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英語プレゼンは怖い。でも想像以上のチャンスなのかも?技術者が語る挑戦の裏側

  • 2025.11.21

ある日、業務の連絡用チャットに一通のメッセージが届きました。「ぽにさんの担当されている開発技術を、国際会議で発表していただけませんか。小規模なイベントですので、パテント(特許)や機密事項については省略して頂いて構いません。社内外の関係者にも知ってもらいたくて。あ、もちろん英語でお願いします」——英語で。

なんと!英語!

その単語だけが、妙に鮮明に目に飛び込んできました。よりによって英語。よりによってプレゼン。しかも「国際」とつくイベント。どこをどう切り取っても、ハードルの高い組み合わせです。実を言うと私は、英語が得意ではありません。論文を読むときも、今はAI翻訳の力に頼りっぱなし。便利な時代だと日々痛感しています。とはいえ、何もかもが英語ツールに置き換わればよいのですが、そうは問屋が卸さない。こうして突然「英語でお願いします」と言われる機会は確実に増えています。なぜなのか?背景には、日本の人口減少や企業の海外展開があります。英語・翻訳ツールはここ10年ほどで驚くほど進歩しましたが、それでも技術者自身が英語で説明しなければ伝わらない瞬間は多いものです。そして往々にして、「ちょっと、英語は苦手なので遠慮したいです」と言ったとしても、「いや、この分野を説明できるのはあなたしかいないから」と言われてしまう。気がつけば、お鉢はしっかり自分のところに戻ってくるのです。どんぶらこ~どんぶらこ~

それでも続けてきた英会話

とはいえ、努力はしてきました。この2年間、Web英会話ツールを使って毎日25分、英会話を続けています。…にもかかわらず、私の英語は未だに【出川イングリッシュ】です。嘘だぁ~2年もしてたらできるでしょ?と思うじゃないですか。私もそう思っていました。残念。本当に、出来ないままです。各種資格試験を設定していたらストレスがかかって語学力が上がっていたかもしれませんが、ふわ~~っとやっていると、本当に伸びないものです。しかも、Web英会話の講師の先生たちは本当に優しく、「Great!」「You’re doing amazing!」と笑顔で励ましてくれます。参加しただけで褒められちゃうんです。宿題もなし。出来なくてもOK!OK!で終了。それでも「やらないよりは100倍マシ」と言い聞かせながら、昼休みの25分を英語に捧げ続けてきました。なんとなんと、

準備期間はわずか1か月

今回のプレゼン準備期間は、1か月。まずは日本語で資料を作成し、上席や法務部に内容を確認してもらいます。機密情報を扱う仕事ではおなじみの工程です。 問題はその後でした。日々の実験や業務が詰まっており、練習の時間を仕事中に取ることはほぼ不可能。結局、昼休みを使ってひたすら音読するしかありませんでした。「この単語、発音が難しいな」「この言い回し、ネイティブ的にはどうなんだろう」「いやもう、伝わればよしとしよう」そんな葛藤を抱えながら、台本を読み込む毎日。そして迎えた当日。

当日。ん?小規模だったのでは?

「小規模って言ってたし、30人くらいだろう」と油断していた私を待っていたのは、予想外の光景でした。会場はほぼ満席。スーツ姿の外国人の方々がずらり。照明もいつもより本格的。さらに、海外の支部とリアルタイムで接続されているとのこと。“小規模”とは、一体どこ基準だったのでしょうか。胸がきゅっと縮むほど緊張し、手が冷たくなっていくのを感じました。今さらながら、出川哲郎の口癖が心の中でグルグルしています。ヤバいよ、ヤバいよ~~しかも、私の出番は3日目。

英語会議3日目に突然放り込まれる

3日目は鬼門。会場の雰囲気は完全に温まっていて、英語で軽いジョークが飛び交うほど。まだ皆さんそこまで疲れておらず、聞かなくていいのに、結構ちゃーんと各種プレゼンを聞いてくれます。そして3日間一緒にいたという妙な連帯感があったりします。イイ感じの雰囲気。イコール、プレゼンで壊すわけにはいかない。私は機密情報の関係で初日・2日目には参加できず、今日が初参戦。脳内は完全に日本語モードです。そんな中、私の前に登壇する若手社員が話しかけてきました。「いや〜緊張しますね。僕、ぽにさんの前に発表なんですけど、もし僕がコケても、ぽにさんがカバーしてくれますよね!」なんて優しい子でしょう。私も思わず本音で返しました。「私も英語、本当に苦手で…たぶんカンペの音読になると思う」すると彼は笑いながら言いました。「僕なんて丸読みですよ〜」しかし、いざ彼の発表が始まると、私は悟りました。——丸読み、どこ行った?流暢な英語。視線は聴衆へまっすぐ。適度なジョークで会場を沸かせる余裕。完全にネイティブのそれでした。謙遜かと思いきや、むしろ実力隠しだったのかもしれません。私はこっそり席を立ち、廊下へ。「まずい…この次、私だ」逃げたい気持ちはありましたが、逃げるわけにもいきません。残り時間で、原稿のつまずきそうな箇所を確認し、思い切って自虐ジョークを1つ入れることにしました。

いよいよ本番

若手社員の華麗なプレゼンが終わり、ついに私の番。まずは聴衆へ感謝を述べ、こう言いました。「えーと、事前にお伝えするのを忘れていましたが…私の英語スキルは非常に低いです。質問は、スーパースローモードでお願いします」会場からは温かい笑いが起きました。よし、空気は悪くない。と思った次の瞬間、想定外のトラブルが発生しました。会場が暗く、手元のカンペがまったく見えないのです。よりによってこの日、左目の調子も悪い。「視力、がんばって!」と心の中で叫びつつ、カンペを顔の数センチ前に持ち上げて朗読するという、もはや形としてはコントのような体勢に。それでも、20回以上練習したことで内容は頭に入っていました。ゆっくり、確実に、噛まずに読み進めることができました。質問タイムでは、海外の参加者からは特に質問はありませんでしたが、日本人の参加者が気を利かせて質問してくれました。それでも、次の登壇者の方がこう言ってくれたのです。「この分野の開発をジャパンメンバーが担当してくれていて、とても嬉しい。ぽに、よろしくね!」—伝わっていた。それが何より嬉しい瞬間でした。会議後には、他部門の参加者が次々と声をかけてくれて、新しいアイデアも多くいただきました。緊張は大きかったけれど、参加して本当に良かったと感じました。

英語はツール、中身こそが価値

今回の経験で強く感じたのは、「英語はあくまでツールであり、最終的には技術や中身が大事」ということです。とはいえ、やはり英語は避けて通れません。20年前と比べても、その必要性は格段に高まっています。人口減少の中、企業はますます海外市場を目指していくでしょう。実際、私の会社でも英語が得意な人はまだ少数派。だからこそ、ほんの少しの勇気と積み重ねでチャンスが巡ってくるのだと思います。会議現場では、上層部のフィルターを通さないリアルな情報が得られます。点在していた知識が線につながる感覚。この楽しさは、実際に現場に立たないと味わえないことに、今回初めて気が付きました。この経験を機に、私は決めました。Web英会話の1日1回レッスンを、2回に増やすことにします。寝落ち率も2倍になりそうですが、それはそれ。大人になってから、「苦手なこと」を伸ばすのは確かに大変です。でも、大人になったからこそ、世界を広げられる瞬間もある。今回の英語プレゼンは、そのことを改めて教えてくれました。よし、やるぞ!

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