日本の映画に初出演したロウンの飽くなき挑戦──「原動力は劣等感」【50 SHADES OF ME】

2025.12.1

1『映画ラストマン -FIRST LOVE-』への出演が決まったときの気持ちを教えてください。

新しいチャレンジができることがとてもうれしかったです。母国語での演技ではないので、相手の台詞をしっかりと頭に入れて、自分のリアクションをある程度想定する必要がありました。自分が今までやってきたやり方ではなかったですが、撮影が進んでいくうちに現場の雰囲気を掴めるようになっていき、不安は解消されました。また日本の映画に出演したいです。

2 現場の雰囲気はいかがでしたか？

どの現場でも会ったばかりの人とすぐに仲良くなれるわけではありませんが、2回目に皆さんと顔を合わせたときには既に「また会えてうれしい」という気持ちになりました。みんなが同じ目標に向かって進んでいるということがはっきりとわかったので、とても楽しい現場でした。撮影の直前には「このシーンのお芝居はどうしよう？」という話を真剣にしましたし、ほかの時間はみんなで冗談を言ってふざけ合っていました。同じシーンが多かった永瀬廉さんが「英語を本格的に習いたい」とおっしゃっていたので、LightとRightの発音を一緒に練習して、「今はLだったよ、今はRだったよ」と伝えたりしました。また、ロケ地である函館に到着したタイミングで、共演者の仲を深める目的で福山雅治さんと大泉洋さんが中心になって、夕食会を設けてくれました。そこで福山さんが率先していろいろお話を振ってくださったり、大泉さんがギャグを言って盛り上げてくれたからこそ、皆さんと早く仲良くなることができました。大泉洋さんは僕が先に撮影を終えたとき、メールで「君がいなくて寂しいよ」というメッセージを送ってくれたんです。今でもメールでやり取りをしていますが、とても器が大きい方で尊敬しています。

3 FBIの特別捜査官、クライド・ユンを演じる上で意識したことは？またご自身と似ているところは？

まず、クライド・ユンはアメリカに滞在していたので、比較的自由な考え方の人物だろうと想像しました。その後、平野俊一監督といろいろな話をする中で、少しずつ自分の中でユンという役が固まっていきました。さまざまな面で意識が高くて承認欲求が強い。一見クールに見えますが、心の中にちゃんと温かみを持っていて、何かすることに対して躊躇せず、自由な表現をする人物だと捉えました。僕はどの作品においても、自分より役のことを深く知っているであろう監督の話をよく聞くようにしています。また、「自分とその役は似ているところはない」と思うようにしています。なぜなら、自分との共通点を意識するとそこにとらわれてしまうからです。僕には子どもはいませんが、自分が演じたキャラクターには全員自分の子どものような愛着があります。

4 撮影がオフの日は何をして過ごしていましたか？

函館に滞在中の夜は、なかなか眠れなかったのでひとりでウイスキーバーに出かけました。お店の方に「どこから来たの？」と聞かれたので「韓国から来ました」とお伝えしたら、簡単な韓国語で話してくれたので楽しく会話をしました。「コカ・コーラゼロはありますか？」と聞いたら「ないので買ってくるよ」とおっしゃるので、「大丈夫です」とお伝えしたんです。それでも、その方が外に出ようとしたんですね。「トイレに行くだけだよ」とおっしゃっていたのですが、結局コカ・コーラゼロを買ってきてくれて、その優しさがとてもうれしかったです。この良い思い出を記憶に留めたいと思ったので、自分のスマホで一緒に写真を撮りました。

5 新しいことに挑戦する際に大事にしていることは？

プロとして役割を全うしなくてはいけない立場なので、まず「ちゃんとできるだろうか？」と悩みます。俳優を始めた当初はひとりで背負い込んでいたようなところがあって不安が大きかったんですが、実際は周りの方たちが手助けをしてくれるので、新しいチャレンジをすることの怖さが減ってきました。

6 芝居をするときに大事にしていることは？

リアルであること。

7 役者をやっていていちばん楽しい瞬間は？

（フリードリヒ・）ニーチェの本に「人が強い喜びを感じられるのは何かに集中しているときだ」と書かれていました。お芝居に集中しているとき、自分でもどうしてそういう気持ちになったのかわからないような状態になるのがとても面白いです。

8 尊敬する俳優は？

すべての方から学ぶべき点があると思うので特定の人を挙げるのは難しいです。俳優の方のみならず、現場にいるスタッフさん、ここにいらっしゃる皆さんからも本当に学ぶ点がいろいろあると思っていて、僕は皆さんを尊敬しています。

9 これまでもらった言葉で大事にしている言葉は？

歌手のイ・ジョクさんが『イ・ジョクの単語』という本を出されたときに、一緒に食事をしながらお酒を飲みました。そのときにイ・ジョクさんが本に「君自身を信じろ」という言葉を書いてくれました。イ・ジョクさんは昔から僕のことを見守ってきてくれた方だからこそ、その言葉を僕に送ってくれたのだと思います。人生の半分以上の時間をともにしてきてくれたイ・ジョクさんのその言葉をすごく大切にしています。

10 日本の好きなところは？

美味しい食べ物。

11 仕事以外で得意なことは？

運動。

12 克服したいことは？

ありません。

13 リフレッシュ方法は？

多少のお酒を飲むことです。

14 子ども時代の自分に何か言葉をかけるとしたら？

ビットコインを買え(笑)。

15 どんなことに怒りを感じますか？

怒ることはほぼありませんが、嘘をつく人は苦手です。

16 特殊技能を一つ使えるとしたら、何を選ぶ？

多言語を話せるようになる能力。

17 あなたにとってこれまでの最高の経験は？

まだ経験していません。

18 人生で怖いものは？

蜘蛛。

19 ご自身の性格を3つの単語で表すとしたら？

（日本語で）優しい。超優しい。めっちゃ優しい。

20 訪れたい地域はどこですか？

東欧。

21 仕事で絶対にしないと決めていることは？

自分とは違う考えを否定しないこと。

22 自分の好きなところは？

全部。

23 好きな言葉は？

ポジティブな言葉は全体的に好きです。

24 最近よく聴いている音楽は？

数日前に開催した武道館でのファンミーティングで歌う曲をずっと聴いていました。

25 最近いちばん笑ったことは？

友達と一緒に過ごしていたとき。

26 1年前テニスにハマっているとおっしゃっていましたが、今ハマっているものは何ですか？

鶏の胸肉と水を混ぜた鶏ジュース。

27 テニスの魅力を一言で表すと？

胸が熱くなるところ。

28 明日急にオフになったら何をしますか？

今のコンディションを考えると、家から出ずにベッドの上でゴロゴロします。

29 家を借りる、もしくは買う際に最も重要視するポイントは？

安全性。

30 楽観主義？現実主義？

現実主義。

31 ついつい集めてしまうものは？

ウイスキー。

32 人のどんなところに惹かれますか？

仕事に一生懸命なところ。

33 韓国のイチオシの何かを教えてください。

豚のしっぽを使った料理。

34 約3年前のインタビューでお仕事の原動力は「劣等感」だとおっしゃっていましたが、今は？

今の原動力も劣等感です。

35 子どものころに憧れていたヒーローは？

自分の父親。

36 過去と未来、のぞけるならどちら？

過去に戻ってビットコインを買いたいです(笑)。

37 ファッションのこだわりは？

ルーズなフィット感のファッションが好きです。

38 カラオケの十八番は？

イ・ジョクさんの曲すべて。

39 最近購入してうれしかったものは？

キム・グァンソクさんのカセットテープ。

40 スマホでは何をしている時間がいちばん長い？

YouTube中毒です。「近所の友達カンナミ」というチャンネルが好きです。

41 得意料理は？

インスタントラーメン。

42 いい俳優に不可欠だと思う要素は？

人柄の良さ。

43 今の目標は？

今夜の韓国に向かう飛行機に乗り遅れないこと(笑)。

44 今一番欲しいものは？

特にありません。

45 挑戦したいと思ってまだできていないことは？

ハリウッド作品に出演すること。

46 俳優とアーティスト、二足の草鞋を履くことの醍醐味は何ですか？

単純に面白いです。

47 最近良い影響を受けたエンターテイナーは？

大泉洋さんです（笑）。

48 イチオシのアニメは？

『進撃の巨人』。

49 30代のうちに仕事とプライベートでそれぞれ成し遂げたいことはありますか?

たくさんあるので挙げきれませんが、全部達成できると思っています。

50 30年後、どんな自分になっていたいですか？

おそらく結婚しているのではないでしょうか。

Photos: Akihito Igarashi Stylist: Min Gyu Lee at FIRE STUDIO Hair: Mi Hyoung Park at glosss Makeup: Bo Young Jung at glosss Text: Kaori Komatsu Editor: Yaka Matsumoto, Saori Nakadozono

Lastman First Love - Rowoon『映画ラストマン -FIRST LOVE-』は12月24日より全国公開。

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VOGUE

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