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河合優実、俳優業を続ける原動力とは?

  • 2025.11.22

河合優実の熱さ

「やりたいことを引き寄せる力は強いと思います。口に出して行動することで自然とやりたい方向に進んでいることが多い」

河合優実さん

高校時代、初めてミニシアターを訪れ、山中瑶子監督の作品『あみこ』を観た際に芝山健太監督にスカウトされ、短編映画『よどみなく、やまない』で映画初出演。また、『あみこ』に感銘を受けた彼女は、デビュー前でありながら“女優になります。いつか監督の作品に出たい”と山中監督に手紙に書き、直接会いに行って渡し、その後、監督の本格的な長編映画第一作となる『ナミビアの砂漠』の主演を果たす。運を動かす情熱をもつ、まさに彼女らしいエピソードだ。

「今、振り返ると恥ずかしいけど、手紙を渡したことはよかったな、と。“やってみたかった”と思っていたことに出合える運のよさみたいなのは、この仕事を始めるにあたってもそうだし、ずっと感じています。そして、自分が進みたいと思う方向を、こういったインタビューで先に口に出したり、そのための行動を取ったりした結果、ちゃんとその方向へ進めていると思います」

河合優実さん

「演じることが本当に楽しいんです。いいものをつくるために、みんなで準備する時間が好き」

クールな佇まいが印象的だが、演じることへの情熱、好きという気持ちはひとしお。

「どう演じようか考えたり、共演する皆さんとともに稽古をしたり。そうやって磨き上げていく時間、いいものをつくり上げるための準備が、とても好きです。そして、撮影現場や舞台の本番で、タイミングやそれぞれの才能、コンディション、そして努力、そういったものがうまく嚙み合って、“今のシーン、すごくよかったよね!”っていうのを共有できた瞬間、とてもいい気持ちになる。そういうときは素直に“今、よかったよね!”と言葉にするし、興奮もすごくしているんです。それにたとえ言葉にしなくてもお互いの表情を見れば、同じように感じているのもわかります。また、完成した作品を“素晴らしい!”と思えるのもとてもうれしくて、試写室の暗闇の中でひとりで盛り上がっています(笑)。やっぱり演じるのが好き。この気持ちこそ、私が俳優の仕事を続ける原動力です」

河合優実さん

「自分が関わった作品が、世界にとって良いものであってほしい。それだけは忘れないでいたいです」

25歳を迎える今、感じている変化があるとか。

「他人からしたらなんともないような悩みなら、好きなことをして、美味しいもの食べて、ゴロゴロして解消していましたが、最近はちゃんと運動したり、あえて料理したり。煮詰まったときほど、きちんと暮らすようにしています。本当は怠惰だから、何もしないで寝たいんですけど、ちゃんと丁寧に暮らす方が、自分の心にとって健康かもと思うようになり、頑張っています。今まではハタチの延長で、元気なら勢いで仕事ができ、奇跡でもいいものが撮れたらそれでよかったのですが、ここ一年、いい状態をキープするには常にフラットでいられるように管理しないと、と考えるようになりました」

そんな彼女が思い描くこれからとは。

「俳優としては、正直、まだ先は決めていないのですが、ひとつ言えるのは、いろんな人の時間や気持ち、お金を費やして作品をつくっているので、世の中のためになるとまでは言わないけど、世界にとっていいものにしたい。そして、それを思い続けることは簡単ではないからこそ、忘れないようにしようと思っています。人としては、人に対して優しい人になりたいですね」

河合優実さん
Profile

俳優

河合優実 / Yuumi Kawai

2000年12月19日生まれ、東京都出身。2019年にデビュー。次々と映画、舞台への出演を果たし、2024年には主演映画『あんのこと』『ナミビアの砂漠』が公開。第48回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。連続テレビ小説『あんぱん』では主人公の妹役を熱演。現在、出演映画『旅と日々』が公開中。2026年1月に、彼女の知名度を上げた人気ドラマ『不適切にもほどがある!』のスペシャル版が放送予定。

撮影/三瓶康友 ヘアメイク/北原果(KiKi.inc.) スタイリング/小蔵昌子 取材・文/楢﨑裕美

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