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「心が苦しい」「ラスト尊すぎ」最終話の“どストレート”なフラグ回収に視聴者“悶絶”【水曜ドラマ】

  • 2025.12.17
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『ESCAPE それは誘拐のはずだった』最終話(C)日本テレビ

日本テレビ系水曜よる10時放送の『ESCAPE それは誘拐のはずだった』が12月10日に最終話を迎えた。

20歳のバースデーパーティの日に林田大介(佐野勇斗)たちに誘拐された八神製薬の社長令嬢の八神結以(桜田ひより)。しかし、誘拐はいつの間にか林田と結以の逃避行へと変容していく。結以が父親の慶志(北村一輝)から逃げるために始まった逃避行は、どのような終着点にたどり着いたのか。

※以下本文には放送内容が含まれます。

親子のすれ違いが生んだ物語

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『ESCAPE それは誘拐のはずだった』最終話(C)日本テレビ

父と子ふたり、最初は仲が良い親子のはずだった。だが、“さとり”の能力を持つ結以が慶志の手を握ったときに“黒いもの”を見てしまった。それが不信感に変わり、親子の仲はぎくしゃくすることになる。

そもそもの元凶は八神製薬創業者の恭一(間宮啓行)だった。さとりの能力を残すために、恭一は慶志夫婦を利用し、結以が生まれたのだ。その事実を知った慶志が恭一への憎しみを抱えたまま、結以に触れてしまったがために誤解が生まれてしまう。だが、結以への愛情が変わったわけではなかった。

さとりの能力も、人によってさまざまだ。結以の場合は色で見えるが、叔母である京(富田靖子)は音が聞こえる。手を触れた相手の全てがわかるわけではないが、さとりの能力がない人間からしてみれば、相手にどれだけ把握されているのかがわからないのは脅威だ。もし相手の考えていることがすべて分かるのだとしたら、慶志のように「ビジネスに利用できるのでは」と思ってしまうのも無理はないだろう。

しかし、結以の能力はそこまで万能なものではない。思考や本心のすべてが分かるわけではないため、そのままビジネスに活かせるとは言い難い。もし、慶志と結以がきちんと話をする機会があれば、その事実もわかっただろうし、ここまではこじれなかったはずだ。よくある親子のすれ違いのはずが、誘拐事件と重なり壮大な物語になったと言っても過言ではない。

多くの人を救ったふたりの旅路

物語で印象的だったのは結以と林田が出会った先々で人の心を救っていたということだ。星(阿部来叶)を母親のネグレクトから救い、林田の元カノ・香坂莉里(影山優佳)を不倫から抜け出させた。

最終話後半では、それぞれのその後が描かれていたが、莉里はガン(志田未来)と共にキッチンカーで楽しそうに各地を巡っていた。ガンは自分にはまともな仕事ができないと言っていたが、それを覆した。間接的に結以たちはガンも救っていたと言えるのではないか。

慶志はイチから事業を始め、イキイキと働いていた。八神製薬を失ったが、結果的に自分がやりたい仕事に取り組むことができた。

もちろん結以と林田自身も救われた。やりたいことを見つけ、自分が進みたい道を見つけた。ふたりの逃避行は自分たちと周りの人たちを救った旅路でもあった。

SNSが湧いたラストシーン

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『ESCAPE それは誘拐のはずだった』最終話(C)日本テレビ

結以がさとりの能力を明かした時点から、林田はキスしたらどうなるのか、という話はしていた。序盤からキスの気配はあった。さらに第9話ラストでは林田から「キスでもすっか」と言ったのに対し、「やめとく。だって最後みたいじゃん」と結以が断っている。

回を追うごとに心の距離が近づいていく描写が丁寧に描かれており、いつキスをしてもおかしくない雰囲気があった。そんなふたりは一体いつキスをするのか、関係がひとつ進むのか、という期待はラストシーンで回収される。

結以からの「キスでもしてみる?」「心の中、全部見えるかも」と言う結以に林田はお構いなしだ。「なんも困んねぇよ」という言葉は隠し事もやましいこともない証拠だということが感じられる。

ロマンティックなシーンから、じゃれ合うようにキスを2回、3回とするシーンにSNSは沸騰。「もう心が苦しい」「ラスト尊すぎ」「自然と手をつなぐところも良い」と結以と林田の一挙手一投足に盛り上がりを見せた。

多幸感あふれるラストとなった『ESCAPE それは誘拐のはずだった』。佐野勇斗自身が「絶対に続編やりたい」と言及していたが、視聴者としても思わず期待せずにはいられない。


日本テレビ系 『ESCAPE それは誘拐のはずだった』

ライター:ふくだりょうこ(Fukuda Ryoko)
うさぎと暮らすライター。シナリオやインタビュー、コラム、エッセイなどを中心に執筆。小説とお酒と音楽とドラマがあればだいたいご機嫌。