし、不倫問題やDV、離婚などの男女問題に精通。TVでのコメンテーターや法律解説などのメディア出演歴も豊富。コメンテーターとして、難しい法律もわかりやすく、的確に解説することに定評がある。
アディーレ法律事務所は、依頼者が費用の負担で相談をためらわないよう、弁護士費用で損をさせない保証制度(保証事務所)を導入しています。「何もしない」から「弁護士に相談する」社会を目指しています。

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