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いよいよ“最終回間近”「死なないで」「覚悟は重いな」明らかになった“殺人鬼の正体”と二転三転する展開【木曜ドラマ】

  • 2025.12.10
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(C)遠藤かたる/宝島社/ytv

じわじわとクライマックスへ近づいている『推しの殺人』第10話。『ベイビー★スターライト』が犯した罪はいつバレてしまうのか、連続殺人事件の犯人は誰なのか、ルイ(田辺桃子)たちを脅迫しているのは何者なのか、数多くの謎に包まれていた物語。話が進むにつれて状況が二転三転する展開に、必死についていく視聴者も多かったのではないだろうか。そして第10話では、ついに犯人の正体が明らかになり、物語は別の恐怖展開へと進んでいく。

※以下本文には放送内容が含まれます。

矢崎を疑うルイの勇敢な動き

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(C)遠藤かたる/宝島社/ytv

第9話の終盤、矢崎(増田貴久)が麗子(加藤ローサ)に襲いかかったことで、矢崎が連続殺人事件の犯人であることが明らかになった。ただ、これを知っているのは事件を俯瞰できる視聴者だけだ。望月(曽田陵介)もルイも、矢崎が麗子を殺しているなんて知る由もない。望月が矢崎に話を聞くシーンでは、麗子の命を奪っておきながら心配する素振りを見せる矢崎の恐ろしさを際立たせるような音楽やカメラワークが特徴的だった。

矢崎を微塵も疑っていないルイは、矢崎と共に麗子の行方の手がかりになりそうなものを探し始める。懸命に調べ、麗子が自ら失踪したわけではないという仮説を立てるルイの横で、矢崎は不敵な笑みを浮かべる。矢崎の恐ろしさに、思わず「ルイ、なんとか気づいてくれ」と念を送りたくなってしまった。

ルイは麗子が失踪したことでひとりぼっちになってしまった美鈴(灘山翠)の心に寄り添ったことで、事件解決のヒントを得る。矢崎の事務所で血がついた麗子のハンカチを見つけたこと、美鈴からもらったファンレターと『ベイビー★スターライト』に届いた脅迫状に同じシミがあったことから、ルイは矢崎が何かしていると確信を得る。矢崎に疑いを向けながら冷静に話を聞くルイの毅然とした態度や血のついたハンカチを見つけながら冷静さを保つ姿には、ルイの勇敢さが見えた。

強硬手段に出たルイが見たもの

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(C)遠藤かたる/宝島社/ytv

ルイは矢崎がいないときを見計らって、ガラスを割って事務所に潜入。手がかりになるものを探すなかで、とんでもないものを見つけてしまう。それは、連続殺人事件の被害者女性たちのアクセサリーやカバンの数々。そこには、ミチル(なえなの)が亡くなる寸前に購入していたバッグもあった。

事務所に潜入しているのがバレたルイは、矢崎に倉庫へと連れてこられる。そこには、冷蔵庫に保管された麗子の遺体があった。矢崎は命を奪った女性たちの一時保管場所として、倉庫を利用していたのだろう。ルイは、連続殺人事件の犯人であり『ベイビー★スターライト』を脅迫していた人物が矢崎であると知ることになった。

絶体絶命のルイは、「倉庫の周りで仲間が見張っている」と矢崎に宣言。そして、矢崎も『ベイビー★スターライト』の罪をすべて知っているとルイに告げる。矢崎とルイは、互いの罪を握り合う一蓮托生の関係になってしまった。必死に怯えを隠そうとしながら、わずかに動揺が見えるルイの表情からは、田辺の表現力の高さがうかがえた。そして、そんなルイを面白がり、笑いさえ含んでいそうな矢崎の声色には、矢崎の狂気が垣間見えた。

ルイの「倉庫の周りで仲間が見張っている」というのはハッタリにすぎなかった。足を怪我したテルマ(横田真悠)、子育てで忙しいイズミ(林芽亜里)を巻き込むわけにはいかないと、ひとりで矢崎に立ち向かうという強硬手段に出ていたのだ。

第10話は、ルイの勇敢さが見えると共に、強く残る自己犠牲の精神も見える回となった。動揺を必死に隠し通すルイの涼やかな表情は、田辺にしかできないものだろう。

SNSでは、「ルイちゃん、死なないでと思いながら見た」「ルイの覚悟は重いな」と、ルイの動きにハラハラしつつ、背負うものに思いを馳せている人が多い様子。

すべての事件が解決したとき、ルイは少しでも生きやすくなるのだろうか。事件の終焉に、田辺がルイとしてどんな表情を見せるのか楽しみだ。


読売テレビ・日本テレビ系 木曜プラチナイト『推しの殺人』毎週木曜日よる11:59~0:54

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202