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9年間連載された“名作漫画”の実写化「似た危ない匂いがする」大人気ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』との“共通点”

  • 2025.12.10

TVerでは現在『TBS冬の人気番組特集!』が開催中だ。1か月以上にわたって、40タイトル超が無料で観られる。

その中から、2019年7月19日から9月20日まで金曜ドラマ枠で放送された『凪のお暇』をピックアップする。

人気漫画をドラマ化

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黒木華 (C)SANKEI

原作はコナリミサトによる同名漫画。累計550万部を突破した人気漫画で、9年間の連載を経て、2025年2月に完結を迎えた。

主人公は節約が趣味の大島凪(黒木華)。空気を読むのが得意で、周囲に合わせて目立たないように振舞っていた。しかしある日、社内でこっそり付き合っている営業部のエース・我聞慎二(高橋一生)が、自分のことを同僚たちに話しているのを聞いてしまい、過呼吸で倒れる。

その後、会社を辞めた凪は今までの生活を断捨離し、都心から東京郊外へと引っ越しをする。毎朝整えていたストレートのロングヘアもやめ、本来の姿であるくるくる天然パーマ姿に。物を捨て、仕事を辞め、人間関係もリセットした凪はアパートの一室で新たな生活をスタートさせる。そしてアパートの住人たちとも新たな人間関係を築いていくことになる。

本当の自分を隠して交際をしていたが…

本来の自分を隠し、できるだけ目立たないように過ごしていた凪の心の支えは慎二だった。同僚からも都合の良いように使われていた彼女は、営業部のエースである慎二と結婚して勝ち組になることを夢見ていたのだ。

しかし、慎二が同僚に話している内容から、本当に好きで付き合っていたわけではないのだと誤解してしまい、ため込んでいたストレスが爆発する。慎二は同僚の手前、格好をつけていただけなのだが、そもそも凪に対しては高圧的な態度をとることが多かった。凪は慎二に嫌われないようにと健気に努力を重ねていた。慎二がストレートヘアの女性が好きだからと、一生懸命髪をセットしたり、慎二を喜ばせるために料理を作ったり、基本的に慎二の言うことを聞くようにしていたり。慎二としては凪の健気な部分も好きだったのだが、うまく伝えることが出来ずすれ違うことになる。

そんな凪が引っ越した先で出会ったのは、隣の部屋に暮らす安良城欣・通称ゴン(中村倫也)。最初は自分とは違うタイプの人間だと警戒していたが、優しく、来るもの拒まずなゴンに凪は次第に心惹かれていく。

大人の恋の三角関係も

つい、注目してしまうのは凪と慎二、ゴンの三角関係だ。凪に執着する慎二、ゴンに執着しかけたがゴンという人間の中毒性に気がつき、距離を置くよう努めた凪、そんな凪に恋心を抱くようになったゴン……と物語が進んでいくに従ってそれぞれの関係性が複雑になっていくのは見どころのひとつだ。

同時に、互いに影響し合って成長していく姿も見逃せない。成長するに従って、それぞれが本心を語るようになり、より人間味も増していく。

空気を読んで言いたいことも言えなかった凪が、思ったことをはっきりと言えるようになったり、それまで人に執着することのなかったゴンが凪に恋をすることで感情をあらわにしたりという様子が見えてくるようになるのだ。慎二は最初こそは完璧な男性に見えたが、取り乱したり、泣いたりと一番人間らしさが見えた人と言えるかもしれない。

大人になっても周りの人の影響によって変化し、逆に誰かに影響を与えることもある。そして人はひとりでは生きていけないのだということも感じさせてくれる。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』と共通点も

凪と慎二、ゴンのキャラクター性は、ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の勝男(竹内涼真)、鮎美(夏帆)、ミナト(青木柚)に少し通ずる部分も。特に、ミナトとゴンに関してはSNSでも「似た危ない匂いがする」「ミナトは『凪のお暇』のゴンさんっぽい」という声が上がっていた。もちろん、似ているというだけでキャラクター性は異なるわけだが、それぞれがどのような答えを選ぶのか、比較してみるのもおもしろいかもしれない。


ライター:ふくだりょうこ(Fukuda Ryoko)
うさぎと暮らすライター。シナリオやインタビュー、コラム、エッセイなどを中心に執筆。小説とお酒と音楽とドラマがあればだいたいご機嫌。